まさしく戦争の傷。鬼気迫る演技はホラーみたいだった。みんな風呂に入っていない泥まみれ汗だくの体で、ボロボロの心でかろうじて生きてる。役者が全員良い。特に戦争孤児の男の子の眼力が魅力的。趣里の低い怒鳴…
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塚本晋也監督『ほかげ』
太平洋戦争直後の日本。
前半は、趣里が密造酒と売春で生計を立てている焼け残った居酒屋の中。
映画の機材が小型化したとはいえ、こんな狭いなかで非常に激しいアクションをおさえた…
終戦直後の混沌とした時代を生きる人々を孤児の目を通して描いたヒューマンドラマ。
塚本晋也が監督を務め、趣里、塚尾桜雅、河野宏紀、利重剛らが共演。
孤児の少年がカボチャを盗んで人に追われて居酒屋に…
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※2,200字になりました。
戦後間もない日本を生きる人々の、消すことのできない戦争の記憶を描く。
映画の登場人物たちには名前がありません。
森山未來が演じるテキ屋の男が物語の必然性でかろう…
女が暮らす家の壁に残る、空襲の焼け跡の質感が印象に残った。戦争が人々の心に残した爪痕のメタファーでもあると思う。
終戦後もなお戦争による恐怖や後悔に喘ぎ苦しむ人々を孤児の少年が真っ直ぐに見つめる。
…
紛うことなき傑作『野火』を想起せずにはいられないタイトルの本作は、エンドクレジットのスタッフの少なさからも分かるように、塚本晋也作品の中では非常にミニマムな作りになっていると思う。女が薄い布団の上で…
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