賞賛すべきは「映画」としての素晴らしさでもあり、「物語」としての面白さでもあるのだが、何よりも「小説の映画化」という難事業の到達点の一つとして、本作を記憶しておきたい。
原作は文庫で上下800ペ…
ヤクザの親分の息子が親父殺されたあとに贔屓にしてた歌舞伎役者の二代目花井半次郎の家に引き取られて、そこの息子と女方として友達兼ライバルみたいな感じでやってて数年後に親父が怪我した代役を自分の息子じゃ…
>>続きを読む喜久雄の青年期がめちゃくちゃ目を引くというか艶やか。
一緒に刺青入れてくれて、どこまでも支えてくれてた春ちゃんがあっさり俊坊とくっつくのがびっくり。
舞妓さんの藤駒と初めて出会うシーンがめちゃく…
芸に身を投じる、芸に命を懸ける、とはこういうことなのかと。
喜久雄と俊介の歌舞伎役者としての幼少期から大人になるまでのストーリー、その時その時の繊細な心情、歓び・哀しみ・悔しさ・葛藤・嫉妬がこれでも…
恐ろしくて美しい映画だった。
一つの道を極めるってこういうことなんだと思った。命をかけて芸を極め役者として生きているからこそ、観客は惹き込まれるんだろうなと思った。
竹野の「あんなふうには生きれない…
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会