風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)の作品情報・感想・評価

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風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)1993年製作の映画)

西便制

製作国:

上映時間:113分

4.0

「風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)」に投稿された感想・評価

piroko

pirokoの感想・評価

4.0
静かで重く、しかし素朴で純粋という言葉が浮かぶ。
韓国の伝統芸能「パンソリ」で生計を立てる親子の生き様を描いた本作は、劇中で歌がたくさん愉しめるのがとても魅力的。
圧倒的な「声」の前にただただ見入ってしまいます。
派手さは無いけれどとても素晴らしい作品。



※しかし、、、、下の方でラストのオチを隠さず平気で触れたり、ネタバレをしている人たちが複数いますけど、ネタバレとかラストをバラすなら ネタバレマーク して隠して欲しいわ、マジで(怒)
たしか高校生の頃に観た映画。
あの長回しシーンがずっと記憶の底にこびりついている。
韓国映画の圧倒的な人間を見つめる力を感じた最初の作品。

ものすごい衝撃だった。
パンソリという韓国の口承文芸を生業とする親子の映画。

父に酷いことをされても健気にその父を信頼し続ける少女の、その過剰な健気さは常人には理解できないが、その理解できなさが少女の魅力になっている。

パンソリのシーンは、発せられる言葉の迫力に引き込まれるし、特にラストが見事。
でも、ラストのパンソリのシーンでは何を血迷ったのか、それを台無しにするような音響演出をしているので残念。それだけが残念。
Paul

Paulの感想・評価

3.5
淡々としているのに見応えのある作品
ラストの姉と弟の再会シーンは言葉を失うほどの迫力。
お互いの素性を確認せずとも、唄声で、語り合っている。
姉は「恨に埋もれず、恨を超え」た声を出し、
弟はその声に触れ、また恨を超えようとしているのかもしれない。
aoi

aoiの感想・評価

3.8
韓国映画や中国映画を見はじめるきっかけになった一本
のん

のんの感想・評価

4.5

2016再々鑑賞


この映画、大分前に観たのに今でも強く印象に残ってます。
思い出すと何故か胸がぎゅうーっとなります。

パンソリ演者(旅芸人のようなもの)として修行と旅を続ける主人公の歌声の強さ、これがいわゆる“恨”?と思わせる哀愁。たまりません。
自然と涙が溢れて来ました。
背景は厳しい自然の風景が多く、柔らかな光のイメージは無かった。
じわじわと地の底から熱が沸き上がってくるように物語は進み、主人公の歌声も凄みを増します。

パンソリは韓国の民族芸能で、一人の歌い手と太鼓奏で語られる物語性のある演奏です。
日本の浄瑠璃に近いものがあるように思いますが、より唸ります。屋外で歌われてきたからかもしれません。力強く唸ります。
それがたまらなくぞくぞくします。

ラストは涙なくしては観られません。





下記あらすじが無いので簡単に。


孤児のソンファを引き取って育てる父(ユボン)。弟のドンホは2人が居着いた先の女の息子で母親が出産で落命後、彼らと共に生きることとなる。
物語は貧しさに嫌気が差し父親のもとを飛び出した弟が姉を訪ね歩くところから始まる、芸道と情愛の物語。

時代的にまだ身分制の名残が残っている60年代。新しい芸能とふるい芸能(パンソリ)が市中で交差するシーンが象徴的。
この映画を観てパンソリという韓国の民俗芸能について初めて知った。
映画全体の雰囲気は静かで…でもほんの僅かに希望があるような。そんな感じ。
さやお

さやおの感想・評価

3.8
映画全体のじっとりジメジメ余韻残る感はすごく好き。パンソリも心に訴えてくるものがあった。
何より、旅芸人の生き方すげえな。って感想です。
OASIS

OASISの感想・評価

4.0
韓国の伝統芸能「パンソリ」の唱者である男が、離れて暮らしていた養父・養女と再会する為に旅をするという話。

パンソリというものは初めて聞いたが、日本で言う所の能や活弁みたいなもので、太鼓の音に合わせて語り手が物語を歌で奏でる芸のようだ。
何でも韓国に住む人の5人に一人は観たそうで「西便制シンドローム」なる流行語を生み出したとか。
ヒロインは決して特段可愛い子では無いけども、心の奥底へ染み込んで来るような歌声は確かに胸を打つし、語られるストーリーの中には物凄く重たさを持ったものもあってポップな弾き語りとは一線を画していた。

歌声を美しくする為には恨(ハン)を積んで情念(ハン)に埋もれない事が大事だと行って娘の目を見えなくしたり、喉が枯れるまで練習させたり、芸の為なら我が身を捨てよとスパルタ教育をする父。
妹もそれを拒まず恨(ハン)が一体何を意味するのかを必死に掴もうとするが、分からない。
韓国人の情緒的な部分の大半を占める恨(ハン)という概念は映画やドラマにおける登場人物の感情の根底に反映されていてそれはそれは大事な要素。恨みとも違うし怨みとも異なるという説明が難しいものなので、復讐モノの映画だとそういう感情が揺さぶられてより感動的になる。

劇中では「乗り越えるもの」と言われていたが、終幕を迎えてもなお乗り越えれたかのは分からず。
「挫折を糧に成長するもの」とすればかなり納得できて、主人公と再会しもう一度共に音楽を奏でる事でこれまで歩んできた辛い道程をプラスに変える事が出来たと思うと、二人が別れる事になっても歌は互いを強く繋ぎ続けるのだなと感じれるラストは希望ともとれる。

「パンソリ」すら知らなかった上に「西便制」と「東便制」の違いまであるとは・・・。
そんな文化を知る事が出来る貴重な映画だった。
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