こころの湯の作品情報・感想・評価

「こころの湯」に投稿された感想・評価

池P子

池P子の感想・評価

4.5
この手の映画はともすれば寝てしまう事もあるけど、この映画は主演3人の演技に魅入ってあっという間に終わった。
長男の影がある様な哀愁の漂う佇まいと、次男の明るく心の底から銭湯を愛している様子。何と言っても父親の自然な演技が凄い!本当に銭湯の番台にいそうな感じ。お客さんの雰囲気も良くて登場人物に愛着が湧く。
チアン・ウーはショックウェーブで極悪人だったのを見ていたので振り幅に驚かされた。
心に残るシーンが多く、また見直したい。舞台が銭湯だからか非常に身近に感じられるお気に入りの一本。
惣菜

惣菜の感想・評価

4.3
親父と弟が田舎で銭湯をやっている。弟には知的障害があり、穏やかながら常にいいテンション。主人公は都市部で妻と暮らしているが、ある日弟から、親父が死んだみたいに見えるハガキを受け取り、急いで帰ってくるが何てことなく父は生きている。そのままなんとなく数日里帰りして、手伝ったり手伝わなかったりしてみると、楽しく暮らしているように見えて、立ち退きの問題だったり、近隣の人たちの貧しい様子が見えたり、心安らかでないことがいろいろあるのを感じる。
古いものは文化も建物も、人間も含めてどんどんなくなってしまうのは宿命だけれども、こうやって見られるというのがせめてもの救いですね。何といっても序盤の銭湯の賑わいがよい。
オーソレミオを熱唱する男がいて、他の客からは顰蹙を買うのだけれど、弟は彼を熱烈に支持して邪魔者を水で攻撃する。実は熱唱男もすこし障害があり、風呂ではちゃんと歌えるのに町のカラオケイベントでステージに立つとちっとも声が出なくなる。
しょぼくれた喧嘩腰のじいさんたちは、座って蟋蟀を闘わせている。
垢すりの肌を打ちつける音と拍子、客がはけた湯船に家族で入ってするぼそぼそした話。銭湯万歳
yui

yuiの感想・評価

5.0
♨️銭湯は憩いの場.大事なことはずっと近くの人が教えてくれる
Henry

Henryの感想・評価

3.7
20161212 都市化が進んでいく郊外の銭湯を舞台にした中国の作品。銭湯の大将・都会で働く長男・障害を持った弟・そして常連客のヒューマンドラマ。大将の狭く深い慈愛は、じっくりと他人の心をあたため、それがまた他の心をあたためる。体が触れ合う大切さ、相手の心に寄り添う美しさを確認させてくれた作品。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.0
中国&香港映画のジジ様映画もたまりません…都会で働く長男が国元へ帰り、知的障害を持つ弟と老いた父の仕事を手伝うお話。お父さんの商売は銭湯"清水池"(´ω`)湯じゃなく池なんだね。知的障害の息子と過ごすお父さんが素敵すぎるし兄弟とも名演。
銭湯大好きです。日本よりコミュニティの拠点感が強いんですね、昭和の銭湯っぽいけど、マッサージとか沢山あって爺さん方のたまり場。病院にたまるより余程健康的。

一人暮らしを始めた当初シャワーで済ませてた。だがハタメタに忙しくしていたらにっちもさっちもいかない体調不良に(血液が70代と言われた)。自炊の割合を増やし湯船に入るようにしただけ身体が楽になりました…お疲れの方…簡単でいいから自炊率増やして湯船につかりましょう…(´ω`;)
わたしはあんまりわかんなかったかな。まだまだ浅いのですかな。

兄役の俳優の表情が素晴らしいことだけはわかった。滲み出る素晴らしさ。なにか懐かしさを感じてお兄さんをみてるだけでせつなかった。
五月王

五月王の感想・評価

5.0
北京の下町の古い銭湯を老主人と知的障害の次男が切り盛りしている。
そこへ昔家を飛び出したまま絶交状態だった長男が、父が病気と勘違いして帰ってくる。


銭湯は近所の住人が憩う社交場になっており、蟋蟀試合のライバル同士の諍い、恐妻家の男の壮絶な夫婦喧嘩、オペラを熱唱する男の秘密、など様々な挿話がユーモラスに温かく描かれる。
次男は銭湯と父親が好きでたまらず、父親も愛情いっぱいで面倒を見ている。
長男もそんな父子と接するうちに過去の確執が次第に溶けて行く。
しかし、都市開発により銭湯も周辺地域も取り壊されることが決まっている。
それと命運を共にするように父親の健康にも影が差し、次男の将来にも不安が募る。
長年親しんできた古き良き地域社会が、否応なく世代交代を迫られる。
その中で心地よい湯のように温かな人情を保ち続けていけるのだろうか。
時代の変化を誰もが諦め顔で受け入れる中、唯一次男の素直な叫びだけが本当の気持ちを代弁している。

一つ一つのエピソードがとても丁寧に描かれており、役者の演技も素晴らしい。画面も緊密で、やはり小津映画の影響も感じる。
心にしみこむ素晴らしい映画だ。

(2013鑑賞)
OASIS

OASISの感想・評価

3.6
父が営む下町の銭湯へやって来た兄ターミンが、知的障害のある弟アミンらと共に仕事の手伝いをする内に父の銭湯への愛を知るという話。

「薄氷の殺人」で注目された新鋭監督ディアオ・イーナンが過去に脚本を務めた映画。
番台さんと常連客との信頼で経営が成り立っているこじんまりとした銭湯というのは、日本でも中国でも変わらないらしい。
娯楽設備満載なスーパー銭湯も良いが、たまにはこういうところにも行ってみたくなるよねと思わせる映画だった。
コオロギ同士を戦わせて遊ぶ客、シャワーを浴びながらオペラを熱唱する客、借金取りに追われ風呂へ逃げ込む客などなど。
個性的だが若干迷惑な面々ですら水で流すかの如く受け入れてさっぱりと送り出していく様は正に都会のオアシスだった。

知的障害を持つ弟アミンと父親の二人暮らしという関係が、慎ましくもあり寂しくもあり。
そこへやって来た兄ターミンは、妻にアミンが障害を持っている事を伝えようとはせず、そうこうしている内に父親が倒れ地域の再開発のため銭湯の取り壊しが決まってしまう。
父親が、過去の話について長々と語ったかと思えば、自身の死については驚く程あっさりと流して描いてしまう所に辺りを満たす大量のお湯とは似つかないカラカラとしたドライさを感じた。

劇中に出てくるオペラ青年の、シャワーを浴びている間だけ驚く程声量が出ているのに人前では上がってしまって唄えない、という設定がまんま「ローマでアモーレ」に出て来たあの人に酷似していたのでウディ・アレンはこのキャラクターにヒントを得たのだろうか...。

その他、夫婦間の不和で悩む夫の奥さんが松坂慶子似の美熟女で、湯船に浸かりほんのりと上気するその艶姿につい見入ってしまった。