若き日のリンカンの作品情報・感想・評価

「若き日のリンカン」に投稿された感想・評価

弁護士時代のリンカーンを描いた作品。ヘンリー・フォンダがリンカーンに見えてくる不思議。顔というよりは長い手足や少し猫背な独特の姿勢を強調することでそう見えるのかしら。

人々の味方、ヒーローとしてのリンカーン像が強調されすぎていてちょっと苦手。
にく

にくの感想・評価

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J・フォード監督『若き日のリンカーン』(39)。辛気臭いといえば本作のヘンリー・フォンダに敵う者はない。フォードの描く、自らに決して陶酔することのない「若き日の」リンカーン弁護士は、未だ国家的熱狂を寄せ付けない。ま、その分、フォンダが自分の演技に陶酔してるかもしれないのだけれど。
川辺で出会う男女、季節は巡り女は変わり果てても川は流れ続ける。ラストの極端な照明が神がかってる、傑作。
イシ

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タイトル通り、弁護士時代のリンカーン青年の誠実な日々が描かれる。
彼のすむ街で殺人事件が起き、ある兄弟が容疑者として挙げられる。兄弟の尊厳を守り証言を拒否する母親をかばいながら、リンカーンは裁判へと挑む。

リンカーンの悩み方がすこし浅いように見えるし、裁判ものとしてそんなハラハラしないような小品だけど、フォードはすごいなと思う。

誰に寄り添って映画を撮ってるのか、言わなくったってわかる。
イワシ

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4.5
ヘンリー・フォンダとポーリーン・ムーアの場面が素晴らしい。川辺を歩く横移動、二人の間にある壊れた柵、ムーアの赤毛を好きだというフォンダのバストショット、川面の波紋、季節が巡り冬になったときの寂寥(ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』を連想した)、全てが好き。寂寥は映画の基調を成していて、伝記映画というより哀悼映画のように感じた。

ヘンリー・フォンダ扮するリンカーンはよく座ってる印象。保安官のように足を上げ椅子に腰掛けもするが、手すりや段差に直接腰を下ろしたもする。有名なあのモニュメントのように。十戒のエピソードが劇中に出てくるが、ラストの丘の上に歩いていく姿はそれを思い出させる。

ポーリーン・ムーアをと別れたヘンリー・フォンダが石ころを投げると、川に波紋が広がるショットに繋げられるんだけど、その直後にムーアが亡くなったことを示すシーンになる。水の波紋でが死を暗喩するのは『山椒大夫』を思い出した。
菩薩

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4.0
イニスフリーへの助走①

祭りの夜に起きた殺意無き殺人。兄は弟を思い、弟も兄とその家族を思い、互いに自分の罪と譲らず。重要参考人たる母親、どちらか一人を差し出すなどは到底出来ず、頑として口を割らず。圧倒的不利な状況に、若き日のリンカーン弁護士が立ち上がる。足長エイブがまーるくおさめまっせ、とばかりにズバっと事件を解決。じっちゃんになりかけて!じゃなくて名にかけて、真犯人はこの中にいる!ラストの逆転裁判はなかなかの見もの。流石のフォード、卒なく無駄なく面白い。
この名作を名作たらしめる要素はいくつもあるが、特に法廷シーンでのリンカーンの立ち振舞いが面白い。リンカーンは終始椅子の前足を浮かせて机に足をのせて座っている。椅子から立ち上がったと思えば、証人に面と向かって中傷まがいのジョークを飛ばす。しかし、この失礼な若僧の姿勢は大きな器のように、善悪を超えた人間の全てを広く包容する。そして、最後は姿勢正しく椅子に収まった大統領リンカーンの彫像のショットで終わるという、コメディアン顔負けのオチが決まっている。
前作の『駅馬車』、あの傑作をもう一度観たい。できればリマスター版で。
タイトル通りエイブラハム・リンカーンの若き日を描いた伝記映画。
お話はフィクションみたいですが、法廷劇として面白い作品でした。