理想の結婚の作品情報・感想・評価

「理想の結婚」に投稿された感想・評価

英国で舞台鑑賞のため予習。豪華!みんな若!映画だけどまさに戯曲という感じ。予定調和な展開も結末も、クラシックでとても端正。舞台もそうだったけどゴーリング卿演じるルパートエヴァレットが隠れ切れない隠れ主役。
KR

KRの感想・評価

4.0
ロンドン、1895年。
サー・ロバート・チルターン議員は
若くして躍進中。

自宅での盛大なパーティーで、
ローラ・チーヴリーに
声を掛けられる。
ローラはウィーンの上流階級の顔で、
名士との付き合いも広い。
現在は長くウィーンで暮らしているが、
数日の間ロンドンに滞在するという。

ローラはロバートに、
あなたの過去を知っている、
私の利益になるよう議会に働きかけてほしいと、
ゆすられる。
「いつかは過去の代価を払うときが来るのよ」
「金ならいくらでも出す……」
「過去を買えるほどのお金はないわ 誰にもね」

冷静で狡猾、
どんな時も笑顔を崩さない彼女は、
今までもそうやって
その地位を築いたのではと想像させる。
ロックオンするように相手を見つめ、
まばたきが少ないのが怖さを増す。

ロバートは、まだ閣僚秘書をしていた時、
有力者に情報を漏洩し、自らも利益を得、
それを元手に議会に入ることができた。

前途洋々で、周囲に持ち上げられ、
過去の不正を忘れてしまい、
まるで自分が本当の紳士であると
おごっていたことは、
ローラとの会話から分かる。

元々資金豊かな家柄ではなかったようで、
いまでも野心があると語る。
僕から妻にはとても話せない、
君ちょっと話してみてくれないか、
とアーサーに頼むのも、やや不誠実だ。
そんなことを言っているから、
最悪の形で知られることになる。
ローラは、ロバートが肩書きを捨てるはずないと
見透かしている。

その妻は、
ローラの昔の学友だったガートルード。
優等生で、純粋、模範的女性との評判が高い。
ガートルードは、夫を
清廉潔白で理想的だと信じ切っている。
これでは、ロバートがこの妻にはとても
相談できないのがよく分かる。
実は彼女も、
内心、自分は清く正しい人間であるという
驕りがあるようだ。

ローラとガートルードは真反対の性格。
会話からして、以前も何かトラブルがあった様子。
原作では、ローラは悪事がバレて
放校になっている。
ガートルードはローラと縁を切り、
夫からも遠ざけようとする。
しかし、ロバートの不正は事実なので、
今更遠ざけようとしたところで仕方ない。

ローラの
「好きに道徳を振りかざして。
道徳を持ち出すのは相手を嫌っているからよ。」
というセリフには、
お前が言うなとは思うが、
一理あるとも思った。

確かに嫌いな人について、
自分の都合の良い倫理観をこねくり回して
相手の過失を結論づけることは、
覚えがあるし、
歴史上、
自国の正義と敵国の不正を訴えて
始めた戦争は多い。
この場合は、そもそもローラの素行が悪いから
嫌われたのだから、当てはまるとは
思わないが。

衣装、セットも素晴らしい。
淑女たちのドレス、
ガートルード家のテーブルに乗った、
二人だけなのに何やらいくつもあるティーセット、
2ホールも置いてあるイギリスらしい焼き菓子、
人がすっぽり入れるほど巨大な中国磁器の壺が
いくつも並ぶ。
アーサー家も同じく、
東洋趣味な調度品や植物を置いている。
植物も竹やシュロ、シダ、ススキのようなものが多く、
それが英国伝統の家具とも調和している。
スエズ運河の開発によってインドとの航路が開けたとの
会話が、冒頭であった。
パーティーにインド大使も来ていた。
オリエンタルな家具やアクセサリーなどは
当時の流行だったのだろう。

後半は、
めまぐるしく展開する、はちゃめちゃのコメディ状態。

といっても大げさな演出は一切なく、
勘違い、タッチの差でのすれ違い、絶妙な空気など、
英国らしい描写でおかしみを生む。
にこにこしながら空気を読み合うのは、
日本とも共通するものがあるかもしれない。

冒頭から大ピンチなロバートと、
資産家のアーサー・ゴーリング卿は対照的で、
アーサーはいつも適当な態度。

独身貴族であるアーサーの家は、
行き場をなくした人が集まりやすい場所と
なってしまい、全員集合する事態に。
ガートルードには以前、
困ったことがあったら僕のところへ、
と言ってあったことがあった。
そして、追い返される者、飛び出していく者、
最後までねばる者。

みんながそれぞれ勘違いしていて、
聞く耳を持たないので一向に解決しない。
アーサーだけは辟易としつつ、
もう今日は早く寝よう!と楽観的。
早く寝なさい、は前半にも話題となったセリフ。

ロバートの妹メイベルが後半で言う
「”見る”のと”見える”のとでは
大違いなのよ」
というセリフは、
それまでどうもパッとしなかった彼女の
意外さもあって、印象的。
物語の本質でもある。

いつもいい加減なアーサーの
「彼を追い詰めるな
完全でない人間こそ愛が必要なんだ」
というセリフも意外。
彼が独身でいたのも、
「愛というのは与えるものだ
僕には愛を与えるほどの力はない」
と語った通り、
自分をよく分かっていたから
無責任な行動を取らないでいた、とも言える。
友人のロバートの相談に乗り、彼をかばい、
良いところを知っていて、尊敬し、
ローラが持ちかける賭けにも自分の身をかける。

ガートルードもロバートもメイベルも、
自分の気持ちを素直に伝えなかったこと、
そして耳を傾けなかったことが、
事態を余計にややこしくした。
相手を疑ったり、自分を装ったり、
相手を理想化しすぎたり、許せなかったり。

アーサーは、友を信じ、ガートルードもかばい、
自分の過去について何の言い訳もしないという、
軽薄に見えたが、実は一番の紳士だったと思う。
パッと見ではなく、中身を見極めるには時間がかかることが
これをもってしても証明される。

ロバートは、中盤で、大決断をしたと思いきや、
何だかその後もうだうだとし、
真の部分はやはり自己本位なのでは、と感じた。

最後の最後、
もう一騒動も二騒動も起きて、
全員がみんな嘘を吐き出すことと
それをゆるすことを求められる。

誰しも完全でないこと、
誰しも愛とゆるしが必要であることを考えさせる、
見事なラストだった。

一件を通して、みな自らの殻をやぶり、
大きく成長。
こじれにこじれた結果、ついに大団円となり、
すっきりする。

ワイルド原作だけあって、
社交界の傾向、けん制やいさかいなど、
トラブルが実に豊かに描かれている。
会話のウィットも巧みで、
名言も溢れている。
強いて言えば
ワイルド自身を最も投影したのは、
ナルシストで皮肉屋のアーサーだと感じた。

戯曲を観て、
お互いオペラグラスで覗き合うシーン。
幕が降りると、拍手と、
「ワイルドー!」とのコールに、
少しの間男性が出てきて喝采を浴び、
それがワイルドの戯曲だったことが分かる。
出演女性が男性に「グエンドレン」と
呼びかけているので、
『真面目が肝心』の上演ではないだろうか。
このようなシーンは原作では見あたらないので、
映画化にあたって入れ込んだ洒落だろう。

いつも小言を言いにくるアーサーのお父さん、
反対にいつも優しくアーサーの言うことを
肯定してくれるお付きのフィップスが、
いい味を出していて、
一貫した態度が作品を安定させている。

ルパート・エヴェレットが
『アナザー・カントリー』のガイであることに
後日ふと気付いた。
個性ある俳優で、しかも主演なのに、
全然気付かなかった。
それは俳優としてとても素晴らしいことだと
思う。
この人また出てる、とか、
何に出ても同じような演技だ、とは
言われない俳優だ。
Risa

Risaの感想・評価

3.3
結婚を難しく考えなくていい。
今この瞬間に相手の欠点を愛せるか、愛せないか。
相手を尊敬できるか否か。

メイベルとアーサーのやりとりが最高にキュートだった!
ルパート・エヴェレットの色気と品、
ケイト・ブランシェットの可愛さ、
ジュリアン・ムーアのいたずらっぽい笑みを堪能できた。
s

sの感想・評価

3.5
動画【字幕】
・邦題がまた微妙…内容は政治の裏側のドロドロでチーヴリー夫人にむかつくけどコメディー要素も結構あって面白かった!
・メイベルひたすら可哀想w最後あれでいいのかw
O

Oの感想・評価

3.6
ケイト・ブランシェットにジュリアン・ムーアに目の保養が過ぎる

高貴で上流階級で見ていて潔い

時代背景がある映画って見てて難しいんだけど二人が訪ねてきたシーンはしてやられた、フィリップーーー!面白かった

アーサーは不真面目で良い
予想に反する行動するけど憎めない

僕が見たもので気に入ったものはまだない

見ると見えるは大違いなのよ
美しいものが見えなければ何も見えないのと同じよ

遠回しの言い回しがかっこよすぎる

完全でない人間こそ愛が必要なんだ
汚れた世界をありのまま愛するのは勇気がいる

嘘が嘘を幸せに

気恥ずかしいセリフが多いけどケイトが手紙を読む時にちゃんとメガネをかけたりそういうところ含めて良い
皆さん若くて美しい!
お芝居がかったシークェンス満載。
古風な感じでした。

悪役ジュリアンムーア
若くてかわいい❤️
原作がオスカーワイルドの戯曲という情報だけで観たので、実力派のキャストが揃っていることもあり重々しい作品かと思いきや軽快で見やすかった。

ルパート・エベレットを中心に実質回っているけど、ケイト・ブランシェットとジュリアン・ムーアが衝突する場面が短いながら演技合戦という感じで見応えあり。
LaserCats

LaserCatsの感想・評価

3.5
まさに一難去ってまた一難的なラブコメ時代劇でした。なかなかの豪華キャスト。エヴェレットのひねくれてて気取ってて素直じゃない感じの主人公像が絶妙でした。お父さんがある現場を目撃してびっくりするときの表情が好き。
A

Aの感想・評価

3.2
2017.11.4(Sat)
オスカーワイルド原作ってことで見た。しかも最近改めて好きになったルパートエベレットとジュリアンムーアとケイトブランシェットが出てる。やっぱりみんな演技が上手い…!
話は面白いし誤解が解けてくのは爽快なんだけど、真面目が肝心とほとんどパターンが一緒だった。そして真面目が肝心の方がそのクオリティが上に感じられて、やや物足りない印象だった。あと美術とか衣装が美しいことには美しいけど用意しました感があって少し安っぽく感じられた。
でもハッとさせられたり美しかったりする言葉が多くて、オスカーワイルドの美学と感性はやっぱりすごいなぁと思った。特に「欠陥のある人間にこそ愛が必要なんだ」っていう台詞が、ここ最近見た映画の台詞の中で1番グッときた。愛についての深い言葉がたくさんあって、自分が答えを導くためのヒントをもらえたような気がした。原作の本を手元に置いてワイルドの言葉たちにずっと浸かっていたい。
ケイト様若いなー!
上流階級です!って感じの回りくどいセリフがたくさん笑