クライマックス、徐に降り出す雨が素晴らしい。この夜の雨のどうしようもない情感と湿気。その雨音と共に写真を燃やす。唯一あった幸せなる過去が今、灰になった。
芸者上がりの女は金貸し。
そこに金を借りに…
終始どこか不安な感じがして、何が起きるかもしれないとスリリングに観られる。それだけ杉村春子に感情移入させられる、上手い作りになっている。ラスト、加東大介と並びながら階段を降りていくシーンには、より今…
>>続きを読むもう何年もAmazonプライムの「観たいリスト」に入れていた本作をようやく鑑賞。戦後の貧しい日本で強かに生きる女性たちの生態を描く林芙美子の原作小説を映画化した、成瀬巳喜男監督の1954年作品。杉村…
>>続きを読む再見。経年による成瀬作品の見方は変わる変わる…染み入ります。中年の女たちを緩く確かに繋ぐものがある。杉村春子は今作もすごい。気だるい中にも抑揚あり、耳が熱中するこの魅力の語り。好きだった男の若い頃の…
>>続きを読むとにかく映画として面白い。出てくる人間が男と女も老いも若きも皆愚かでしたたかで一筋縄では行かず、戦後間も無くという時代背景はもちろんあり、その時代の街並みのゴミゴミした美しさも素晴らしいのだけど、林…
>>続きを読むこれがナルセか!──大阪アジアン映画祭のための大阪遠征から始発の新幹線で東京に戻り、シネマヴェーラの成瀬巳喜男特集、蓮實重彦大先生×岡田茉莉子様のトーク回のためにチケット購入列に並んだ。8:45に着…
>>続きを読むこの映画はちゃっかりしててさらっとした意地汚さを見せる金貸し杉村春子よりも(上原謙に覗かれての「キャッ!」はとんでもないシーンだが)、ギャンブル好きのダメ母望月優子の方が強い印象を残す。ラストの上野…
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