"ユハ"
"マルヤ"
"ふたりは子供のように幸せでした"
から始まる不吉さ。明るい音楽でふたりともにこにこして幸せそうなのに、もやもやと漂う不穏さ。こんな、絶対に悲しい物語に決まってる。
質素ながら…
悲劇なのかは、どうだろう。
マルヤの人生は、まだ始まったばかりだ。
これから先、まだまだ長い。
色々な思いを抱えながら、彼女はこれからの日々を生きていくのだから。
一度きりの人生、悲劇なんて呼ん…
音楽付きサイレントという時代への挑戦。
物語はシンプルでも、そこに漂う哀愁と寓意がカウリスマキらしい余地を生む。
キャベツが市場で売れるショットは、消費と原罪を暗示し、静謐な日常を一瞬で“寓話の舞台…