アキラナウェイ

ゆりかごを揺らす手のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ゆりかごを揺らす手(1991年製作の映画)
3.7
邦題が俊逸。
以前からこのタイトルには惹かれていたので、いつか観ようと思っていて漸く鑑賞。

とある産婦人科医の男性から、診察中にセクハラを受けたと訴えたクレア(アナベラ・シオラ)。そんな彼女に続き、多くの女性が同様の被害を受けたと訴え出た事で、追い詰められた産婦人科医は自殺。彼の妻(レベッカ・デモーネイ)はそのショックから流産してしまう。人知れずクレアへの復讐を心に誓った妻は6ヶ月後、ペイトンと名乗りベビーシッターとしてクレアの家に出入りするようになり—— 。

子を想う母の怨念は強し。

ベビーシッターとしてのペイトンの仕事ぶりが、演じるレベッカ・デモーネイの美しさも相まって、もう完璧。育児を任せるクレアの信頼貯金を着々と築き上げていく。

少しずつ侵食されていくクレア一家。

何が恐ろしいって、ペイトンがクレアの目を盗み、自分の母乳を赤ちゃんに与えていた事。「最近母乳を飲まなくなって」と悩むクレアを横目にしたり顔のペイトン。

お、お、恐ろしぃィィィ!!

クレアの家にお手伝いとして出入りしていた障がいを持つ黒人男性ソロモンが、ペイトンの授乳を目撃してしまってからの、彼を排除させる方法もまた陰湿。

お、お、恐ろしぃィィィ!!

クレアの夫の友人役で、ジュリアン・ムーアがちらり。クレアの娘エマを演じたマデリーン・ジーマが可愛い。

喘息の呼吸器
ライター
ウィンドチャイム

細かな伏線がきちんと回収されていくプロットはお見事。

最初からペイトンの狙いがわかっているので、捻りもどんでん返しもないけれど、サイコスリラーとしてはそこそこ楽しめる秀作。