人情は人知れず飛んでいく紙風船のようなものなのかもしれない。
人を楽しませ、喜ばせ、脆く、淡く、萎んでいく。
なんでもない日常が折り重なってそれぞれの人生を作っている。
誰かの弔いも、酒を飲んで騒…
『百萬両の壺』の裏を返したような話。3本しか現存しない監督について天才だ天才でないとはじめるのはさすがに居酒屋めきすぎるにせよ、山中貞雄のテンポとモダンさはいつも凄まじい。ケレンが少ない分、マキノよ…
>>続きを読む「ーー儚げに転がる紙風船に映す人情悲劇」
江戸深川の貧乏長屋に、浪人の自殺騒動が巻き起こる。竹光で切腹できなかった彼の死に、近隣住民は興味半分に騒ぐ。浪人・海野又十郎は仕官を夢見て知己の毛利に会いに…
何人かの視点がいったりきたりしていて群像劇的な要素もあるのにも関わらず、まるで一本線のようにシーンがずっと続いているかのように思える。それほど画面構成やカット割り、動きがスムーズなのだと思う。
ひと…
浪人の首吊り自殺が起きた長屋に住む、海野又十郎と新三の破滅を描く。
山中貞雄監督が戦地で死ぬ前の最後の作品。監督の『丹下左膳 百万両の壺』、『河内山宗俊』と今作のフィルム以外は現在消失。
タイト…
もう画面から江戸の生活臭が臭ってきそうなほどの作り込みがすごいし、題名の「人情」とは程遠いストーリーも印象に残ります。
浪人の首吊りで始まり浪人の心中で終わる、江戸時代においての、侍階級の脆さも描い…
浪人っていう宙ぶらりんな身分の苦しさがすごい胸にくる
救いがだいぶ少なめな終わり方で苦労の耐えない時代ならみんな共感するだろう
脚本の言葉選びも良いが
昔の映画は俳優陣の喋り方に独特のかっこよさが…
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