大昔、岩波ホールで観ました。
淀川さん流に言うと「何ともしれない」不気味、怖い、作品ですが、ドイツ表現主義の影響確かにあります。
某、日本の監督の残酷、陰惨、女性蔑視で醜悪な面はなく、美しい映像が印…
淀川長治からは「キザ」と切り捨てられたらしいけれど、それでもドイツ映画の表現を模倣しつつ日本の情緒的な美学と結びつけ独自の映像世界を構築した衣笠貞之助監督の演出は中々のものでこうした下地があるからこ…
>>続きを読む『狂った一頁』が商業的にコケた次作として鑑賞。
実験的でテンポの良い映像は健在ながら、薄幸の姉弟というストーリーや中間字幕があることから、『狂った一頁』よりやさしい作りになっている。
「立ち回りのな…
衣笠貞之助監督が、試行錯誤しながらのドイツ表現主義映画を標榜した新感覚実験映画第2段で、姉千早晶子と弟阪東寿之助の兄弟愛と過酷な運命が十字路を交差する様に切々と響く時代劇映画の金字塔。弟が、狂乱の盛…
>>続きを読む目の見えない弟が姉の肩に顔を寄せているショットは姉弟愛を超えた性愛の官能さがある。気を失う人物の主観ショットとしてのぼけつつ回転する映像は『狂った一頁』を連想する一方、姉の家や遊郭は2階にあるため高…
>>続きを読む87分。
遊郭の女にのめり込む弟、心配する姉の話。
遊郭の狂騒。うなだれる姉。
十手の男の邪悪な動物のような笑顔。
演出について、弁士の片岡一郎さんが「『十字路』は『狂った一頁』よりも狂っていて…