衣笠貞之助監督が、試行錯誤しながらのドイツ表現主義映画を標榜した新感覚実験映画第2段で、姉千早晶子と弟阪東寿之助の兄弟愛と過酷な運命が十字路を交差する様に切々と響く時代劇映画の金字塔。弟が、狂乱の盛…
>>続きを読む目の見えない弟が姉の肩に顔を寄せているショットは姉弟愛を超えた性愛の官能さがある。気を失う人物の主観ショットとしてのぼけつつ回転する映像は『狂った一頁』を連想する一方、姉の家や遊郭は2階にあるため高…
>>続きを読む87分。
遊郭の女にのめり込む弟、心配する姉の話。
遊郭の狂騒。うなだれる姉。
十手の男の邪悪な動物のような笑顔。
演出について、弁士の片岡一郎さんが「『十字路』は『狂った一頁』よりも狂っていて…
「時代劇が前衛だった-牧野省三、衣笠貞之助、伊藤大輔、伊丹万作、山中貞雄」という本が最近発売されていて濱口竜介監督の帯につられて読んでみたら面白かった。
そして、たまたまこの本に出てくる作品の特集上…
ストーリーは別に面白いとかないけど(失礼)、多重露光とか、動き回るカメラとか先鋭的な表現が目白押しだった!当時の人はこれらの映画文法を理解できたのかな
骨組みだけになったが落とす影が弟の失恋を表し…
日本映画で初めて海外で評価を得た作品。「狂った一頁」(1926)に続く衣笠貞之助のアバンギャルド映画。
昭和3年制作。映像が素晴らしい。ストーリーは姉弟の悲劇モノで少々くどいのが惜しいが、映像表現…
【1928年キネマ旬報日本映画ベストテン 第10位】
衣笠貞之助が『狂った一頁』に続き制作した作品。本作も剣戟シーンのない異色時代劇として前衛映画としてつくられ、とりわけ遠近法を誇張したセットにより…