奥行きを感じさせるショットが多かった。各部屋の宿泊客たちが交流を持ったから成り立つ、襖を開け三部屋が繋がるシーンは素晴らしい。
田中絹代の位置が相手との関係性によって入れ替わる分かりやすさ。
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当時の価値観はそういうものと捉えるようにしているけど、ルッキズムの笑いが全然合わなくて、そこからしばらく乗れず(隣の爺がゲラすぎたのもある)。下部温泉の豊かな自然の中での人間模様。戦中を感じさせない…
>>続きを読む『簪』清水宏監督作。『按摩と女』を想起する温泉宿を舞台にしたユーモラスな作品を今度は井伏鱒二原作で撮る。重大なことは起こらず、山あいの自然は美しく、詩情豊かなフランスのバカンス映画に似た味わい。戦争…
>>続きを読む溝口健二をして「天才」と言わしめた名匠清水宏の作品初鑑賞。鄙びた温泉地でひと夏を過ごす宿泊客の様子を人情味豊かに謳い上げる。太平洋戦争勃発前の庶民が織り成す人間模様を牧歌的に綴ったそのセンスが抜群。…
>>続きを読む襖を通して奥まで伸びる客室や、川に架けられた木の橋、屈み込んで泣く田中絹代に合わせるようにカメラが低いポジションになると奥から子供が駆けてきて呼びかけてくるショットなど、奥行きの使い方が冴えている。…
>>続きを読む"情緒が足の裏に突き刺さった"
大広間に襖を何枚も隔てることによって生まれる奥行き。ローアングルによる柔らかさ。手前では子どもがちゃぶ台で勉強をし、中間では女が服を畳み、奥では学者が本を読み、老人…
安直なカタルシスからほど遠いにも関わらず、情緒的イリュージョンを創出し、それを絶妙に解体する。光の照り返し、川の流れ、風に触れる木々。ただただ見惚れるばかりで、思わず涙が出てしまった。この映画がどの…
>>続きを読むアブラハム渓谷かと思うラストショット
客電が点き、似たような背格好のジジイたちが、簪が刺さった笠智衆さながらゆっくりと階段を登って劇場を出ていく
いつものヴェーラの風景なのに、今日は思わず笑けて…