日本侠客伝 花と龍の作品情報・感想・評価・動画配信

「日本侠客伝 花と龍」に投稿された感想・評価

 大団円を迎えたように見えたシリーズが「花と龍」の原作を借りて続行。現代を舞台に重い空気が漂っていた前作の反動か、時代を明治に遡り楽しいマキノ節が全開の第9作。過酷な労働環境の中逞しく生きる人々の応援歌。シリーズ本来の魅力が復活。
 相変わらず脇のキャストもみんな生き生きしている。津川雅彦も兄に負けじとコミカルリリーフを見事に務めているが、今作はとにかく山本麟一。博打と女好きで仲間思いな分かりやすいキャラクター。見ていて気持ちいい。しかしシリーズ9作目に至っても、殴り込み前の男女の別れが全て名場面になっているのは奇跡的なことじゃないだろうか。撮影直前まで必ず厳しい本直しを行なったマキノ監督の粘り強さの賜物なんだろう。健さんは今作での跪いてお腹に耳を当てる芝居に難色を示したそうだが、結果素晴らしいシーンに。
 あと殴り込みのシーンに関して。マキノ監督は殴り込みに興味がなく演出を任せてたなんて証言もあるが、藤純子の黒田節とともに始まる今作のケレン味に満ちた殺陣はきっと力を入れて撮ったに違いない。監督が好きな歌と踊りを融合させた素晴らしい場面。
 マキノ監督は撮影中に骨折し、一時は撮影中断も危ぶまれたものの動けない監督をみんなが助けなんとか撮影は終了。そんな全力の撮影にも関わらず、監督曰く『日活に女郎のように売られ』シリーズを去ることに。日本侠客伝の次作はなぜか同じ原作でまるで今作のリメイク。監督による違いが浮き彫りに…
WOWOW 生誕90年高倉健特集
日本俠客伝シリーズ9作目

舞台は北九州、実存した玉井金五郎の半生の物語。
健さんが玉井金五郎役、悪徳伊崎(天津敏)を倒すそのラストはいつものシリーズ勝利の方程式。
今回は藤純子さんがタトゥーを入れた博打の壺振り役を演じる。
玉井の勝気な女房おマン役は星由里子さん、メチャクチャ素敵!

WOWOWシネマ
martin

martinの感想・評価

4.3
中村哲先生の祖父にあたる玉井金五郎の生き様を描いた作品。
健さんらしい主人公像に仕上がっている。
2秒前

2秒前の感想・評価

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高倉健と星由里子が戸畑に旅立つ船場での質量を伴った灰色に輝く海が印象深い。
藤純子の最後に身を引く姿や死地に赴く星由里子の顔など、女優陣が映えている。
日本俠客伝シリーズ、最後のマキノ雅弘監督作品。ラストの殺陣に藤純子と二谷英明がからむ。
玉井金五郎は、日露戦争後北九州で港湾労働省として働き始める。
GOFEET

GOFEETの感想・評価

3.5
▶マキノ雅弘監督による『日本侠客伝』シリーズ第9作
▶星由里子に関しては、個人的にはイマイチだけど、今回も足の悪い兄嫁役の三島ゆり子がいいです。
▶ラスト、ピストルを構えての大立ち回り、藤純子に痺れます。
tak

takの感想・評価

3.0
かつて石炭積出港として栄え、映画ロケで数々の実績がある北九州市若松で開講された、ロケ地観光を考える市民講座に参加したことがある。新旧の作品を観てロケ地マップを作る、なかなか楽しい経験だった。

若松出身の作家火野葦平の「花と龍」は彼の代表作。これは葦平の父玉井金五郎と母マンの半生、石炭荷役ごんぞうのエネルギッシュな生き様を描いた義理と人情にあふれた人間ドラマ。これまで何度も映画やドラマ化されてきた。しかし、いわゆる任侠映画のひとつとして世間ではイメージされており、原作のよさが誤解されている状況がある。

事実、玉井金五郎は男気のある人物で多くの人々に慕われた。その孫が、アフガニスタンで非政府組織で活動中凶弾に倒れた中村哲氏。弱き者のために力を尽くすそのスピリットは、祖父から受け継がれたものなのだ。「もう一度「花と龍」が若松ロケで撮られたなら、やくざものとして知られている誤解を解きたい」という地元の声もある。

小倉昭和館でタイムリーに高倉健特集があり、「花と龍」が上映されると聞いて行ってきた。この「日本侠客伝」はシリーズとして製作された、日本各地を舞台にした任侠もの。本作が第8作、続く9作目の「日本侠客伝 昇り龍」が火野葦平原作となっている。石原裕次郎主演の「花と竜」を劇場で観る機会に恵まれたが、その時に感じたのは、任侠映画のかっこよさというよりも筋を通す男の生き様のかっこよさ。決してバイオレンスを楽しむ映画ではないことに驚いた。

裕次郎版と比べると、高倉健版はやはり荒っぽい。そこはやっぱり「日本侠客伝」と銘打っているだけに、任侠映画のかっこよさをクールに追求した出来映えとなっている、と感じた。高倉健の金五郎は最初はやや頼りないし、どちらかと言うと不器用ながらも人に懸命に立ち向かっていく真摯さが魅力だ。地味だけど懸命に頑張る姿を周りが評価して慕われる男。それを助ける女性たち。裕次郎の金五郎のグイグイ引っ張っていくような男気とは違って、寡黙に自分を貫く男。それは健さんのキャラ故の役作りだろう。しかし最初にも述べたように、世間での誤解につながるようなバイオレンス色を印象づけたのは間違いないだろう。

「若大将」シリーズのヒロイン星由里子が気っぷのいい石炭荷役を演ずるのに最初は「え?」と思ったが、だんだんと自然に見えてくる。女彫り物師を演ずる藤純子がやはり美しい。クライマックス、黒田節を歌いながら銃を構えて主人公を救う場面は健さんがかすむ。
ちょみ

ちょみの感想・評価

3.8
中村哲医師の祖父母にあたる人が描かれた映画。
本でも読んだけど、中村哲さんの強き者に屈しない精神は脈々と家系に流れるものなんだなと感じた。
シリーズ9作目。ネタ切れなのか何度か映像化されている火野葦平の小説『花と竜』を原作に添える。そして90分前後だったシリーズにしては珍しく120分近くの長尺となっており前作でしくじったからか藤純子や天津敏を戻してこれまた珍しく他社から星由里子や二谷英明を拝借して起用している。ストーリーや展開は舞台を変えただけで今までとほぼ同じでラストの殴り込みシーン以外はあまり見せ場はないように思う。ただ、殴り込みシーンが非常にかっこよくこれを観るだけでも価値のある作品となっている。この気合いの入れようは尋常でない熱さを感じる。そして藤純子は『緋牡丹博徒』シリーズで当たり役となった緋牡丹のお竜を数作演じてからの本作出演となり、7作目以前の本シリーズ出演作よりもスケールアップして随分と凄みが増しており、高倉健と並んでも遜色ないような出来となっている。あと、どの映画でも大体すぐ殺される小松方正が最後まで粘ってて何か意外性があった。
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