人生劇場 青春・愛欲・残侠篇の作品情報・感想・評価

人生劇場 青春・愛欲・残侠篇1972年製作の映画)

製作国:

上映時間:167分

ジャンル:

3.7

「人生劇場 青春・愛欲・残侠篇」に投稿された感想・評価

ムチコ

ムチコの感想・評価

4.1
コッテリしてて窒息しそう。すばらしい。
序盤の香山美子のベッドシーン。加藤泰の映画はいつも人が汗ばんでるな〜。ビュンビュン都合よく展開して、結局だれの話だったんだっけ?となる。

香山美子と倍賞美津子がふたり手を取って逃げるところ好き(シスターフッドというやつだ)
先日観た永島敏行版より、こっちの方が個人的には好きですね。主題歌もちゃんと古賀政男の人生劇場だし。ただ贅沢をいえば、美空さんより村田さんか楠木さんバージョンにしてほしかったな。

吉良常が田宮二郎。永島版の若山富三郎に比べてダンディ過ぎる気が😅

上映時間は、こっちの方が長い分、慌ただしさは少ない(尤も、元々が大長編なので、どうしても駆け足、ダイジェスト感が拭えないが)。

また、永島版が瓢吉メインだったのに対し、こっちは飛車角と吉良常がメインになっています。また、吉良常は永島版では冒頭でさっさといなくなるのに対し、今作ではほぼ出突っ張り。任侠路線に振り切った分、映画的な面白さはこっちの方が上。

任侠映画がどうのこうのではなく、永島版はどっちつかずな感じがして、中途半端なんですね。

ちゃんと浅草のシーンで、浅草十二階こと凌雲閣も映っていて、芸が細かいな、と思いました。


因みに、あまり知られていませんが、柴又帝釈天題経寺に、人生劇場の石碑が立っています。
加藤泰がこの世へのせめてもの心遣いに礼讃するところの(現し世)は夜の夢と見まがうばかり。

加藤泰『人生劇場 青春・愛欲・残侠篇』

野辺に繁茂する雑草のような俠客たちも、咲き乱れる干草のような女郎たちも、樹陰にゆったりと巨躰を横たえるような親分衆も、そこかしこに飛び交う怒声や、彼らの背中の紋に滴る健やかな流汗、躍る長刀、西陽の斜光が長い影を落とす草むした墓地や橋、船着場さえ、
映画が映すこの(現し世)たちに見惚れているうちに筋の軸などとっくに置き去りにして3時間弱の快楽に浸っていた自分に気づいたのでした。
ヒロ

ヒロの感想・評価

3.6
さすがにご都合主義が行き過ぎだが、それを「これも縁ですな」と強引に納得させる感じがいかにも加藤泰という感じで笑える。がお得意のローアングルからのロングショットはバチバチに決まってるし、中でも仇を取りに敵方の拠点に乗り込む際の吉良常、飛車角、宮川の夕焼け3ショットはカッコよすぎて鳥肌。すげぇ男というか漢の映画、木下恵介の対極。

2020-26
濃かった。濃すぎて濃すぎて、縁が濃すぎて、縁が濃けりゃあ人生で大事な人といつでも巡り会えるんだ、そう納得させられる傑作だった。反則のような出会いの数々に説得力を持たせる、加藤泰の演出力がすごい。胸を打つ名セリフ、本気で刀を振り下ろす鬼気迫るチャンバラシーン、美しい香山美子と倍賞美津子、全編見所しかない。観終わったあと調べたら、冒頭で自殺する森繁久彌は息子役の竹脇無我の父親と仲が良くて、その竹脇無我の父親は実際に自殺してて…フレームの外でも縁が濃すぎてくらくらした。
わっせ

わっせの感想・評価

3.8
気が抜けないカットが多数
シネスコの傑作と言ってもいいかも
任侠映画の文法を知らないのだが、描かれる男たちが渋すぎて勢いで感動した。

ただ長いし登場人物が多いので相性があるかも。俺とは悪かった。
Jimmy09

Jimmy09の感想・評価

1.0
加藤泰監督の作品。

兎に角、登場人物が多すぎて、話も入り組んでいたため、内容を追うのに精一杯だったが、この映画を観た直後の記録には「登場人物多数で面白くなかった」の一言しかない。
余りにも有名な物語なので説明は不要でしょう。
人生劇場と言えば、やはり東映の
飛車角…鶴田浩二さん
吉良常…辰巳柳太郎もしくは月形龍之介さん
宮川…高倉健
が最高峰のキャストであるとは思いますが、
本作、松竹の
飛車角…高橋英樹さん
吉良常…田宮二郎さん
宮川…渡哲也さん
も、激痺れます!
泰監督、流石の演出。
面白かったがちょっと長い。絶対にすっきり最後までいかないセックスの描きかたに、絡み合う因果のいたずらをみる。橋の上で出会い別れる人々の姿が印象的だった。
若い頃(うる覚えの初観時)は古くさい任侠モノな上に、描かれる世間が狭過ぎてナわけないだろ!な印象を持ったけど、そんな自分の若さが恥ずかしくなるくらいに素晴らしい作品だった。

出会いの偶然が多過ぎるのは当たり前で、本作は任侠道よりも劇中のセリフにあるように「不思議な縁」に重きを置いているドラマだと若い自分は分かっていなかった。

始めのヤクザの出入りで高橋英樹が大活躍して、ヨボヨボで死に損ないの老親分・田中春男に感謝され「おめえのことは死ぬまで忘れねぇ」と言われるのには笑った。

渡哲也と高橋英樹、見た目が似ていると思ったことがないのに、本作ではすごく似ているように感じたのはなぜか。

上海の舟の上(←違ったかも)で久しぶりの再会をした田宮二郎と竹脇無我が会話するシーンでの揺れるランタンからの光が印象的で素晴らしかった。もちろん随所におけるお得意の超低位置カメラの画も。

168分の長尺なのにシンプルな筋書きでそんなに重々しさもなくサラッと観れた。それでいて深い。正直、加藤泰は過大評価されている監督だと思っていたけど本作で考えを改めることにしました。
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