高原の情熱の作品情報・感想・評価

「高原の情熱」に投稿された感想・評価

ダイナマイトが一日中炸裂している工事現場の横にあるホテル、という狂った舞台に狂った人物が続々集まる。
バイクをすっ飛ばして転がり込んでくるアル中のインパクト!
しかし演出は古典フランス映画らしく静謐なタッチになっているのが面白い。
空を縫うように走るケーブルがジリジリした圧迫感を生んでいる。

だんだんにじみ出てきた情念が、舞踏会を終えてついに溢れ出すクライマックスは最高。
グレミヨンの映画は同時代のルノワール以上に堅実かつ静謐なタッチの映像で度々見返したくなるのだけど、この作品もそんな映画の一つ

僻地のホテルでの男女五人の恋愛模様を情熱的かつ美しく描写して二時間弱たっぷり魅せる素晴らしい作品で、凄惨なラストなのに見終わった後には良質な作品を味わった満足感がただ残る

レンタルで探しても見つからなかったので迷った挙句少し高めのDVDを購入してしまったが、それだけの価値は十二分にある作品だ
TaiRa

TaiRaの感想・評価

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高原のホテルにやって来た女を中心に、アル中の恋人、サイコパス富豪、ホテルの女主人、ドカチン青年、と周りの人間が勝手に壊れて行く話。

クライマックスへのテンションの上げ方が最高で、仮装舞踏会の狂乱〜夜道の爆走酔っ払い運転〜ダム建設現場、と見せ場が多い。舞踏会では紙吹雪の意味合いが場面によって違う。爆走する車やライフルで狙う時の主観映像。作業員たちが詰め寄る時の光の演出。それと全編通してのロケーションが凄い。特にダムの建設現場の迫力はSF映画みたい。音だけの回想とか洒落てた。

撮影期間が1942年から1943年にかけてらしく、その時まさにフランスはドイツに全土占領された。それを踏まえると、ラストも色んな見方出来る。
cinemar

cinemarの感想・評価

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ホテルの空室案内され、気づいたら美女にキスをされてるってズルいわ〜

男3人、女2人の奇妙な恋愛ドラマ。
それぞれのキャラクターが面白いです。

あと、冒頭とラストの削れた石ころが転がってくる感じ好きでした。
分かりやすい位に、フォーマットに添ったメロドラマだった。

ダメンズなジュリアンに、自称天才アーティストなダメ男、妻殺しの傲慢な金持ちに、愛人から昇格したい、元ダンサーなホテルの支配人。

そこに舞い込む爽やかな技師青年。

いやぁ、分かりやすい!
サクサクと進む、予想通りな展開。

ラストは、ダメ男ズは死んじゃって、予想通りのカップル成立で終い。

…古い映画だからいいけど、今の作品だったら「なんだかなぁ…」と呟いてそう。ww
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
他の男が狂い過ぎてるから目立たないけどあの労働者も結構頭おかしいからきっとパリに戻ったら別れることになるだろうな。
しかしあれだけ盛り上がるパーティーを打てるのは大したタマだし、ゴージャスな仮装のまま朝普通に働いてる炭鉱になだれ込むところはクラバーとしてはグッとくるものがあった。
ホテルのボーイとか大村崑みたいな客もいい味だったしエッフェル塔のくだり良かった。
ダム建設の労働者の中にハムレットやらウィリアム・テルやらカトリーヌ・ド・メディシスのコスプレが紛れる倒錯感が痺れる。だいたい岩だらけの山にぽつんとあるホテルも変だった
tjr

tjrの感想・評価

4.0
「ゲームの規則」を思わせる仮装舞踏会シーン、度を越した乱痴気騒ぎと舞い散る装飾の中で自分たちの道を見出すカップルの姿が美しい。ヒロインに対し男3人が想いを寄せるメロドラマというのも案外新鮮かもしれない。
ウサギのおもちゃ、発破を避ける筒?、ロープウェイなどキテレツな装置が多く登場して楽しいが、やはり一番のインパクトは登場シーンから泥酔してバイクで事故るロランさんのキャラだろう。
めちゃくちゃ面白い! なにがどうなってそうなったのか分からないままヤバい事になって行って心地イイ。狂騒曲。

男性陣がイチイチこじらせてて最高。三者三様、タイプが違えど皆どこか愛着障害気味。ヒロインに選ばれなかった二人は挙句モーツァルトとハムレットになって狂って発砲して転落死するし飲酒運転で事故死するしで容赦なさすぎ。

そもそもダムを作る前段階の爆破なんかしてる未開の地にあんな絢爛ホテルがあるというのがキテレツで素晴らしい。田舎の田んぼ道に突如現れる西洋風ラブホ的なものなのか。すぐ近くでダイナマイト使ってるのに壁全面ガラス張りなのがイイ。絶対石跳んで来てすぐ割れると思う。

頭悪い感想しか書けないのでDVD買って見直そう。面白かった!
アル中とストーカーと人殺しに惚れられた美人が自分以外の周囲に不幸を撒き散らしながら爽やかな高原から去って行く厄災のような話。@渋谷シネマヴェーラ
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