グリーンフィッシュの作品情報・感想・評価

「グリーンフィッシュ」に投稿された感想・評価

売れ筋に沿った脚本ではあるものの、(監督の)デビュー作とは思えない落ち着きぶり。
映画話術に若干唐突なところも見受けられたが、すでにベテランのような老成を感じた。

民主化を経てスピーディに変貌するソウル近郊、韓国男子は避けて通れぬ徴兵といった要因が生み出す疎外や堕落を、センチメンタルな喪失感と共に描き出す。
焦燥に突き動かされる登場人物たちは走り、車を飛ばし、電車に乗って移動を続けていく。
また場面の端々から、権力の腐異臭が漂っていた。

ヤクザ映画ではあるが、監督は女性キャラに同等の見せ場を与えるニュートラルな感覚を、本作でも充分に発揮。
その演出に応え、シム・ヘジンは印象的なヒロイン像の創造に成功している。
谷口

谷口の感想・評価

2.0
どうしようもなく不恰好で不器用で愛おしいイ・チャンドンの美点が、家族のテーマを通じてスポイルされてしまっている感が否めない。冒頭、走る列車で出会うところから最高だけど、だんだん失速していった印象。ところどころに後の傑作に通じる要素(線路、軍隊、障がい者など)が入っていて面白い。ナイトクラブに出演している歌手と、それを見つめるタフな男という構図はやっぱりどうしても好き
積みDVD消化。

イ・チャンドン監督デビュー作。
後の監督作に比べると青臭い印象。
ムーディなヤクザ映画。まぁ地味。
にこ

にこの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

イ・チャンドン監督初作品。
え、これが初??て思うぐらいチャンドン節が感じられる。改めてすごいと思った。

ストーリーは兵役を終えた青年が家族を養うべくヤクザ組織に入ってボスに気に入られながらもボスの女と恋に落ちて…破滅に向かっていくありがちな展開ながらも、イ・チャンドン監督ならではの表現があちらこちらにちらばっていて、あ〜イ・チャンドンの映画だぁぁ(語彙力)と唸ってしまった。

イ・チャンドン監督の映画ってなにかキーワードになるものがあると思うんだけど、この映画は「柳の木」かな。街は変わっていっても柳の木はそのままだし、そこに主人公マクトンが夢見た家族の形もあるような気がする。

あと、やっぱり余韻が凄い。他の映画では得られないような独特の余韻が感じられるからこの監督の映画が大好き。
ストーリーはよくある展開のヤクザ映画という感じ。ただ、主演のハン・ソッキュも脇役でありながらも既に巧すぎるソン・ガンホの演技が素晴らしい。
こういうノワール映画を観ると、ロマンは感じるけど 結局貧しくても普通に生きる方が良いんだろうといつも思う。
白白

白白の感想・評価

4.5
どうがんばったところで、人生というのは歩みを止めたりはしない。ちょっと腰を下ろして、ひとしきり夢を見る、それだけのこと。
映画の舞台になる一山新都市は大学の友達がそこに住んでいるのでバイトに行ったけど、1996年には本当に何もなかった時代だった。 映画の中で韓石圭(ハン·ソッキュ)さんが話しているセリフの中に"昔ここがアカシアの花がいっぱいあったんですが…"というセリフが印象的。 日本人ファンサイトで得た情報によってロケ場所がどこなのか分かって本当に感謝。 あの時のノスタルジア。
今の時点で見ると、超華麗俳優陣。ハン·ソッキュ、ムン·ソングン、ソン·ガンホ、チョン·ジェヨン、ミョン·ゲナム、イ·ムンシク、チョン·ジニョンに音楽監督にイ·ドンジュン氏。
VHS版を入手して鑑賞。
脇で出ているソンガンホが良い味出してる。若いときから上手いな〜。
ハンソッキュは『八月のクリスマス』のように多くを語らないキャラクターでした。
イ・チャンドン監督のデビュー作。冒頭のスカーフのシーンや、最後の食堂の場面など、まさに映画的な修辞法に溢れた作品。小説家出身らしい企みも、イ・チャンドン監督の面目躍如といったところだ。基本的には主人公がやくざな道に入っていく過程が物語として描かれていくのだが、その背景にきちんと彼の家族関係を置き、最終的には主人公というより、彼の家族の物語にフォーカスしてくる。そのあたり、人間を描くのに長けているイ・チャンドン監督らしい。ポン・ジュノ監督よりは、少し上の世代だが、韓国の映画はこのあたりから、才能ある人たちが多く輩出してくる。まさに、その幕開けともなる作品。ソン・ガンホも出演しているというのだが、気がつかなかった。
兵役明けの気が強い主人公が、ひょんなことからヤクザの親分の情婦に気に入られ…と、他の純文学的イ・チャンドン作品と異なり、通俗ハードボイルド小説のようなテイスト。
でもこれはこれで懐かしくムーディーで味わい深かった。
余談だがVHSで観たのでいまだに元気なビデオデッキには感謝。
>|

あなたにおすすめの記事