仁義や任侠という倫理が存在するコミュニティで、それぞれが正しくそれを全うしただけで、全くもって無意味で滑稽な理由の死があたかも必然のものとされてしまう。
ヤクザ、渡世人と呼ばれる人々の独自の情緒セ…
と、いうわけで今日は任侠映画です。
生前に三島由紀夫先生が、
「一つの限定された社会の様式的完成」と絶賛されていた本作。
それぞれの人物描写が素晴らしく、全てが悲劇に向かって進んでいく物語は、
ギ…
昭和の名俳優、鶴田浩二主演の映画を見たのは初めてかもしれない。
跡目相続問題を理性的に丸く収めようとする鶴田浩二だが、筋が通らねぇとゴネる兄弟分の若山富三郎。なんだかんだで丸く収まりそうになるかと思…
トレードオフという概念を知らぬ(そして人命の有限さを考慮しない)男たちのヤクザロジックの応酬の不毛さに驚かされるが、その中でもつや子の無駄死にっぷりには衝撃を受ける。ほんとにこの死は全くもって意味が…
>>続きを読む権力に固執した人たちのせいで、下の者が知らないうちに犠牲になる。ここで"男性性"という厄介な性質がさらに問題を悪化させ複雑にしてしまう。社会の縮図みたいだし、国同士の争いにも見える。個人的に任侠映画…
>>続きを読む妹が振り返るショット、父が殴り込みを思いとどまる瞬間のズームなど、鶴田浩二のリアクションを見せずエモーションが断ち切られる編集が印象的。
「どうしても行く気ならこの俺を殺してから行け!」というやり…