トルブナヤの家の作品情報・感想・評価

トルブナヤの家1928年製作の映画)

Dom na Trubnoy

製作国:

上映時間:64分

ジャンル:

4.0

「トルブナヤの家」に投稿された感想・評価

約1時間の映画ですが、動く映像の喜びが吹き出しているかのように、人も場面も一瞬たりともじっとしていない楽しい映画でした。主人公の女性が列車に乗るシーンのすれ違い演出は見事でした。こういう工夫にぐっときてしまいます。こないだ観たアブラム・ロームの『ベッドとソファ』とほぼ同じ始まり方なのは何なんでしょうか。街は寝ている、から、街は目覚めるへ移行し、人が忙しなく動く姿のモンタージュ。アパートをまっぷたつに切ったがごとく、そこに住まう人々をエレベーターがあがっていくように撮るシーンが印象的でした。字幕なしで観たのでよくわかりませんが、階級闘争家政婦映画でした。たぶん。それでもシーンもカットもすばらしいし、ルビッチに似ているように思いました。
アパートをぶった切って別の階をワンショットで見せる・・・鈴木清順お得意ショットの大大大先輩。
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真を思い出す図が多かった 色味はもちろんのこと構図や生き生きとした人々 加えて逆再生やストップモーションを取り入れていて前半は全然飽きさせない作りだった 家を縦の断面で撮っていて舞台っぽさもあった

ラストで解雇手当と有給買取(?)を請求する労働組合を見て約100年前の方が労働者の権利の意識高くない?って思った
か

かの感想・評価

4.6
冒頭の街が眠り、街が起きて顔を洗う、、、詩的なイメージで始まる映画。いいねいいね。

田舎から都会に出てきた娘と、マンションの住民たちと労働組合の話です。家政婦という職業の資料としても良いと思う。

バルネットは、ルビッチュやヴィゴーに並ぶ才能を持ってるかもしれない。

ロシア的なプッツンした衝動、破壊的なギャグ、恐怖心を持ってないのかと疑うようなアクション。すごいエネルギーの映画です。

田舎娘、アヒル、人形、人形!のモンタージュは笑いました。

途中出てくる階段の横位置全体部=縦長の構図はルビッチュの影響か。

物語の進め方に個性があります。なぜこうなったかと言いますと...と、映像を巻き戻してことの次第を説明(語り部にとっての回想として)していた。

編集技法も熟達していて、マスターカットから顔のカットバック、またマスターに戻るというテクニカルなシーンもあった。中間字幕は少なめなのに、内容もよく理解できるし、とても良いサイレント映画でした。ソフト化求む!
帽子箱を〜は大好きなやつなので、今回はあひるを持った少女の話かとわくわくする。そういえば話してませんでした、と絶妙に挟み込まれるふるさと情景、インターテキストもとぼけた詩情味があってかわいらしい。何も感情ないだろうに、こっちからするとひょうきんにみえるあひる。いきいきしている街の人。映画が数少ない娯楽で撮影がみんな楽しかったんだろうな。
時代背景でやむを得ずだけど、議員に選ばれてからは、主人公同様、私も置いてけぼりになり、ポカンと終わってしまった。あひるもどっか行った。
コロ助

コロ助の感想・評価

4.0
記録。

続けて『テンビ』も鑑賞
作品が登録されてないので、ここにメモ。

弁士付き上映を初体験。坂本頼光さんの語りと、坂本真理さんの演奏。
映画とは別物の、一つの世界を観させてもらった感じ。上映開始のアナウンスが流れる中、舞台に登場した坂本頼光さんは、それにかぶせて挨拶を始めた。それも格好よかったかな。小さな頃に大好きだった紙芝居なんかを思い出した。暗がりの中、あんな想像を掻き立てる語りをされると、子供に戻っていくような感覚になる。焚き火のメラメラパチパチって音も何とも言えない。小さいときのクリスマス直前(12月20日頃?笑)のドキドキ感を思い起こさせる音。
また弁士さん付きの観たい。
「帽子箱をもった少女」「騎手物語」などと同様のタッチが楽しい。バルネット映画のヒロインは顔形よりも存在感がキュート。(今回はちょっぴり太め)語り口の洒脱さカメラを街に連れ出した運動量の多さはどうだ。

「カメラを持った男」や冒頭の動き出す街の描写は「ベッドとソファ」のような同時期のソ連映画と通じており時代の勢いを感じさせる。
eigajikou

eigajikouの感想・評価

4.2
サイレント・シネマデイズ2019
『トルブナヤ通りの家』
原題: Дом на Трубной(トルブナヤの家)
柳下美恵さんの楽しい伴奏がグランドピアノでいつにも増して素敵な音色🎶
冒頭モスクワの夜から朝の景色の見せ方が斬新。灯り、朝日の光、水たまりに映る風景…
そしてアパートの階段で繰り広げられるドタバタ最高!
車、列車、動物、群集、アクション、演劇の舞台…密度の濃いお手本のような映像の数々…

(動物はネコとアヒルが特に印象的)
☆☆☆★★

ピアノ伴奏付き上映会にて初見

その名前はうん十年前から知っていた。
ロシアのサイレント映画時代を代表する映画監督らしいのを。
だが、なかなかタイミングが合わずにこれまでは全くの未見。
日本だと誰にあたるのだろうう?サイレント時代のコメディー監督として考えると斎藤寅次郎辺りなのかな?…等と考えながらフイルムセンターへ。

本編が始まり、初めの3分でテンションMAX「いや〜凄い!」とにかく破茶滅茶だ٩( ᐛ )و
特にあの縦の構図で描かれる階段の描写は凄すぎる!本当に危険だぜΣ(゚д゚lll)

ところが中盤辺りから、段々と革命映画?みたいな雰囲気になって来た。

「アレ?思っていたのとは全然違って来たなあ〜」

あのまま全編階段の場面だけで進んで行けば、とんでもない映画になりそうな気もしたのだけど…。
その昔にイタリア映画で、映画本編がアパートの階段部分だけの映画が有った様な気がしたのだけど。本当に有ったかどうか?はちょっと分からない。

終盤で、気がつくとデモの先頭を歩いている場面があったのだけど。チャップリンの『モダンタイムス』で、チャップリンが旗を落とした人を「落としましたよ!」…と追いかけていたら、いつの間にかデモ隊の先頭を歩いている場面があったのだが、製作年度では此方が数年先。ひょっとしてチャップリンは参考にしたのだろうか?
また幾多の旗が高らかに掲げられた場面は。アンゲロプスが『旅芸人の記録』で記憶に残る使い方をした場面と似ていたのも、ひょっとしたら…と気になった。
この日はピアノ伴奏の上映会だっただけに。この場面から♫インターナショナル♫が鳴り響き。その後も、このメロディーは様々に変化して行った。

映画は《革命映画》の様相を色濃くさせながら、エンディングへと向かって行くのだけど。
単なるドタバタコメディーだと思っていたら。全然違う方向へ映画のベクトルが向って行き、戸惑う事しきり。
但し、その政治的な色合い及び。映画全編で数多く使われていたモンタージュの多用で、作品自体は時代に負けない1本として、長く生き残っているのかもしれないのだけれど。

まあ!それはそれとしてだ!

アヒルは何処に行ったんだ〜(@ ̄ρ ̄@)

2019年11月13日 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール O Z U
おそらく映画史上最も秀逸な導入のひとつだろう。ビルの明かりが徐々に消えてゆく夜更け。朝になり、路面電車の線路が陽光に照らされて輝き、掃除夫の箒が水たまりを揺らす。街がゆっくりと動き出す。屋内に入ると途端にスラップスティック調に。玄関先で薪割りをして床が破壊されるという異常。
これが1920年代ソビエトの文化的水準なのか。共産主義恐るべし。
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