フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語の作品情報・感想・評価

フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語2009年製作の映画)

FISH TANK

製作国:

上映時間:123分

3.5

「フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語」に投稿された感想・評価

これよかった。少女が身を持って学んだこと。大人になるための試練。

酒びたりの母に、汚い言葉ばかり吐く妹、そんな2人とくらしてるミアはある日母の恋人であるコナーと出会う。
彼のお陰で今までちょっとギクシャクしていた家の中がちょっと変わってきた。

コナーを演じるのがマイケル・ファスベンダー。何かあるんじゃないかと思ったらやはり。

家でも学校でもいろいろうまくいかないミアだったが、コナーには心を開いたんだろうな。いい人だと思ったんだろうな。

そこまでならまだよかった話だったが。「17歳の肖像」を思い出した。

ミアは身を持って大人になる試練を受けたってことだろうな。コナーにお父さんと恋人と兄を重ね合わせていたんだろうな。

現実を受け止めて消化することができない年頃、揺れ動く繊細な15歳の少女の姿だったな。

ミアを演じたケイティー・ジャービス、演技経験無しで、本作がデビュー作だそう。みずみずしさと複雑さをうまく表現していた。

とてもよかった。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【水槽の中で少女は踊る】
※過去のブログ記事より転載

本作はまさに団地という水槽(=フィッシュタンク)の中でダンスの才能を持っているのに、活かせず、もだえ苦しむ15歳の心情をよく捉えた作品だ。学校の友達となじめず喧嘩ばかり、家では母親や姉妹から罵られ完全に自尊心を少女は失ってしまう。やってきた、おじさんにダンスコンクール応募しなよと言われても、なかなか行動に移そうとしない。友達やおじさんの前でダンスを魅せようとしない。上手いのに。

この勿体なさがめちゃくちゃ切ないのだ!

水槽の外の大海原に出れば、才能を開花させられるのに、「どうせ自分は駄目だろう」と引き下がってしまう。引き下がらないように、3歩進んで2歩下がるを繰り返しながら前進していく彼女に泣けてくる。

切ない映画は沢山あるけれども、この視点は珍しいなと感じる。

本作の主人公ケイティ・ジャーヴィスの演技がマジで凄い!本作の前に一切演技をしたことがないとのこと。居場所がないがために、団地周辺のチンピラや同級生に喧嘩を売る荒々しさと、自信がないやつれた感じの二面性を見事に表現。本作の彼女を10分でも観れば、いかに彼女が等身大の思春期女子を演じきっているのかが判るであろう。

このレビューはネタバレを含みます

よく大人に言われた
若いうちにいろいろやっとけ
若いからなんでもできる
その時は大人になってもやりたいことなんだってやるしって思えたけど、最近はそうでもない。身動きはどんどん取りづらくなっていっている。それか今までの自分の熱が冷めててきたのか、やりたいことをやるよりももっと大事なことができたのか。この映画とは関係ないけど、15歳って年齢と比べてしまった。
きっと難しいことを考えちゃう前に、やりたいなら自分自身に降りかかる責任が小さいうちにやっとけってことだよね。
やだなぁ、こうやって頭も身体も重くなっていくのは。
『アメリカンハニー』や
「ビックリトルライズ」を通して
音楽に身を任せて無我夢中に
キャラクターたちが踊るその姿は
彼らの苦悩や不安を忘れさせる
原始的な体験そのものだし
それらが自由への解放に繋がる
象徴的なものとして
ずっと描かれているけれど
本作ほど胸に迫ることはなかったかも。
彼女の脆弱さが、
生活環境が映し出されていく内に
どんどん露わになっていく様も秀逸でした
フィッシュタンクが意味するものが
また最後に向かうにつれて
気付かざるをえない
Kasumi

Kasumiの感想・評価

3.5
一生繋がれたままだと、おもっているから、必死
生まれる環境だけは選べない
親の倫理観も経済力も選べないのに
自己責任論の新自由主義
お化粧の仕方も、髪の切り方も、自分の守り方も教えてくれる人がいない
親になれなかった人たちの話
自分の未来も選べない、絶対母親と同じことになる

自己表現としてのダンス、
ミアのダンスを見てておもったけど、
自分の見たものしか表現できない
誰のものでもない自分だけのオリジナルな表現なんてたぶんない
知っている言葉しか話せないし知ってる生活しか選べないし知ってるダンスしか踊れない

人の子供を傷つけても平気だけど自分の子供が傷つけられることには耐えられない
自分の娘が傷つけられても平気だけど自分が傷つけられることには耐えられない
いくつかの層のエゴと自己保身。
なんか悶々としてて、その空気感がリアルで良かった。

コナー、妻子持ちの不倫野郎&未成年に手を出すクズ野郎と知るまでは好感度高かったのに。思えば子供の扱い手慣れてたもんね。
女性版ケンローチってとこかな。
素人を起用したらしいが、良い。
終始悶々さを醸し出していたが、それが一本調子でもなく、色んな形にみてとれた。
鎖に繋がれた馬が印象的。
手撮りカメラの自然な筆致を装って全編計算ずく、どこかで見たことのある映画的風景がちらほら。我々の実生活のきちっとした延長上にかっちりした物語を組み立てる手腕は見事。思春期ツンデレ少女をいたぶる少女漫画展開の内輪ノリな閉鎖性から、サスペンスに広がる終盤展開の妙
Shino

Shinoの感想・評価

4.4
今年1かもしれない
他の人の感想見てるとただの青春映画みたいな感じだけど(多分私も1人で観てたらそう思ってた)、大学院の授業で見ると違った観点からこの物語を見ることができて面白かった
イギリス英語ってやっぱりどうしても苦手
アメリカ英語の方が言い回しとかもわかりやすくストレートで好き
アスペクト比4:3の世界から逃れようともがくように踊るミアの姿

クリストファードイルの次に名前を覚えた撮影監督
ロビーライアン。
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