死ぬにはまだ早いの作品情報・感想・評価

「死ぬにはまだ早い」に投稿された感想・評価

無茶苦茶面白かったけど一本調子な演出に超疲れた。黒沢年雄が演じる男がドライブインのレストラン(バー?)に拳銃片手に立て籠もりそこに居合わせた客たちが色々と酷い目にあうという既視感しかないプロットだけに観る前は82分持つか不安だったけど、厭な展開をこれでもかと詰め込んで来るもんだから意外とあっという間に感じた。『冷たい熱帯魚』『凶悪』に近い厭さ。

終始怒鳴り声やジュークボックスの大音量などの耳障りな音響に、シネスコに接写など息苦しい演出にダウン寸前。接写ばかりなもんで人物配置もいまいち画面から読み取れないし。そんなに広々とした空間じゃないんだからスタンダードで撮るべきと思った。緑魔子の台詞もウザすぎる。喋るだけで緊張感がブチ壊される。

扉が開かれても外の空間が真っ黒にクローズされているところは良かった。あとは何と言ってもあれだけの惨事が起きたにも関わらず事情聴取もされずに全員一斉に帰路につく最後。映画的で最高にシビレる閉幕。
高橋幸治と緑魔子の乗る車内を捉えた冒頭から会話がなんだかただならなかったり、謎のフラッシュバックを入れてきたりと面白そうな気配がビンビンであったが、肝心のドライブインの中に入ってからがイマイチだった。はじめの警官撃ち以降超停滞してる。これは単に脚本が良くないと思う。犯人の底が知れるの早くない?ラストのオチも即席すぎてポカーン。
ギャーギャーうるさすぎる黒沢年男と冷静沈着すぎる高橋幸治の対比とか、画面手前で黒沢年男に絡まれてる奴以外の人物たちを絵のように静止させてみたりと、演出面の工夫は結構あって、楽しんだ。
一

一の感想・評価

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間男を殺してやろうと拳銃を持ってドライブインのバーに突撃して立てこもる黒沢年男の俗な小物感が危なっかしい。事件が起こってからは密室劇なのだけど、チンケな男の生み出すうんざりな緊張感が続いて全然飽きない。一番最初に撃たれた警官がしばらくずっと断末魔のうめき声を上げていたのが素晴らしかった。
8トラで越路吹雪(「イカルスの星」)を聴きながらスポーツカーをぶっ放す緑魔子と高橋幸治。二人が言葉を発するたびに音楽のヴォリュームが下がる効果(と言うのか?)がなにげに良かった。話している内容も、愛人だけど子供産もうかナアみたいなベタな探りで◎。

画も凝っていて見どころだけど、電話が鳴るところで誰も動かずまるで絵画みたいな画になるところはちょっとケッという感じ。

ドライブインの密室で王様のように振る舞い皆を服従させようとする黒沢年男は色んな実在の立て篭り犯をミックスさせたようなキャラ。
裏切った彼女を殺したばかりで女性不信バリバリの黒沢年男に、3年間頑張ってやっと結婚したんだと命乞いをして火に油を注ぐ新婚夫婦も素晴らしい。
案の定、新婦とたまたまいたハゲじじいにセックスを強要する年男。こういうのよく映画であるけど、実際にも死の恐怖で意思とは関係なくエレクトしてしまうのではと思ったりするんですがどうなんでしょう。
そうやって新郎とハゲじじいを仲間割れ(?)させるのは最近の事件を思い出した。

最後の中山仁のオチは、全然違うけど『ファンダンゴ』とかのアメリカ映画を思い出した。『ファンダンゴ』のオチの元ネタは確かジョン・ウェインの昔の映画だし、本作のオチにも元ネタがありそう。

で、面白かったけど二度はわざわざ観に行かないだろう作品でした。
籠

籠の感想・評価

3.8
冒頭の欧風の雰囲気を密室の中で叫ぶだけの勢いで当時食っていた黒沢年男が全てをぶち壊す最高のサイテー映画。音楽担当者不在でカーラジオ、ジュークボックスから流行歌が流れる中での怒鳴り声と原一民の接写づくしは疲れるのでまた9年後に観たい。当時の中山仁を語るにはこの作品は外せない。
eigamegane

eigameganeの感想・評価

4.0
終始叫びっぱなしの黒沢年男も良いけどクールな高橋幸治がかっこいい。ストップモーションのラストも最高。