難病を抱える弟の面倒と金銭のやりくりに一人で苦心していた姉のアイリスは、バーデン医師からランブリック財団の晩餐会を紹介される。集められた参加者がゲームを行い、勝ち抜いた者に金銭的支援を得られるという話に乗り、アイリスは参加する。晩餐会の始まりとともに主催者のシェパード・ランブリックは参加者たちの命を懸けたゲームを開始し、参加者たちを精神的に追い詰めていく。
ストーリーは分かりやすく、本作の肝であるゲームが始まるまで長すぎず、比較的観やすい作品になっていました。
ゲームについてですが、シェパードの話術とともに二つの選択肢を選ぶ極めて単純なものになっており、大掛かりな仕掛けなどは無いので、若干地味ですが、痛みの伝わるものになっています。一人一人選択するなかで、痛めつける相手を固定して、選択を悩ませるシェパードのやり方はなかなか面白かった。みんなのためを思って攻撃の受け手になった参加者が何度も攻撃対象にされて、死んでしまう展開に少し笑ってしまった。
しかし、登場人物の背景が描かれているのはアイリスのみで、他の参加者の個性がとても薄く、身体を痛めつけ、最悪死に至るゲームであるにもかかわらず、死んでいく参加者たちにいまひとつ感情移入できず、名前があるにもかかわらずエキストラのような扱いになってしまっていて残念でした。こうなると誰が最後まで残るのかが容易に想像できるので意外性がありませんでした。
全体としては可もなく不可もなくという感じでした。