暗室の作品情報・感想・評価

「暗室」に投稿された感想・評価

otom

otomの感想・評価

4.5
何やら詩的で高尚な台詞回しに溢れ返る...エロ。兎にも角にも出てくる男も女もデカダンス。個人的に唸る内容ではあったが、女子的には神代辰巳作品級にイタイのではないだろうか。浦山桐郎唯一のポルノとは云うものの、身を切られる様な孤独のドラマはそこいらの映画では太刀打ちできない気がする。ロン毛の寺田農と医者の殿山泰司が異常に似合わない事を別にすれば、傑作。
美しい妻(風祭ゆき)に死に別れた小説家(清水紘治)が、亡き妻に対する悋気と妄執を胸のうちに秘めたまま、独身者として豪奢な女性遍歴を歩んでいく。日活スタジオ70周年を記念して製作された、120分超の大長編ロマンポルノ。吉行淳之介原作(谷崎潤一郎賞受賞)。

本作の主人公は、亡き妻の人間関係を元ネタにした、妄想混じりの小説を執筆している人物。妻と不倫していたと思われる友人(寺田農)との再会を通して、虚実不明瞭になっていく感覚が単純に面白い。

結婚や子育てを理由にして、主人公の元から離れていく女性たち(三浦真弓・芦川よしみ)は、ヒューマニズム(人間らしい生き方)に則った人生を歩んでいると捉えることが可能。その一方、結婚をしない、子供の誕生を拒む、という性質の主人公は、ヒューマニズムから逸脱した存在だと捉えられる。物語は、結婚しない女(木村理恵)との交流を通して「ヒューマニズムとは何ぞや?」という提起に着地させている。

ほとんどの登場人物が豊富なレトリックで衒学的な台詞回しをするため、実在感がまったくない。また、演出が良くも悪くも無難なため、全般的に淡白かつ凡庸。登場人物の周囲の人々が「書き割り」になる現象も気になる。だが、性の探究に勤しむ主人公の奇行ぶりはそれなりに楽しめる。
ロマンポルノだったのか。
長い上にあまり先鋭的なこともやっていないので微妙。
ロマンポルノ作品には観る度に新しさを感じる何かがあるんだが、この作品は逆に古さみたいなのを感じた。
ロマンポルノ期の日活がベテラン監督を連れて来た結果、画面も女性観も全てにおいて古臭さが目立ってしまいとにかくキツい

つまらない上に気持ち悪い