サドの原作を岸田理生が脚色、実相寺昭雄が監督した。例によって独りよがりな作品。昭和10年、芝居「悪徳の栄え」の稽古中に殺人事件が発生。そこに集まった人たちの浅ましさ。保身、狂気。
サド原作ものはヴァ…
実相寺的と言える撮影・照明の不安定さの中で、清水紘治の安定した台詞回しが映える。サドの原作を劇中劇として、それが現実に侵食していく構造美と、それに反して悪徳趣味な描写のオンパレードで、我々の歪んだ欲…
>>続きを読むこのテーマにこのアングルの切り方してたら、露悪的すぎて、崇高さが逆に出ない。
けど、崇高じゃないところが日本のサディズムとも消える気もする。
あと、なまこってそんなに嫌かね。
舞台のシーンの撮影はあ…
『帝都物語』と同年に公開された実相寺昭雄監督作品。
一時期の日活の脱ロマンポルノ・レーベル“シネ・ロッポニカ”の配給。
マルキ・ド・サド原作の同名小説そのままの映画化ではなく、本作では犯罪者ばかりの…
226事件直前、没落貴族が犯罪者を集め「悪徳の栄え」を演じる。サド『悪徳の栄え』を劇中劇にした、『Wの悲劇』ような構造。『帝都物語』直後の実相寺昭雄作品ということで、裏・帝都物語な趣もある。
物語…
【日本人にしか創れない瞬き禁止の倒錯空間】
球体関節人形が大好きでして、作中に吉田良一(現、吉田良)氏と天野可淡氏のお人形が使われているとの事でしたのでわくわくしながら鑑賞いたしました。
マルキ・…
実相寺昭雄の映画は物語の巧みさではなくて美学で魅せるタイプなので独特の難易度がある。でも今作は清水紘治様の濃ゆい主演力の甲斐もあって比較的ライトに楽しめた。没落侯爵がこんなに似合う人は他にいない。
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