復讐の谷の作品情報・感想・評価

「復讐の谷」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

大自然の中で過酷な環境にもめげず、大地に根ざした暮らしをしている人たちというのは、本当に純粋で素朴で強くて優しい。

その全てが表現されている映画でした。恩義に報いるために、自身の人生を賭して”尊敬する人のすべてを受け入れ”る生き方の清々しさ。義理や人情に厚いのが美しいのは、西洋も東洋も同じなんですね。

牛追いの長閑な風景。そういう牧歌的雰囲気とはかけ離れた、厳しく辛い暮らし。法律の行き届かない時代、自分で自分を守るしかない過酷な状況では、正義のためには相手を死に追い込むほどの力を行使せざるを得なかった頃の話です。

そういう時代性を感じる描写のひとつとして私が特に好きな点は、主人公に対立する悪役にも、相応の言い分があるというところ。勧善懲悪にみえて実はそうじゃない、もっと個人的な、いわゆる男の義務とか責任とか復讐とか理想とかの話なのだ。それが、巡り巡って結果的に自分の周りの弱い者を守ることになるからカッコいいし、勧善懲悪にみえる。それこそが、カッコいい西部劇の主人公の典型。あの「シェーン」もそうだった。

「シェーン」の悪役の言い分は、“自分と自分の仲間たちが命をかけて開拓した土地が、後から入ってきた者たちの所為で水が十分に得られなくなり、暮らしが立たず困窮している”というもの。悪役は、“苦労を分け合った仲間は、シャイアンとの戦いの中で毎日必ず誰か死んでいき、それを悲しむ暇すら許されず、ひたすら挫けず土地を開墾し守った。それなのに行政は何の権利も保護してくれない”とも言う。でもシェーンは、そんな悪役たちを力で倒してしまう。彼には彼で、守るべき人がいるから。さらに、先住民の立場も鑑みるとより複雑だ。彼らは悪役の言い分と全く同じか、それ以上に理不尽に思っており、彼らもまた守る者の為に戦っているのだから。その混沌がありのまま描かれているのがすごく好きだった。

そして今作「復讐の谷」も、牛泥棒だと罵られた悪役は、状況証拠のみで主人公に断罪されてしまう。そしてこの証拠不十分の牛泥棒問題もまた力で解決するところが、ありのままのこの時代らしい。

嘘つきで約束を守らないどうしようもない弟役は、ロバート・ウォーカー。期しくも「見知らぬ乗客」で、父親と折り合いの悪い嘘つきのお坊ちゃんという、今作品の弟役ととても共通点のある役柄を演じていた。刑事コロンボ「愛情の計算」では、彼の息子ロバート・ウォーカー・Jrが父親に威圧されて育った甘えん坊のお坊ちゃんを演じている奇遇があるのだが、それはまた別の話。

さて清々しい大西部の男である主人公、兄のオーウェンはバート・ランカスター。私の年齢では、ひげのおじいちゃん役のイメージしかなかったのだが、純朴で強くて優しい好青年がすごく似合っていた。見るからに頼りになりそう。ヒッチコックが、「山羊座のもとに」の主人公にぴったりだったろうと彼の名前をあげたのも頷ける。

主人公を倒しに来る悪役兄弟も本当にカッコいい(しかもーーこれまた!ーー彼らの言い分も最もなので気の毒である)。ジョン・アイアランドとヒュー・オブライエンという二人なのだそうだが、大西部ファッションを着こなした、もう帽子の角度ひとつだけでもカッコいい、ナイスガイ。

演出は、ときおり状況説明のナレーションが入って分かりやすい。ものすごい数の牛を追い立てるシーンは本当に雄大でいいものでした。大変なロケだったのだろうと思う。

人間が、隅々まで生き生きしている映画だった。昨今流行りのサイコパスのような歪んだ人間じゃなくて、慎ましさと思いやりと力強さにあふれた、質実剛健な人の暮らしを味わえる。現代に疲れたら、やっぱり西部劇。


※yahoo!映画の自分のレビューに加筆修正して記載しました。2018/08/13
ほし

ほしの感想・評価

2.5
『リトル・オデッサ』でファーロングが鑑賞中に燃えたフィルムはこれ。ランカスター初(?)の西部劇。
hepcat

hepcatの感想・評価

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酔っ払いながら失礼します
うーん見たけどそこまでの裏切りはないかな
内容は少しわかりづらい
ただ俺の大好きな牛とか馬とかの動物がたくさん出てくる

ジーパンのフィッティング素晴らしいね〜
今あのフィッティングはなかなかない気がする
法一

法一の感想・評価

3.0
 それなり西部劇。バート・ランカスターの身のこなしはさすがに俊敏で見とれる。

 別に復讐というほどのことは起こらないのだが、ロバート・ウォーカー(この映画、彼の代表作である『見知らぬ乗客』と同じ年に撮られている)の「生まれてこのかたずっとランカスターに劣等感を味わって生きてきました」という感じの演技が切ない。