ナブアの亡霊の作品情報・感想・評価

ナブアの亡霊2009年製作の映画)

Phantoms of Nabua

上映日:2016年01月09日

製作国:

上映時間:10分

4.0

「ナブアの亡霊」に投稿された感想・評価

1234

1234の感想・評価

4.5
稲光と燃えるサッカーボールよりそれらの残照、残響がアピチャッポン
僕がサッカーをやっていた頃に主に履いていたスパイクのブランド→アンブロ
【光と闇に潜む亡霊】

アピチャッポン・ウィーラセタクンが監督を務めるナブア村の少年達が炎のボールを蹴り、スクリーンを燃やす短編。

正直1回だけでは本作を素直に受け止める事は難しいと思います。

激しい稲妻。その音だけが響き渡る冒頭。これから何が始まるのか。何を表現しているのか。1つ1つに深い意味がありそうで非常に興味深い10分間。その後、蛍光灯の明かりに照らされたナブアの夜に少年達が炎のボールでサッカーに興じる姿が終始描かれ、そのボールはスクリーンに火が移り燃えてしまう……………。


夜の暗闇に火の粉が上がる。人工の光は蛍光灯とスクリーンでの落雷やプロジェクターの電光のみ。
そこに重なる少年達。ロングショットで撮る少年達の顔の表情は愚か彼らの情報は殆どない。ただ炎のボールを蹴っているだけなのに何処か神聖なるものを感じてしまう。


アピチャッポン作品を素直に観ると退屈かもしれない。『トロピカル・マラディ』『世紀の光』『光の墓』含め、通常の映画の見方からは、我々が一歩離れて観賞しなければならない作品。彼の映画はぼぉーと眺めるだけでも〝映像〟として目に焼き付く。

アピチャッポン同様、タイの監督でペンエーグ監督作品が世界に知れ渡ってきているという事なので彼にも注目していきたい。
YCAMシネマ アピチャッポン・アートプログラム《中・短編集》にて。

夜のグラウンドを照らしだす蛍光灯と、その側にはスクリーンが設置されている。スクリーンには村を襲う落雷が映写される。この落雷は人工的に作られたもので、轟音と煙を巻き起こす。

グラウンドでは少年たちが火を付けたサッカーボールを蹴りあっている。火の勢いは強く、良くないことが起きそうな予感を振りまいている。

そしてボールはスクリーンを直撃しスクリーンは火に包まれる。スクリーンが燃え落ちた後、プロジェクターの光が直接カメラに映り込む。落雷の音を立てながら。

これは明らかに戦争のイメージですよね。
湾岸戦争時の夜中の砲撃シーンをありありと思い浮かべました。

YouTubeで全編視聴可 → https://youtu.be/5fYrRwASGQA
TOT

TOTの感想・評価

4.0
街灯、稲妻、燃えるサッカーボール、スクリーンの織りなす刹那と夢幻。
10/1 横浜美術館『BODY/PLAY/POLITICS』展にて鑑賞しましたがアピチャッポンによるトークイベントがあり。
ナブアは以前、共産主義者の闘争があり多くの方が亡くなっており、その土地で火は恐怖の記憶を持つと話していました。
しかし今やその記憶を持たない若者は燃えるサッカーボールを蹴って遊ぶ。
スクリーンの中のスクリーン、焼け落ちたスクリーンの背後から現れるプロジェクター、楽しくて痛い火遊びなど、作品内の様々な二面性について話していて、面白かった。
そしてアピチャッポンかわいかった。LOVE。
アピチャッポン監督作品。

漆黒の闇、稲妻が光る。

スコール降る?!と
思ったけれど、降らない。

この稲妻はダミー。
のちに明らかになる。

燃えるサッカーボール。
なぜ燃えてるの?
という疑問解けぬうちに
燃え移る火。
燃え尽きる火。

そして隠されていた光が現れる。
今あったカタチとはカタチを変えて。

光は今そこにあったものの記憶。

ネタバレしないように、
気をつけて書いてみたけれど
これが限界…。

記憶と光はアピチャッポン作品には
切っても切れない関係なのだなぁと

いくつもの表現をトライする姿勢に
なんだか甚く感銘しました。