セールスマンの作品情報・感想・評価 - 70ページ目

セールスマン2016年製作の映画)

Forushande/The salesman

上映日:2017年06月10日

製作国:

上映時間:123分

3.7

あらすじ

作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。 ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。 演劇と犯人探し、夫婦…

作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。 ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。 演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて物語は思わぬ展開に…。

「セールスマン」に投稿された感想・評価

イランという国について考えさせられた。社会的な背景が日本と違うからこそショッキングだった。
Sios

Siosの感想・評価

3.7
時間の経過とともに、妻と夫で感じかたや囚われているものが変化し、ずれていくのが辛い。
事態解決のための行動の空回りをみていて、フラフラに憔悴。

突然の予期せぬ転居から、小さなトラブル、事件へと繋がる。
本業のかたわら夫婦が役者として出演する舞台が並行して進み、役に重なっていく展開は見事。
女性と男性の目線の違いも、重く印象に残りました。

虚弱体質すぎかもなオジサン…?
子供の振り回されぶりがお気の毒。
自分もあのパン屋の青年をひとめ見て何の根拠もなくこいつにちがいないと確信し、あとになって自分がおそろしくなりました。
miha

mihaの感想・評価

3.5
初めてのイラン映画は
私にとっては難しかった💦
色々考えさせられました

まず予備知識ナシで見に行ったもんだから、サスペンスて知らず(そこから!)
ハラハラしっぱなしで
精神的にズーンときて💦
あの決断が正しかったのかどうなのか
判断が難しい
イランの情勢や背景なんかをもっと知ってたら
見方が変わったかも知れないけど…
勉強不足だった。もっと知ってから観るとまた変わると思った。
自分的には、とにかくその撮影手法に驚かされた「人生タクシー」に次ぐ、今年2本目のイラン映画。こちらはオーソドックスな演出で、亀裂の入った夫婦関係を丹念に描いていくサスペンスドラマだ。第89回アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した作品だが、トランプ政権のイスラム圏6カ国からの入国制限に抗議して、授賞式への参加を監督のアスガー・ファハルディと主演女優のタラネ・アリドゥスティがボイコットしたことでも話題になった。

アスガー・ファハルディ監督の作品を観るのは、「ある過去の行方」に次いで2本目だが、今回も重厚に人間模様を描き、観る者をじっくりと物語のなかに引き込んでいく。とにかく期待を裏切らない監督のひとりだ。

小さな劇団に所属して、現在はアーサー・ミラーの「セールスマンの死」上演のために日々稽古を積んでいる教師のエマッドと妻のラナ。住まいの建物にひびが入り、あわてて劇団仲間が紹介してくれたアパートに移り住んだふたりだったが、舞台が初日を迎えた夜、ひと足先に帰宅したラナが、その新しい家で暴漢に襲われる。犯人は、娼婦をしていた前の住人がまだこの部屋に住んでいると思い侵入してきたのだった。

夫のエマッドは警察に行って洗いざらいを話して犯人を捕まえようと妻のラナを説得するが、彼女は頑なにそれを拒む。仕方なく、駐車したままになっていた犯人の車を辿って、事件の真相にたどり着こうとするエマッドだったが、劇団仲間に事件が知れるに至って、夫婦の関係は次第に複雑なものとなっていくのだった。

舞台で演じられるアーサー・ミラーの「セールスマンの死」の芝居が、現実の出来事にリンクする形で物語は進んで行く。舞台でのセリフがいつのまにか違う言葉になっていたり、必要以上にテンションが上がったり、タイトルの「セールスマン」もおそらくこの劇中劇に由来している。このあたりはなかなか巧妙なつくりになっている。

作品のなかでははっきりと述べられてはいないが(たぶん国や宗教的事情というものもあるのだろうが)、妻が頑なに警察に行くのを拒むのは、当夜にあった出来事が、レイプに近いものだったからだろう。しかも前のアパートの住人についても、良からぬ商売をしている女性というふうに説明される。日本のイヤミス系の作品ならおよそ考えられない抑制された表現なのだが、それがかえって作品に重みも与えている。

最初は警察に捜査を任せようと言っていた夫のエマッドだったが、自ら犯人捜しを進めていくうちに、その行為に取り憑かれていく。妻との関係も微妙なものとなり、やがて舞台に出ている最中だというのに思い切った大胆な行動に出る。ここに至って事件に対するスタンスは妻とはまったく逆なのものとなる。このあたりの心理の逆転劇もこの作品の真骨頂でもある。

最終的にはアスガー・ファハルディ監督は、自分たちが置かれた現状への思いを、妻の口を借りて言い放っているのだが、これがなかなか重く、ずしりと伝わってくる。同じイラン映画の「人生タクシー」もそうだったが、厳しい政治状況下で表現をしていく人間の切実なメッセージがそこには込められている。観た者が、観賞後にいろいろと思いを巡らせる作品でもあるのだ。もちろん、ドラマとしても二転三転、最後まで息を抜けないサスペンスが続く、優れた作品であることは確かだ。
たけし

たけしの感想・評価

4.4
濃いなー、濃い!とっても濃い。
人間の感情なのか何なのか、人の中と人と人の間にあるものが全て濃い!
濃厚な作品でした。
これは見逃さずに良かった。
主演のあのトランプに楯突いた女優さんはベッピンさんでしたし、俳優さんが皆素晴らしい!
パン屋のお父さんも秀逸でした!
あんな話をこんなに濃くできるって想像できない。
反省は、セールスマンの死を知らずに観に行ったこと。
あらすじだけでも知ってから行くことオススメします。
chica

chicaの感想・評価

-
私にはあまり引っかかってこなかったのですが…
『セールスマンの死』を見てみたいと思います、そこからじゃないと何も言えない…
『セールスマンの死』の舞台の裏側が晒されていく過程と、壁やドアが見るべきものを隠匿しつづける事態がパラレルに進行し、見える/見えないの相剋のドラマが一挙に崩れる地点で劇中劇と映画自体が共に終局を迎えるという、この上なく鮮やかな形式に感嘆の念を持たずにはいられない。しかもライトを点ける/消すという主題まで重なってきている。ちょっと巧すぎるんじゃないかと思っちゃうほど巧い。『彼女の消えた浜辺』と本作を観た限りの感想だが、ファルハディは「見えなさ」を描かせたら当代随一の作家なのではないか。その描出はイラン社会が隠蔽しているものを示すと同時に、「あるがままの真実には辿り着けない」というカント的命題をより切実に、より残酷に光りの下へ晒してしまう。本作の痛みは皮を剥がされた肌の痛みだ。「本当の自分などは存在せず、演じられた仮面の集積こそが人格である」という平田オリザの言葉を思い出す。
脚本 4
演出 5
画作り 5
音 5
独創性 5
関心の持続 3
演技 5
陶酔感 4
言葉 5
バランス 3
いとJ

いとJの感想・評価

3.0
息もつかせぬサスペンス!……ではなく、「罪を憎んで人を憎まずなんてできるの?うーん、そんなこと、できないかも……」なんていうような、微妙な気持ちにさせられる映画です。小島秀夫監督は「腹にくる」「腹に遺る」とコメントしていますね。勧善懲悪ではないリアリティのある人間を描いていることが、この物語の魅力のひとつではないでしょうか。