セールスマンの作品情報・感想・評価 - 66ページ目

セールスマン2016年製作の映画)

Forushande/The salesman

上映日:2017年06月10日

製作国:

上映時間:123分

3.7

あらすじ

作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。 ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。 演劇と犯人探し、夫婦…

作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。 ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。 演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて物語は思わぬ展開に…。

「セールスマン」に投稿された感想・評価

自宅で何者かに乱暴をされてしまう妻と、その犯人を探し出して報復しようと奔走する夫。

大事にしたくない妻と復讐心に燃える夫との間に溝が生まれる。

犯人は一体誰なのか!?犯人と対峙したときに彼らはどうするのだろうか?

戯曲「セールスマンの死」では夫と妻の感情のすれ違いが描かれているが、この作品でもそれを描きたかったのでしょうか?謎です。

作中、「セールスマンの死」の舞台シーンが描かれていますが、その意味合いというか、立ち位置が分かりませんでした。

この監督はもやもやした空気を描くのが上手ですね。何とも言えないもやもや感を残してくれる作品でした。
ミエ

ミエの感想・評価

3.0
日本と違う社会の人々の感覚が違和感あるので歯切れの悪さでなんとなく終わってしまった。
サスペンスかと思いきや結局何を伝えたかったのか捉えどころが分かりづらい。
それぞれの演技は上手いと思うけれど…。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.0
観てる最中ずっとモヤモヤ、観終えた後もモヤモヤは続く。何が真実か分からないから、誰が真実を言っているのか、嘘をついてるのか分からないから、見えないし、見せてくれないから、みんなが誰かの為に何かしようとしてるけど、結局何も出来てないし全部逆効果だから、それゆえ深読みにキリがない楽しみはあるものの、でもやっぱり気持ち悪い。一応の事実として浮かび上がる様々な情報はあるものの、真実は怪我をしたって事と、死人に口無しって事だけ、死をもって家族を救った?となるとやはりセールスマンの死なのか。ちょっとうとついちゃった部分もあるから、細々と注視すれば違う真実が見えてきたのかも。これ、皆はどう観たのかだろうか、気になるところ。終盤30分は流石に唸った。口をつぐむ、水に流す、丸く収める、己の我慢で最大多数の最大幸福を、でもそんなんが難しい、人間だもの。こういう誰も幸せになれないお話し嫌いなわけがない。
ひわも

ひわもの感想・評価

4.0
見てくれ。
としか言えない。

感想が難しい

ただ1つだけ言えるのはイランの方がご近所さんが優しい。
日本であんな事になったらあんなに優しく周りが心配してくれるとは思えない。

暴行が殴られただけかのように描写されているが本当はそうではなかったはず。
イラン独特の倫理観もあるだろうが実際にああいった被害にあった時に日本でもどれだけの女性が被害届を出すことが出来るだろうか。

社会を映し出す作品だった
Michelle

Michelleの感想・評価

4.1
一番印象に残ったシーンは、楽屋でネクタイを細い方と太い方を間違えたところ。


イランってネクタイ禁止だったような。だからか?動揺のシーンとしてあえて間違えたという演出?どっちなんだろ。高校生の時ネクタイ間違えたことはなかったなー。

このレビューはネタバレを含みます

奥さんと向き合ってたら、そんな結末にはならない

坂上忍が絶賛してた映画
小さな劇団に入ってる役者夫婦が、ある日引っ越したばかりの自宅で夫が留守中に妻が何者かに暴行される。

犯人を捕まえたい夫と事件が大ごとになることを嫌がる妻の夫婦間による心理サスペンスといったところでしょうか。

警察に通報することをいやがる妻に対して単独で犯人を捜し罪を償わせようとする夫の気持ちも分かるし、妻のこの事件を早く忘れていつもの日常に戻りたい気持ちもすごく分かります。そんな2人の気持ちにズレが生じ始めてくる。それはイランという国、イスラム教徒だと言う事が問題になっていて、宗教の縛りがない日本人にとっては少し分かりずらい所もあるかもです。

静かで淡々としていて、派手なシーンもなければ暴力的なシーンもありません。逆に写さない感じが怖かったりします。緊張感もあり終盤は予想外の展開でなかなか面白かったです。
たくみ

たくみの感想・評価

3.5
流石のアスガー・ファルハディ!非常に濃密かつ重厚な作品ではある。ただね、これはイランのお国柄や政治情勢に疎い日本人にはちょっと難しいってのも正直なところ。

濃密な真理サスペンスってのがうたい文句だが、正直事件によるサスペンス部分は弱い。てか、事件メインのサスペンスならこの監督がわざわざ撮る必要もないんだけどね^_^;

事件前と事件後の登場人物の心理描写と、主人公夫婦が役者って事で、役柄と本当の人物の心理状態の対比が見事でうならされる。

でも、やっぱり日本人にはちょっと(^_^;)
STAR坊主

STAR坊主の感想・評価

3.6
感情的にも話の雰囲気も暗くて全体的に途中まで眠気に誘われた。
妻の浴槽を除いたのはいったい誰だ?
犯人が意外だったのと、家族が相手にも知ってるのに恥をかかせ謝らせたいと憎悪が自分にはわからない。
妻はもう疲れきってもうやめてよって!感じだろうな。。。

あのあとあの夫婦はどうなるか目に浮かぶのと、加害者側の家族の気持ちてしては悲しみにくれるだろう。

感情的に疲れる人間の心理をうまく描いた作品ではあるが、肌には合わなかった。
panpie

panpieの感想・評価

5.0
ずっと楽しみにしていたアスガー・ファルハディ監督の新作を観に行った。
2時間があっという間で眠気など訪れる事は一度もなく引き込まれ登場人物達に共感しその感情を共有した実に濃い2時間だった。
観客の年齢層が高い気がした。
昔からのハルファディ監督のファンなのだろう。
老齢なご夫婦もいて鑑賞後ぼーっとしていた私の隣で奥さんが旦那さんに感想を話しかけていた。
私も心酔しているファンの1人であるが初めてハルファディ監督作品を劇場で観る事が出来た喜びに酔った。



「倒れるぞ!危ないから早く避難しろ!」
叫び声で目を覚まし飛び起きてドアを開けると階上から階段を駆け下りてくるたくさんの人達。
住んでいたアパートが倒壊の危機に瀕した為止むを得ずそこを出て新しいアパートを探すエマッドとラナ夫妻。
エマッドは高校の国語教師で夜は妻のラナと劇団で俳優をしている。
演じているのはアーサー・ミラー原作の「セールスマンの死」。
同じ劇団員ババクが紹介してくれたアパートは以前に住んでいた女の荷物が残されたまま取りに来る気配もなく気に入ってはいないが
夫妻は取り急ぎそこに落ち着く事に。
舞台の初日夫のエマッドより早く帰宅して引越し荷物の片付けに追われ汗だくになったラナはシャワーを浴びる時間が夫の帰宅時間とぶつかってしまった。
まさに浴室に消えようとしていると来客を知らせるブザーが鳴る。
ラナはエマッドと思い込んで相手を確認することもせずロックを外し家の鍵を開けてしまう。
そして事件は起きた!
知らずに帰宅したエマッドはアパートの階段に無数の血痕を見つけ嫌な予感がして部屋へ駆け込むがラナの姿はなく駆けつけた病院では顔面を殴打され切れた傷口を縫われている妻の姿を発見する。
病院に運んでくれた隣人によると「あの女の客ではないか」というのだ。
あの女?
もしかして以前住んでいたという女性の事なのか?
客?
エマッドには何が何だか分からない。

エマッドは高校でも人気のある教師だった筈なのに事件を境に神経がピリピリして子供のやったいたずらにも怒りを露わにしてしまい別人の様だ。
無理もない。
自分の妻が襲われたのだ。
隣人は鍵を開けたラナをまるで軽率だと言わんばかりに噂する。
傷ついたラナは警察に訴えたりせず黙っていて欲しいと夫に懇願する。
夜は夫ですら怖く側に寄るなと言い逆に昼間は1人は怖いから学校を休んでそばにいて欲しいと言う事件後変わってしまった妻を理解出来ないエマッドはこっそりと独自に犯人を探し出す為に奔走しやがて犯人に辿り着く…



イランの住宅事情を調べてみると今作でも描かれていた様に首都テヘランではアパートが乱立し安い建材で違法に建設されるという問題も多く契約は一年更新で家賃がほぼ間違いなく値上がりし多額の保証金を払ってその利息分が家賃から引かれて月額の家賃は安くなるという支払い方法をとる事が多いらしく値上がりを避けて引越しを繰り返す人もいると言う。
今作でも始めに住んでいる家が崩れるという所から始まるがこんな形のアパート日本にもある!というちょっと中庭的な空間があるアパートなのだがその空間をショベルカーで削っていてそれが崩れる原因と知ってとても驚いた。
映画を観ていて何故掘り返しているのか分からず調べてしまった。
住民が住めなくなるのにそんな事はお構い無しでそこに部屋を作ろうとして後から掘り返すなんて日本では普通はしない。
しかしテヘランでは土地を所有している所有者が有効利用の為なのか空いた土地に無理やり粗悪な狭い部屋を後から建て増しして少しでも家賃を取ろうとする事が多いのだそうだ。
昔に建築されたアパートの間取りはゆったりと広いらしいのだが今作の移り住んだアパートがこれから家族が増えるから狭いと言っていた事を思い出す。
開発が進んでいるテヘランの様子が分かってとても興味深い。
日本でも違法建築が明らかになったマンションがあったがお国違えど利益追求型の人間の考える事は一緒なんだなと思った。
そこを終の住処と購入した人の気持ちを踏みにじって安く適当に作って高く売りさばき利益を得る人達はそこに自分の家族が住んだらどうなるのかと想像した事はないのだろうか。
ないからあんな事出来ちゃうんだろうな。
悲しい事だが万国共通の人間の欲の深さを今作にも見て日本のこのマンションの話を思い出した。





↓ここからネタバレあります↓








エマッドの行動の対比が面白い。
冒頭で身体の不自由な息子をおぶって避難できないと知り合いの女性に頼まれても嫌とは言わずおぶって階下へ降りる優しいエマッドがラストでは妻を襲った男が心臓が悪いにも関わらず倒壊しそうな元の住居に男を監禁する事。
包容力があり生徒達から慕われていたのに事件後動画を撮った生徒への怒り方が尋常でなくなった事。
以上の事から被害にあった妻を同情から好奇の目で見るようになった周囲の視線に晒されて常に神経がピリピリと張り巡らされ過敏になってしまいエマッドも変わってしまった事が分かる。

部屋を紹介してくれた同じ劇団員のババクも心臓の悪い男同様に前に住んでいた女と関係を持っていて1ヶ月前から女から連絡を断たれた事が分かる。
エマッドは舞台の上でババクをネズミとアドリブの台詞で罵倒し恥をかかせ心臓の悪い男にも家族にバラすと脅迫する。
エマッドが被害者の夫から行き過ぎた行動で隠された本性が暴かれ加害者へ転じる対比も素晴らしい。
心臓の悪い男の娘婿への電話に歯切れの悪さや意味の通らない説明に閃き辻褄があってしまい予想もつかなかった顛末に動揺しつつ復讐へと転じるエマッドの演技が本当に素晴らしくて息を飲んだ。
こんな事になるなんて!
予想もつかなかった。

以前住んでいた女はこのアパートで娼婦をしていたがエマッドが所属する劇団で上映している「セールスマンの死」に登場する娼婦と重ねていて演じている女優にもアパートに以前住んでいた女にも壁の落書きから幼い子供がいる事が分かる。
娼婦をしていた女もその子供も登場する事はないのだが監督お得意の見せない演出は今回も健在でラナが襲われるシーンなど一切なくそこも観るものに想像させ委ねている。
映像で観る以上に想像すればする程恐ろしさが増す。
劇団で演じる女が裸の役なのにコートを着て演じていると共演者から笑われこんな役はやりたくないと怒りにかられて子供を連れて飛び出してしまう場面から娼婦への偏見が垣間見える。
検閲が入って修正しなければならない箇所が幾つかあると言うセリフからも分かるがそれよりも上映が修正すれば許される事に驚いた。
私の想像よりは厳しくないなと正直思ってしまった。
「セールスマンの死」のこのシーンは突然父親を訪ねて来た息子に愛人を会わせたくないと浴室に隠すシーンらしい。
イスラム教には愛人など以ての外だと思ったから。
イスラム教徒の偏見は日本でもあるだろう偏見とはそんな比ではないだろう。
娼婦だった女も子供を養う為の手段だったに他ならない訳でしかし急に引っ越す事になりと言うか追い出された訳だが部屋で客を取っていた為に起きた今回の悲劇を思うと本当にラナが可哀想でやり切れない。
エマッドの後半はやり過ぎだったがそこまで行く前のあらゆる手段を使ってでも犯人を探すと言う気持ちは理解出来る。
ラナが警察には行かないでと言う気持ちも分かる。
ババクも困った2人に手を差し伸べただけで初めから2人を不幸に陥れようとした訳ではなく親切心からこの部屋を紹介した気持ちも分かる。
このやり切れなさは「別離」に通ずるし監督は日常生活から紡ぎ出す誰の身にも起こり得るやり場のない出来事を思い付き映像化する天才だ。
日常生活での出来事なので万国共通で誰でも想像しやすいし誰にも共感出来るストーリーが素晴らしい。
今作は「別離」程登場人物が多くないのであれ程複雑さはないけれどよく練られた脚本に唸る。
ため息が出る。

びっくりしたのは授業中に電話が来ても電話に出た事!
マナーにしないの?
仕事中でしょう!
しかも授業中だし。笑

監督も素晴らしいけど主演の2人は安定の演技でなんだかお久しぶりですと言いたくなる程嬉しかった。
イランで放送されたドラマにも夫婦役で共演しているらしく(イランのドラマ観てみたい!)息もぴったりだった。
これからもハルファディ監督作品に出てねと願った。


新作はペネロペ・クルスとハビエル・バルデムを迎えスペインで撮影されるという。
でもちょっと嫌な予感がする。
「ある過去の行方」がフランスが舞台だったから。
しかも今度はスペイン!笑
私はどうも検閲があったり規制があったりする〝不自由な〟イランが舞台の映画が好きなのかもしれない。
「ある過去〜」の主人公の女性に全く共感出来ず男に依存して生きていて子供に寄り添えない母親に嫌悪感が募ったから。
大丈夫かな?
ペネロペ・クルスそんなイメージ。笑
新作に不安を持ちつつも公開を心待ちにするんだろうなぁ。
新作に取り掛かる迄に一年はかかるのでその間に今作を撮ったらしい。
こんな凄い話を新作の合間にって。(^^;;
て事はもう少し後からもしかしたらもう撮影に入っているかもしれないが公開はまだまだ先だろう。
長いなぁ。
またため息が出る。
しかし今作は私の気付いていない所がまだあるはず。笑
新作上映迄まだたっぷり時間はあるはずだから2回目観てこようと思う。