21世紀の資本の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

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「21世紀の資本」に投稿された感想・評価

経済学者ピケティの有名な著書を原作としたドキュメンタリー映画。
原著と違って定量的なデータや統計はほとんど出てこず、経済格差や行き過ぎた資本主義についての定性的な事実や洞察だけが述べられていく。
映画などポップカルチャーの引用や歴史的な記録フィルム、刺激的な音楽をからめることで、あの分厚い書籍の内容が非常に分かりやすく表現されており、ノンフィクション映像として素晴らしい。
その中でも、あえて「映画的」に面白い部分を挙げるとすれば、やはりモノポリーの心理実験だろう。

知らない者同士でモノポリーをプレイする。
ただし、事前にコイントスで「金持ち」と「貧乏人」を決める。
「金持ち」は「貧乏人」の2倍ほどのお金を持った状態でゲームを始める。サイコロは2つ振れるし、スタート地点を通った際にもらえるサラリーも2倍違う。
ここまで露骨な差があれば、モノポリーをプレイしたことのない人でも簡単に想像がつくだろう、当然「金持ち」が最終的に勝利することになる。
ゲームを有利に進める「金持ち」はプレイ中、「貧乏人」と比較して、お菓子はたくさん食べるし、声は大きいし、コマの移動は乱暴だ。言動も、明らかに傲慢かつ無礼になる。
さらには、ゲーム後「金持ち」に”なぜ勝てたのですか”と尋ねても、彼らはコイントスのおかげとは答えない。
勝因を、プレイ中の自己判断、つまり実力に求める。

この結果は、現実世界での貧富とも関係がないらしい。現実の貧困者が「金持ち」でプレイしても、そのような傾向が現れるというのだ。

この実験を見ると、終盤の「資本主義はもはや労働と無関係だから」という言葉がより深く刺さる。
そう、我々の生きる現実世界のルールも、あの実験の露骨な格差モノポリーのルールまっしぐらなのである。
最後はいちおう、ピケティ自身の楽観的かつ希望的なメッセージで終わるが……。
『エリジウム』の世界はもうすぐそこにあるのかもしれない。
興味はあるけど多分今後完読しないであろうベストセラー21世紀の資本
映画としては特によくできてるとは感じないけど読まずにこの本の概要を知ることができたので良かった

まあ言われてみたらそうだよね、ということを膨大なデータで証明していったところがピケティの凄さで面白さらしいのですが今作はそういった詳細データのエビデンスの羅列などはなく、ちょっと過剰演出な「ぽい」映像の切り貼りと経済学者らの発言シーンが主で、あとはいろんな映画のシーンもちょいちょい出てきた
登場した数作を追いたくなったりした
まっく

まっくの感想・評価

3.5
何となくは理解できるけど、少々難しい内容だった。
人生ゲームの心理テストが興味深かった。
ピケティの名著ベストセラーを映画化。現在の資本主義の格差拡大と、歴史に学ぶ格差是正の重要性が、分かりやすく解説されていました。個人的には物質的に優位に立つと、どんな人でも自分の能力だと勘違いし傲慢になるって研究結果が面白かった。自分はそれにdeserveすると思っちゃうんでしょうね。謙虚さ、感謝どこ行った。GAFAの皆様、マジ脱税やめて。経済に疎い自分でも見れたし、勉強になるし、是非多くの人に見てもらいたい作品。
わ

わの感想・評価

-
映像が美しく、また様々な映画の引用もされていて見ていて飽きない
これから自分が進んでいくのが21世紀であることに自覚的になった
「若者は楽観的とはいえ、でもしっかりと認識しています。自分たちがババを引かされたのを」
KMD

KMDの感想・評価

3.2
本をそのまま映像にしてるから、非常に分かり辛い。過去と現代の映像を交互に入れられると、どっちの時代の話ししてるのか時系列が混乱する。難しかったという印象しかない。
rとgのバランスを取るように恐慌、戦争、格差拡大、革命が繰り返されるという話は面白い。映像的な説得力もある。映画的な面白さで評価しないのでただの記録としてスコアはつけない。
経済ものが好きなので、しかも本作は経済学書を映画化した作品とのことで迷わず観賞。
映画作品として面白いわけでは無いです。しかし資本主義、グローバリズム、格差社会の構造など、理屈で理解していることを体感できる構成になっていました。

1つの仕組がいき過ぎると、歴史的には戦争などによって一旦リセットされることを繰り返してきた。エリートが作り上げたシステムは、非エリートが必ず壊してきた。そういう歴史を一気に2時間弱でおさらいできると思います。短い時間でおさらいできたので、観終わった後は思うことがあります。

翻訳版の書籍は、700ページもあるので読むことはないと思いますし、この映画を観て思うことがあったとしてもどうやって行動に移して良いかはわからないままですが、せめて選挙の投票活動にはつなげていきたいと思います。
ずっと読もうと思ってて先延ばしになっていた有名な経済書のドキュメンタリー映画化
短時間で明確かつわかりやすく資本主義の歴史と言語について見せてくれるだけでなく、政治や経済に対するある一つの、但し極めて重要な、向き合い方を示してくれるので、どの様な感想を持つにせよ様々な人、特に普段経済についてあまり興味を持たれない人にこそぜひ見てほしい一作です。
これを見ると百年以上前の貴族政治から今日の経済環境に至ったことが必然だったのではないかと思えてきます。
CU

CUの感想・評価

4.5
日本でも著名なフランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』をベースにしたノンフィクション映画。

作品内では主に18世記から現在までの欧米史とともに資本主義が台頭してから増大するまでの流れを、複数の人々が語る手法をとっている。

とてもわかりやすくて面白かったし、かつ、非常にスリリングだった。過去200年の間、人間がいかに資本に振り回されてきたか、そして現在も振り回されているかを理解した。

とくに、第一次世界大戦すら、その発端が実はヨーロッパ各国における資本主義の暴走と関連していた話には鳥肌が立った。

資本の集中を抑制して、全体で豊かになろうという民主主義が成功していたのが第二次世界大戦後の十数年というのも皮肉な話である。

現在の状況を鑑みると、民主主義よりも資本主義の方が社会において強くなっていると思う。おそらく日本も他の国も。

このまま行けば、資本を独占するものしか助からない世の中になるだろうとピケティは言う。そのため、富と権力の集中を抑制し、平等を目指すことが大切であると。

しかし、資本家たちはきっとこう言うだろう。「自分の稼いだ金を何故分配せねばならないのか。自分の稼いだ金は自分のものではないのかと」。

それでもなお、平等が大事だとピケティは説く。おそらくそれは、民主主義のイデオロギーに反するからなのか否か。つまり、この世はやはり1人で成り立っているのではないということだろう。

一見難しそうな作品だが、もっと多くの人にこの映画を観て欲しい。大人はもちろん、中学生や高校生にも。社会の授業の良い教材ともなるのではないか。
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