南京の基督(キリスト)の作品情報・感想・評価

「南京の基督(キリスト)」に投稿された感想・評価

とても悲しい話だった。
富田靖子が本当に可愛くて…。
だから余計に悲しい。
何度も観た訳じゃない上に最後に観てからももう何年も経っているけど、忘れられない作品のひとつ。

確か初見はNHKのBS放送だったと思う。
今また観たら感想もスコアも変わるのかな。
櫻

櫻の感想・評価

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白い百合が綺麗に咲き乱れ、一枚ずつ花びらが落ちる。その落ちた花びらには、赤い血が染みていくよう。花の命はいつの世も短い。

しがみつくように、十字架に向かって祈りを捧げている少女。家族を養っていくために、春をひさぐ。未来など遠すぎて見えないけれど、いつも微笑みを浮かべている。絶望に沈みこんだまま真っ暗な目の前を見つめているような、日本からやってきた男との出会い。それは幸か不幸か、、、。互いの生きているという哀しみを洗い流すように、癒すように抱きしめ合う。そんな幸せなひとときが、夢のように過ぎていく。この世の理不尽さに振り回されていくふたり。健気な少女の木々へ頼んだ声は、彼の元へは届かなかった。病に蝕まれていく彼女の身体を、神は救ってなどくれなかった。気が狂ったかのように姿の見えぬ彼の名を呼び、再び抱きしめられることだけを願いながら、自分の身体に増えていく赤い斑点に怯えていた。あなたとまた会いたい、だけど、こんな醜い姿は見せたくはない。そんな彼女の悲痛の叫びが、呻きとなって響いていた。

ふたりの愛が強固であるほどに、黒く透けて見えてしまうもの、それがあまりに多すぎた。かき分けてもかき分けても真っ暗で、光を掴もうとしたその時。少しだけ間に合わなくて、いつもつかの間の幸せに酔わされるだけ。心につけた深い掻き傷を治癒できる術などなく、過去の幻影に苦しめられる悲しき命。彼の登っていった階段の軋む音が聞こえる。
kumi

kumiの感想・評価

3.3
芥川龍之介の短編小説を映像化。
敬虔なキリスト教信者である少女が身を落とし、
娼婦になり梅毒にかかる。

ある時、キリストに似た客に出逢い
純愛を信じる。その姿は痛々しく切ない。

富田靖子の大胆でセンセーショナルな姿に
度肝を抜かれた人も多いはず。

今も目に焼き付いているのは
梅毒を治すといわれている『迷信』にすがり
正直おぞましい姿をさらしているシーン。
あれは一生忘れない映像。
馮美梅

馮美梅の感想・評価

3.8
芥川龍之介の短編を元に作られた作品。
敬虔なクリスチャンでありながら売られ、売春婦をしている金花を富田靖子さんが哀しいほどに純粋で、清く、無邪気に演じています。

そんな金花を愛する日本人男性を梁家輝が演じています。
富田さんはハードで、大胆なシーンに挑んでいますが、本当に純粋にイエス様を信じ、男に抱かれる。梅毒を移されると、移してはいけないと一旦はやめようとするけれど、あることで体調がよくなりそれはイエス様のご加護だと信じた。愛する人との逢瀬も彼が日本に帰ってしまうが、徐々に精神も蝕まれていく金花が痛々しい。いつか彼が自分を迎えに来てくれると信じながらも徐々に崩壊していく彼女の姿が本当に痛々しい。

本当にこの作品は富田靖子さんにとってもたーんぐポイント的なものになったのではないかと思います。
T

Tの感想・評価

3.0
富田靖子、凄すぎませんか…。日中の関係性やらなんやをぶっ飛ばす純愛を、色彩豊かなショットを繋いで表現する。浮気男は危険。メンヘラはもっと危険。お話は面白くない。
日本人の主人公を中国人、中国人のヒロインを日本人が演じる斬新な試み。

芥川龍之介の短編小説を映画化。

芥川を彷彿させる小説家・岡川が出逢った、中国人の娼婦・金花。

富田靖子が大胆なヌードを披露した幻想的なラブシーン。

レオン・カーフェイが出演した、「愛人・ラマン」を意識して撮られている気がした。

性病に冒された金花の哀しみ。

あどけなさと、ひたむきな姿が痛々しい。

そして、精神的に追い詰められる岡川は、芥川龍之介そのもの。

うら淋しい音楽と、独特の世界。

清純派女優だった富田靖子の体当たり演技が、あっぱれだったと思う。

レオン・カーフェイの日本語は怪しかったが(笑)、だんだん芥川に似ている様に感じてくる。

岡川夫人を演じた中村久美の、しっとりした美しさも印象的だった。
星降る夜に押し入れ探検隊38

東京国際映画祭で鑑賞後、吹替のVHSが発売されレンタル落ちしたものも購入(富田靖子さんの吹替はご本人)。
大好きな作品です!

主人公は芥川をモデルにしています。
妻子持ちの日本人作家が南京でクリスチャンの娼婦(まだ少女)に恋をするお話なのですが、とにかく純粋で美しい。
映像も美しいのですが、当時ヌードも話題になった富田靖子の演技がもう素晴らしく美し過ぎて鳥肌立たせながら泣きました…
私の中で、文句なしで評価☆5を付ける「さびしんぼう」の富田さんと互角の演技!(有名な話ではありますが、「さびしんぼう」先程拝見したフォロワーさんのレビューに出てきた黒澤明監督も絶賛している作品でもあります)
心が震えるぐらい純粋に主人公とキリストを愛し、敬愛するベルイマン作品の如く神の不在(彼女は神が降臨している錯覚に陥っている)をこれでもかと叩きつけられても、めげることなく幸せな未来を夢見る姿が痛々しくて切ないのです…

芥川龍之介ファン(彼の作品3作がミックスされています)も観て損はない作品だと思います(DVDも発売されていますが、レンタルされているかは未確認)。
富田靖子さんというより「さびしんぼう」ファンの方は必見☆彡
ちろる

ちろるの感想・評価

3.8
いまでも忘れられない、富田靖子さんが演じていた純真な中国人の娼婦の少女役。

あの、人を一途に愛する時の独特の無邪気な目は金花そのものに見えたな。

日本人の富田さんは中国人役で、レオンカーフェイが日本人(多分芥川龍之介?)を演じるというキャンディングも面白かった。

愛するからこそ生きようと思いながら、信じるからこそ、壊れてしまうあまりにも不器用で儚い悲恋でした。
jejua

jejuaの感想・評価

4.3
一途な富田靖子さんの演技が本当に切なくて切なくて。
映像も音楽も美しくDVD購入しました。
原作は芥川龍之介の短編小説

妻子ある日本人小説家と、キリストの存在を信じる中国人娼婦との悲恋を描く。
小説家のモデルは芥川龍之介でレオン・カーフェイが演じ、中国人娼婦を富田靖子が演じた。
富田靖子は、敬虔なクリスチャンで一途に日本人小説家を想う、貧しい中国人娼婦を体当たりで熱演していた。 中国語のセリフで。
当時は富田靖子のヌードばかりが話題になってたけど、切ない純愛モノだった。
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