美しい夏キリシマの作品情報・感想・評価

『美しい夏キリシマ』に投稿された感想・評価

K

Kの感想・評価

3.4
霧島山…宮崎県と鹿児島県県境付近に広がる火山群の総称。1945年8月。宮崎県の農村。戦時下の人々の暮らし。戦場を直接的には見せず、いま何が起こっているかを悟らせるタイプの作品。戦地に行く人、行けない人、帰ってきた人。肺浸潤。行儀と言葉遣い。自転車の練習。聖書とキリストの絵。非科学の対比。一刀両断。何を相手に戦うのか。終戦(敗戦)の受け止め方。豊島(香川照之)の表情と、重徳(原田芳雄)の変貌が印象的。比較的静かな物語の中にしっかりとした熱量を感じる作品だった。
終戦間近、宮崎県にある霧島の麓の村の出来事。
病気の学生や、片足を失った負傷兵。
滞在する兵士と、夫を亡くした妻との会合。

起こる出来事は日常のようだが、時代は戦時中。
だから今では非日常の部分を見せられていると気づく。

役者は皆印象に残るが、香川照之の兵士役が似合いすぎてておかしい。

一応戦争映画ではある。
何よりも終戦を知った際のそれぞれの行動が興味深い。
戦争は不毛であると端的に伝わってくるが、それとは反面霧島の美しさは変わらないのだ。
康夫は学徒動員で働いていた工場で空襲に遭い、被弾して瀕死の重傷の親友に何も出来ず、その場を逃げ出してしまった事がトラウマになっているらしい。
康夫自身の療養の為、地元の田舎に帰ってくれば、怠け者扱いで小作人からも追い回される日々。

しかし、康夫が住んでいる田舎町は、空襲も無いし、日向灘から米兵が上陸するという噂だが、未だノンビリしている。
きっと、東京や大阪や福岡や名古屋の様な大都市、また軍港や軍事工場の傍でなければ、この映画の様な日常だったのだろう(ただ、牧瀬里穂だけが、赤茶色の髪で、きれいにパーマネントを掛けていて、服も派手な花柄だったので、戦争末期にこんな人居る?と、余りにリアリティーが無かった。これじゃあ、夜の女性っぽくないか?)。

康夫も学徒動員で助かったし、康夫のいとこの世津子も本当は長崎に居たのに、青春の挫折でたまたま田舎に帰ってきていたので難を逃れた。
康夫は十代の少年らしく、友達を見捨てた事を深く悔やんでおり、
自分が生き残ってしまった事が苦しくて仕方ないかもしれないが、
そのうちいつか彼も結婚して、子供を持つ事だろう。
あの戦争の時代を過ぎても、家族が後の世代に繋がっていくという事は、奇跡に近い事のように思えた。
nwind

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1.1
戦争の悲惨さや残されたものの苦しみ、いろいろ描こうとしているのは理解できるが一貫したストーリが理解しずらく、なぜここでこういうシーン、会話があるのか全く理解できない。
映画の中では方言が使われており、理解を困難にしているのかもしれないが、非常に難解な映画で見るものを感動させるような映画ではないと思う。
eigajikou

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4.2
公開時に劇場で(自主上映会シネマ・アジア)
柄本佑のデビュー作。
後世に伝えていきたい作品。
終戦直前の九州・霧島地方での人間模様。

主題は『生き残った者の苦しみ』。

良い役者さんが揃っています。

美少女、小田エリカさんが美しい。
Baad

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4.7
多分京都シネマでのアンコール上映のときに見て、そのあまりの素晴らしさを言葉にできずにいましたが、とにかくこの映画を撮ってくれてありがとう、と書いておきたい。

この作品を見ると、戦争は格差と分断の中から生まれて、別の分断を再生産することがわかります。
誰もが平等に犠牲を受けるわけではないことが生き残ったものを苦しめる。

生活の中のささやかな豊かさを分かち合えることの大切さ~そんなことを黒木監督の映画、特にこの映画を見ると痛感します。

(この映画を撮ってくれてありがとう 2018/5/22記)
素晴らしい作品である。戦争の悲惨を平凡な日常生活にのほほんと忍び寄るぷちぷち狂気を描いている。これがまた、アイロニー的なコミックや美しい霧島そしてエロスの風景を見事に散りばめられいて、非常にタチが悪い。監督自身の過去を拠り所としているためか、リアリティーを肌身に感じられ、胸打たれた。役者達の凡庸性を示した演技もすばらしい。

人は神聖なもののために、戦う。天皇のためキリストのため。

見事なリアリズムで皮肉だ!

追伸
オーディオコメントみるべし。
え

えの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

この頃から柄本佑がとてつもなく良くて驚き...良い役者になるしかない顔.......
こんなにも緑が眩しい戦争の記憶もあったのだと、戦争のまたちがう一面を見た
Gak

Gakの感想・評価

3.9
全編に渡って夏表現が良すぎる


なんで、戦闘機のあの音、こんなに懐かしいんだろう
なんだか、夏の日の、扇風機が回る音に似ている、気がする


そして、死生観がとてもユニーク

兵隊とセックスし続ける女
仲間の身体がぐちゃぐちゃになったのを見た兵隊
ー私とアンタもいまぐちゃぐちゃ、どっちがどっちの身体かわかりゃしない、それが気持ち悪くて、気持ちいいんじゃない


天皇陛下を神と讃えるのは正しくて、
イエスキリストを非科学的だと言うことはできない
各々が、信じているものが違うだけ
美しい花を見たとき、なぜそれを美しいと思うのか、その根拠は誰にも説明できない
人はいつの世も、美しく、神聖なもののために戦う、その理由を、誰にも説明はできない

戦場で、仲間を見殺しにしてしまった少年、生きるやる気が出てこなくて、ずっとボケーっとしてて、親父にもキレられる

しかし、神聖なものため、という動機を手に入れた少年が、攻撃的になり、死ぬ気が出てくるってのはおもろい


平岩紙がかわいすぎ

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