大地の子守歌の作品情報・感想・評価

大地の子守歌1976年製作の映画)

製作国:

上映時間:111分

ジャンル:

4.0

「大地の子守歌」に投稿された感想・評価

upq

upqの感想・評価

4.1
駆け回る、でんぐり返る、殴る、殴られる。命を燃やし尽くすみたいなおりんちゃんが最高だった。
ほんと増村保造どんどんシンプルになっていって神話みたいだなと思う。一回じゃ消化できないからまた観よう。
黒澤明100選、そして原田美枝子目当てで鑑賞。

原田美枝子がブルーリボン賞、キネマ旬報賞を受賞、田中絹代の遺作として有名な作品だが、その中身は確かに凄い。

おりんの生き様を通じて、鑑賞者の生き方、考え方に強いメッセージを残す作品である。

13歳のおりんは、島でおばばとふたりで暮らす。

島のうさぎを捕まえて食べたりと、野生感溢れる生活をしていたが、とある日、おばばは死んでしまう。

その事実を受け入れられず、島民にも強情を張って、死んだ事を隠す。

そんな時、佐吉と言う優しい男が現れ、次第に心を許して、船で島を出る。

しかし彼女が行き着いた先は富田屋と言う名の女郎屋。

そんな事実を知らず、彼女はひたむきに下働きとして雑用をこなす。

そして、いつかここから出る為に、おちょろ船の船首を買って出るが…

評判通り、原田美枝子の体当たり芝居が素晴らしく、彼女の発言や行動に自然と惹きつけられる。

黒澤明がこの芝居を観て、「乱」に採用しただけある。

「恋は緑の風の中」でも共演した佐藤佑介とのシーンが、本当の意味でおりんの女子を見たのが、なんとも微笑ましく思えた。
nicoden

nicodenの感想・評価

3.9
この映画を見て黒澤明監督が乱に使ったという話しがあるけど、勢いがあって一生懸命さが伝わってすごく好感が持てる。
yuka

yukaの感想・評価

3.9
『青春の殺人者』と同年の公開とのこと
原田美枝子のフィルモグラフィーすご

我が強すぎる主人公の描写に疲れたが、
好きになった男の子と助けてくれた牧師に身を捧げようとする場面は良かった

序盤にチラッと出てくる田中絹代がとてもありがたい存在に感じた
あれが遺作らしい
さっ

さっの感想・評価

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冒頭おばあちゃんの田中絹代が出てきて不意にわ~っとなった。原田美枝子カッコ良すぎ。嵐の中でおちょろ船を出す瞬間の表情とか、灯籠に寄りかかって海を見てる顔とかヤバい。でも最後は「神様」に救われちゃうのね。増村の性嫌悪には共感するところがある。「腹立ててもきれいなものを壊したらあかん」という台詞がなんか良かった

おりんならぬ『おしん』は見たことないけどこんな感じなのか?
話は大して好きじゃないけど、感情よりも行動が先にくる原田美枝子は見ていて楽しい。これと『青春の殺人者』が同じ年だなんて、さぞかしみんな驚いただろうなと思った。
おりんがたくましくて健気で、つらい。
初潮がきたときに女になりたくない、と戸惑い泣くところは辛くてたまらなかった。客を取るようになって、髪を糸切り鋏でじょぎじょぎ切るところも。
眼が見えなくなって、おちょろぶねを視点の定まらないままに漕ぐところ。
よいしょ、よいしょという掛け声が、ばば、ばばになるところも。。
すぐに暴れるおりんの言葉遣い、荒くれっぷりにちょっと笑ってしまうところもあるんだけれど、強くてけなげで可愛く、そしてあまりにかわいそうなおりんをみるのが本当につらい。涙が出るほど。

新文芸坐で観たけど、客層がおじさんというか男ばかりで、なんだか憎くて憎くてたまらなかった。その汚い目で観てくれるなと思ったほど。。
観方まちがったでしょうか。。
傑作というかすごすぎる。よくこんな映画撮れたなという一作。
原田美枝子すごすぎる。いやそんなに出演作見てるわけではないけど一世一代の演技じゃないか

よく波乱に満ちた人生とかいうけど、おりんの人生が壮絶すぎて……

それでも煉獄の炎に焼き尽くされそうになっても「おりん!おりん!おりん!おりん!」の鼓舞する声に立ち上がり、それでも生きてやると歩くおりんの姿に感動した

千と千尋の裏原作みたいな趣も。あとここまで徹底的に描いて、牧師が登場するあたりなんか下敷きの話やモチーフがありそう

増村保造は「売る」ことを描いてるなと思ったけど、これを見て非人間的なシステムvs人間性の構図もありそうだと思った

いやほんとすごいこれ
SI

SIの感想・評価

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2020.10.3
れんが屋にて観賞

「女は嫌じゃ!女になりとない…!」

祖母が死に身寄りの無い山間の貧家の子供が、瀬戸内海の売春島に売り飛ばされ、売春婦として生きる苦悩を描く。

独立心の強い祖母に山の子として育てられた13歳・おりん。売春島に売り飛ばされたのち、船漕ぎとして働いていたが、遂に生理を迎えてしまいべべが真っ赤に染まる。島から抜け出すことは出来ないため、強制的に客を取らされる日々。船漕ぎの青年との淡い失恋。汚らわしいと感じてきた"女"になることへの抵抗。勤め先の富田屋の旦那主人は優しく、、、幾つもの葛藤。本当に素晴らしい脚本。3年後、おりんは性病のために失明することで、物語は第3幕へと展開していく。

お遍路さんとして霊場を回るシーンで冒頭を始め、途中も幾つか挿入することで悪くないエンディングを示唆し、映画全体の暗さを取り払っている。
山・土 vs 海・水(商売)。鮮烈な二項対立。
水をためた桶に自ら頭を突っ込み悶え苦しむ。バケツの水を失礼な客に頭からぶっかける。とにかく水。水が憎い。一方土、土には耳をあて、時には食べる。

折檻でぶたれすぎて血まみれに。更には未熟な胸をむき出しにする17歳の原田美枝子。これは今であれば確実に児童ポルノ法違反。その若い危うさが魅力的過ぎる。

もう一生作ることのできない、素晴らしい映画だった。
たく

たくの感想・評価

3.8
黒澤明の名作100選に入ってて、増村保造監督ということで観てみた。
昭和7年の瀬戸内で身寄りを失ったおりんが女郎屋に売られて生き抜いていく話で、デビュー間もない原田美枝子の体当たり演技が素晴らしかった。冒頭で田中絹代が特別出演してて、娼婦つながりとくれば「サンダカン八番娼館」を思い出すね。

野生児みたいなおりんが勝気なふるまいで周りにいっさいなじまないのが、観ててちょっとイライラする。もう少し大人しくしてればいいのにって思ったけど、女郎屋という過酷な世界で生き抜くにはこうするしかないという彼女なりの覚悟なんだろうね。この日々の生活の様子に四国お遍路のカットが挿入されていき、後半登場する牧師さんが文字通り神の遣いみたいな感じでおりんの運命を変える鍵になるところが、この過酷な話をうまく着地させてた。

当時16歳の原田美枝子が13歳から数年間のおりんを演じてて、少女と女が微妙に同居する感じに全く違和感がない。大胆に裸体をさらしてて、色気よりは野性味を感じさせる迫力がすごかったね。
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