ショットの絶妙な距離が素晴らしい。陰影をうまく使い、男の心情を画だけで表現し切っていた。自殺願望のある男の、出会いと別れのロードムービーで、驚くほど淡々と物語は進んでいく。
起伏もなく、劇的な山場が…
砂埃が舞う、車窓ごしの黄色い景色。
朝にも見えるし夕方にも見える。どの時間帯の光なのか掴めなくて不思議な景色だった。(次第に日が暮れていったので、1日を通しての時間経過だったのだなと)
哲学的で難…
人生の良さとか、人生を生き抜いて行こうというよりも、信念を貫いたり助け合ったり、人生の良さを熱弁できる人間自体に主人公は魅力を感じていっていた気がする。
ニ人称視点の多用によって、人と人という単位…
これもロードムービー。彼は常に本質的な何かを画面に切り取る。そこから伝わる温かみのある情感を享受して、自分の中で何かを考える。でも自分は日本人だから、同時代のイランの人たちに向けられた本質的な何かを…
>>続きを読む(C)1997 Abbas Kiarostami