散々身勝手に生きてきた老人が、たまたま関わった赤の他人との疑似親子関係を失ったことで、ようやく自分が実の家族とのつながりをも失いつつあることに気がつけた、ということか。
ラストシーンが救いなのは分…
ひとりの老人を通して隣人一家の視点、老人自身の視点、娘の視点、進んでいくうちに自分が色んな立場に立ってその感情を思いはかってしまう。
理解できる部分もあるし、どうしてこんなに苦しいのか理解しきれない…
<身勝手で不可解な家族の物語>
家庭を顧みず家族との間に亀裂を作った老父と、すれ違ったままの娘の確執、そんな孤独な老人をまるで家族のように迎え入れる善良な隣人一家の交流が描かれる。
主人公ロレンツ…
冒頭から何かひりひりとした緊迫した雰囲気が漂う映画。
結構早い段階で展開が起こる。
この映画の登場人物は皆埋められない穴を埋めようと人生を送っている。
親と子
妻と夫
男と愛人
愛情が足り…
身勝手に生きてきた男の罪滅ぼしよりも、父と娘の歩み寄りよりも何よりも、人間存在の複雑さと計り知れなさを強烈に体現した圧巻のエリオ・ジェルマーノであった。
ルカ・ビガッツィが撮るナポリの風景が美しく…
生きることは理不尽と相対することだ。対外的なことだけではない。自分の中では自分が一番正しい。それは正しいと思ってないと精神を保てないだけで、理論的に正しいと証明することは難しい。すなわち自分自身も常…
>>続きを読むこれは〈家族〉のドラマではなく、男たちが自らの〈愛する力〉を試されているという物語だ。あるいは、ようやくそこに気づいたもののなすすべもなく途方に暮れる男たちを描いた物語だ。
血は繋がっていても確執…
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