結晶の構造の作品情報・感想・評価

「結晶の構造」に投稿された感想・評価

相互理解と不可解性。
二人関係から三人関係(三角関係ではない)への違和と調和。

横移動、奥行き、俯瞰、二点透視図法から三点透視図法へ移行するような視野と人間関係の拡大と収縮。
雪景色の圧倒的な美しさ。

結晶の構造でもありながら光を屈折させたり反射させることで見え方も輝きも角度によって変えてしまう多面体としての結晶のように幸福や人生も当人にしか解り得ない美しさがあるカレイドスコープ・ワールド。
作中でチェーホフについての話が出てくるけど、本当にチェーホフみたいな映画。
「何かが起こっても、何も起こらない」

二人の男の人生観の違い。大学の同僚だった二人のうち、ヤンは田舎暮らしで無意味なことにつとめ、マレクは業績を残している。マレクはヤンのもとに首都へ戻るよう説得しに来た。家の中で彼らは話し合い、しばしば意見が食い違っている。しかし外で遊ぶとき(競争、スケート、乗馬など)では少年のように無邪気に笑い合っている。マレクはヤンの日々の生活、地元との交流を見る。ヤンと妻はマレクに連れられ首都に遊びに行く。結果的にヤンは首都へは戻らずマレクは帰るが、それは断絶を意味せず、むしろ相互の違いを確認し更に関係が深まったようにみえる。希望的な映画。

1969年、わからないけどヌーヴェルバーグ感

ポーランドの映画に興味を持った。
・https://culture.pl/jp/article/a-foreigners-guide-to-polish-cinema
・https://culture.pl/jp/article/tips-to-enjoy-poland-film-festival
・https://luckynow.pics/world-film/

音楽はヴォイチェフ・キラール

チェーホフ読みたい、演劇を見たい
クシシュトフ・ザヌーシ監督作品。
これは…、素晴らしい。

物語は、何も起こりません。
単に旧友が来て、旧友が去って行くだけ。
しかしタイトルが示す通り、その関係性の中にも様々な配列と結合、結びつきがあり、不整合が有る。
ヒトとヒトとの関係を結晶構造になぞらえた主題と物語構成には唸らされます。

時折挟まれる短調の劇伴が不穏な雰囲気を醸し出しますがストーリー的に大きな破綻や瑕疵も無く、好い歳をした大人三人が橇やスケートで遊ぶ様は見ていて微笑ましくなる程。
ぼーっと眺めて居られる作品ですが、瞬間移動の様なモンタージュ三連発で時間経過を表す等カット割りにも工夫が見られ、ふと気付くとラストシーンまで一気に観ていました。

爽やかに各々の選択した往く道を応援したくなる、冬の名作です。
クソ傑作。自由闊達、躍動感溢れるアドリブ的な遊戯シーンの多幸感と徐々に明らかになる思惑、関係性の微細な変化、静寂、顔と顔、視線と視線の緊迫。車がやってきて始まった物語は、車が去りゆくことで終わる。一抹の寂しさ。ジャンプカット3回連続で示される時間経過虚無感表現、ピアノ劇伴&流れるようなモンタージュも素晴らしい。

夫と妻、彼らを訪ねてきた夫の旧友…の三人の話なのだが、旧友「明日みんなでどっか行こうぜ」妻「賛成賛成」夫「仕方ない…そんなに行きたがるなら良いよ」と外出して見た映画がお色気映画で、妻が帰りムスッとしてる…という展開が最高。「ワタシ教師なんでこういう映画はちょっと…」

・noteに長めの感想を書きました
https://note.com/mr21807991/n/n29e51b9c1e02

2019/02/04 (過去感想サルベージ)
ネット

ネットの感想・評価

3.5
ふつう。冬の寒々しい景色が好き。
氷の上で滑って遊んでたら衝突する男二人と吹っ飛ばされるワンコ。
『家族生活』でもそうだったが、食卓がなんか怖い。
t

tの感想・評価

4.5
30半ばも過ぎた大人達がはしゃぐのを見て微笑ましくも(スケートで犬とぶつかる箇所が最高)、ふと覗くリアリティにサウダージを感じたりで素晴らしかった。身につまされる。大事な映画になりそうである。
堊

堊の感想・評価

3.0
ほとんど『突然炎のごとく』みたいなソリのシーンやら『はなればなれに』なヌーヴェルバーグ感満載の男2女1ものなんだけど、それらよりもっともっとユルイながらも横移動だったり雪道での俯瞰キメていて面白い。咳の止まらない祖父との食卓を奥から照らしているのは『太陽の年』っぽかった。
「なんでもなれると思った。でもそのときはぼくは12歳だった。きみはもう36歳なんだ」。
『ハズバンズ』みたいなのを博士課程でやったみたいなあらすじだったのでかなりグッときた。
AyumuK

AyumuKの感想・評価

3.5
白い雪原と、葉を落とした木々の細い枝の繊細な線が白黒の画面によく映えていた。それだけで、視覚的に満足するが、俳優たちもよく動く!子犬のようにじゃれあう姿でお腹いっぱいです。
YouTubeにバキバキの高画質のものが上がってたので鑑賞。

田舎でひっそりと暮らす化学おたくの四十路男とその妻の元に、大学時代?の旧友が訪れ、その3人の無為に過ぎていく日常を描く。
最高。40近くの男2人女1人が無邪気に遊ぶ場面など無駄なシーンだらけでたまらない。
祖父の居眠りシーンは爆笑。
ザヌーシというか自分的にはザヌッシの長編デビュー作。

白い雪を主体としているせいもあって、モノクロなのに時折カラーと錯覚してしまう瞬間があったのが中々面白かった。

ドラマ部分は同時代の映画と大差ないんで正直おまけ程度に流し見してしまったが、田舎の寒冷地の素朴な生活描写を望んでいた分その比重が大きい作りになっていたのでその点満足がいったし、人間の瑞々しい運動の描写ってのはやはり映画の醍醐味の一つだなとつくづく感じ入った。
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