約束の宇宙(そら)のネタバレレビュー・内容・結末

「約束の宇宙(そら)」に投稿されたネタバレ・内容・結末

アリス・ウィンクール監督によるドラマ作品である本作は、天体物理学者の夫・トマスと離婚し、7歳の幼い娘・ステラと2人で暮らしていたフランス人宇宙飛行士のサラが、ドイツの欧州宇宙機関で訓練に励む日々を過ごしていたとある日に、「プロキシマ」と名付けられたミッションのクルーに選ばれ長年の夢が叶う一方で、宇宙に旅立つことで約1年もの間、ステラと離れ離れになってしまうことで仕事と子育ての両立の難しさに葛藤する様や、時にぶつかり合いながらも会えない時間の中で経験した寂しさを互いに乗り越え成長していく親子の愛と絆の物語が紡がれた作品となっているのだが、率直な感想としては、観る価値はありましたね。エヴァ・グリーンやマット・ディロンの共演は個人的に惹かれるものがありましたし、ステラを演じたゼリー・ブーラン・レメルの愛らしさもまた魅力的。そして愛しさや寂しさを抱きながらも満足に会うことの出来ないもどかしさに葛藤するサラとステラによる家族ドラマもまた良く、仕事と子育ての両立の難しさや夢を叶えることの代償など考えさせらるものがありましたし、サラの視点から宇宙飛行士という特殊な職業の日常や過酷な訓練が見られることや、ステラをはじめとした宇宙に旅立つ家族を見送る側の心情にも焦点が当てられるので学べるもの、気づかされるものも多く、最後まで画面から目が離せなかった。ただ、女性宇宙飛行士を主人公としている点は面白いのだが、やはり特殊な職業であることや、娘のステラが失読症や計算障害、つづり字障害でもあり、それに加えて離婚した夫・トマスが天体物理学者であることでその障害を受け入れられずにいる点もそうですし、特殊な環境下で映し出されるドラマは決して悪くはないが、共感するには少々手間がかかりそうですね。その点は少し気になってしまった。
 宇宙飛行士の分野における女性のエンパワーメントがメッセージの映画である。ミッションのクルーに選ばれたフランス人女性飛行士のサラが、訓練での苦労や愛娘との絆を通して立派に宇宙に飛び立つまでを描いているのだが、個人的にあまり好みではなかった。正直、主演のエヴァ・グリーンの魅力だけっていう感じがする。

 ヨーロッパ映画なのでソフトストーリーの語り口になるのは仕方がないにしても、題材とどうも食い合わせが悪いように思う。「サラが訓練で苦労する」→「娘とのコミュニケーションもうまくいかない」の繰り返しが単調で、なんだかサラがどっちつかずのままに見えてくる。
 打ち上げ前日に隔離施設を抜け出し娘とロケットを見に行くシーンが大きなポイントになっていて、このシーン自体作ることは悪くないのだが、仮にも宇宙へ1年間の重要な任務につく人間が、ああいった衝動的な行動を取るのは非常に無責任に感じる。あれだと規律を破っても夢は叶うと言ってるようなものだし、映画のメッセージすら台無しにしかねない。宇宙への夢と娘に対する想いの狭間で揺れるサラの姿がこの映画の魅力だが、それでもサラの信念や覚悟が見えづらい話になってしまっていると思った。

 欧州宇宙機関の協力の元のロケーションもいいし、エヴァ・グリーンやマット・ディロンたち俳優の演技は悪くない(育児を絡めた男性描写は半端になっている気がした)。子役のゼリー・ブーラン・レメルも存在感があり、母親との複雑な距離感をよく表現している。
自己中で中途半端な主人公にイライラ。皆んな感染を避けるために色んな努力をしてるのに自分が忘れてた娘との約束を果たすために隔離施設から抜け出し会いに行く。もしそれで病気をもらって宇宙へ行って他の人へうつし重大なことになったらどうするのだろう。他の人の家族はどう思うだろう?すごく腹たった。夢叶えるためにも母親としてもやると決めたならちゃんと割り切れとイライラしかなかった。
シングルマザーで物理学者のヒロインは、宇宙飛行士としてとあるミッションのメンバーに選ばれる。訓練および任務の間、7歳の娘を離婚した元夫に預けることになるのだが、離れ離れになった母娘の関係に少しずつ齟齬が生じ始めて......という話。
フランス・ドイツ映画。

長年の夢だった宇宙での任務を前にしたヒロインが、任務と娘への愛情との狭間で揺れ動く様子を描いた作品。
母と離れた幼い娘の寂しさについては上手く描かれていていた。しかしヒロインについては両立が大変なのは分かるのだが、母としての責務も仕事への取り組み方もどちらも中途半端であまり共感できなかった。また、娘のために任務下におけるルール違反をいくつか犯しており、特に最後の違反は下手すると仲間を危険にさらす可能性もあるのでいくら娘との約束を果たすためとはいえやや無責任では?と思った。あと、肝心の宇宙でのミッションが一切描かれないのも消化不良かなあと感じた。

坂本龍一が音楽手がけてるらしいが、全然気づかなかった。
銀幕短評(#576)

「PROXIMA」(原題)
(とおく離れていること)

2019年、フランス。1時間47分。

総合評価 56点。

いったいこの映画は なにをいいたいのでしょうか?

親子の情愛の深さ? たしかに情愛が深いことはいいのだけれど、それは各人のあくまでプライベートな部分であって、ほかに優先すべきことや社会的な期待や規範があれば それを侵してはいけない。ルール、規律、規則を二の次にしてはいけない。そうでしょう?

単に娘からひとり立ちできない母親のように見えましたよ、わたしには。ふつうはこどもが未練を示すものなのに、親のほうが未練にまみれている。宇宙探査のような高度に社会的なミッションにたずさわりながら、私情にがんじがらめになっている。例のあのシーンを美談、泣きどころにしたかったのが作者の意図なのだろうと想像しますが、背筋がこおりますね。いったい あの行動で皆にどれだけのリスクをもたらすのか。「ファースト・マン」(アメリカ、#204、100点)を見ならってほしいなあ。あのガラスのシーンだけパクっていますが。

と、わたしはひねくれた(ように思える)映画の見方を しょっちゅうします。これまでにも世間的には大好評ながら、わたしには非常に違和感のあった映画がいくつかありますよ。ざっと思いつくものを挙げますと、

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」(#496、67点)
主人公がどこまでも身勝手な盲信者のはなし。これは40点くらいにすべきでしたね。

「ヤクザと家族」(#535、34点)
家族をないがしろにする無法者のはなし。これも20点くらいでよかったな。

「ティモシーの小さな奇跡」(#371、51点)
子に高望みし執着する親のはなし。これは8点ですね、じっさいのところ。

この三つがまず思いうかびますね。四つ目がこの映画ですよ。

あと、
「パーソナルソング」(#528、68点)
これは、認知症のはなしですが、うまく消化できずに 長い感想文(おまけ)を書きました。みなさんのご意見とは ずいぶん違います。

ついつい批判的な懐疑的な ものの見方をしてしまうのは、わたしの ひねくれた性分と信条によるところです。そして好きなものは好き、そうでないものはそうでないという。かんたんには ひとの意見に与(くみ)しない。と、なっとくがいかない。その点、言論の自由が保障されているこのサイトは ありがたいなあ。
女性で宇宙飛行士。選ばれて娘と離れることに。女だからと言われたくない悩みなどたくさんあるよな。
ラストの娘の爽やかな笑顔。
素敵な映画でした。


宇宙飛行士を題材にしたもので、宇宙に行くまでをこれほどまで丁寧に描いたものはないと思います。
ましてそこには娘と母としての沢山のドラマがあります。
エヴァグリーンが母として宇宙飛行士としてのサラの心の葛藤を見事に演じ切っている。

宇宙へ旅立つロケットを見上げる父と娘の表情が真逆だったのが印象的でした。
音楽や映像、訓練映像はよかったけど、
母親にイラっとしてしまいました。
脚本かな、、

宇宙飛行士として選ばれたのに
娘との電話で遅刻して訓練が受けられなかったり、会議に娘を連れて行くのは規約違反なのに『一回なら大丈夫!』と連れて行ったり、ルールを破ってるのが目につきます。
それで目を離して娘がいなくなって、
同じ宇宙飛行士に『貴方は奥さんが見てくれていいわね!』八つ当たり。
(自分も元夫に見てもらってる)

最後ドラマティックにする為だろうけど、
娘と一緒に2人でロケットを見る約束を
果たすのに、宇宙飛行士が出発前日で隔離されてから抜け出すのが、えぇ〜と思いました。中高生が寮を抜け出すノリ。
もし、菌をもらって帰って来てしまったら
他の宇宙飛行士にも迷惑かけるというのに
宇宙飛行士の自覚とは?

母と娘の絆を期待したけど、主人公の行動や発言にイライラしっぱなしでした。
宇宙飛行士になる期待や不安定さを出したかったのでしょうか。。

他の宇宙飛行士(マイク)が気遣い屋で、優しいのが救いでした。
やっぱりあそこで出ちゃだめだとおもうし、バレないで宇宙いけちゃうのちょっと引っかかるな。
でも、そうしてまで約束を守ってくれるお母さんは頼もしいなとおもう。家族っていつも一緒でたまに面倒ででも甘えてしまって。だからこそ私の気持ちわかってくれるでしょ?っていうことにしないで、ちゃんと約束を守ってくれるお母さんのことえらい〜っておもう。
大事なひととの約束ほどちゃんと守りたいねぇ。待ち合わせ時間から約束を破ってしまうような私だけど。

樋口さんからおすすめいただいてなかったらスルーしてたな。みれてよかった!エヴァ・グリーンが人間だった!音楽が教授なこと、終わってから知ったよ!
1.はじめに:アリス・ウィンクールについて(出典:Wikipedia英語版、他)

❶監督・脚本のアリス・ウィンクールは、1976年パリ生れのユダヤ系女性。「ラ・フェミス(La Fémis。フランス国立映像音響芸術学院)」でシナリオを学ぶ。

❷監督・脚本を務めた3本の短編を製作後、本作までに、4本の商業長編映画に関与しているが、監督作品は日本未公開なので、本作が日本デビューとなる。
①『Ordinary People(2009仏・セルビア)』脚本。日本劇場未公開。(IMDb:6.1)
②『博士と私の危険な関係(2012仏)Augustine』監督・脚本。日本劇場未公開。(IMDb:6.0)
③『ラスト・ボディガード(2015仏・ベルギー)Maryland/Disorder』監督・脚本。日本劇場未公開。(IMDb:6.2)
④『裸足の季節(2015仏・トルコ・独)Mustang』共同脚本。日本公開:2016/06。2016/06鑑賞85点。(IMDb:7.6)
⑤本作:『約束の宇宙(そら)(2019仏・独)』監督・脚本。日本公開2021/04。(IMDb:6.4)

❸家族のことは一切公表していないが、インタビューで、脚本執筆当時、8歳の娘がいたことを明らかにしている。

❹2016年から、米アカデミー賞の母体である「映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、AMPAS)」の会員である。

2.マイレビュー

●作品概要(出典:公式サイト)
①宇宙飛行士でひとり親の母と、幼い娘のロケット打ち上げまでの日々を描いたのは、『裸足の季節』の脚本が絶賛されたアリス・ウィンクール監督。自身も幼い子供を持つ彼女が、宇宙飛行士という特殊な環境で働く母親と、その子供との特別な関係に焦点を当て、お互いを想い合うあまりぶつかり合い、愛しさも寂しさも経験し成長していく親子の物語を誕生させた。撮影は欧州宇宙機関(ESA)の協力により、ドイツ、ロシア、カザフスタンの関連施設で敢行。宇宙飛行士の知られざる世界をリアリティあふれる映像でスクリーンに表現した。母サラを演じたのは、実写映画『ダンボ』や、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』で、子供から大人まで世界中の観客を魅了したエヴァ・グリーン。娘のステラは約300人の中からオーディションで選ばれたゼリー・ブーラン・レメル。チームリーダーの宇宙飛行士にマット・ディロン等、欧米の実力派俳優が集結。さらに、音楽は世界で活躍する坂本龍一が担当した。
②フランス人宇宙飛行士のサラは、ドイツの欧州宇宙機関(ESA)で、長年の夢だった宇宙へ行く事を目指して、日々訓練に励んでいる。物理学者の夫トマスとは離婚し、7歳の幼い娘ステラと2人で暮らす彼女は、「プロキシマ」と名付けられたミッションのクルーに選ばれる。大喜びのサラだったが、このミッションに旅立てば、約1年もの間、娘と離れ離れになる。ステラを残し宇宙へ飛び立つまでに2ヵ月しかない。過酷な訓練の合間に、娘は母と約束する「打ち上げ前に2人でロケットを見たい」と。母は約束を果たし、無事に宇宙へ飛び立てるのか。

❶相性:やや不良。

➋良かった点:
①宇宙飛行士の過酷な訓練を描いた作品は幾つかあるが、ぴか一は、『ライトスタッフ(1983米)』(The Right Stuff/不可欠な資質)(監督:フィリップ・カウフマン、出演:サム・シェパード、スコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイド)で、40年近く経った現在でも、これを超える作品はない。
②シングルマザーの宇宙飛行士を主人公にした本作は、それだけでも珍しいが、一番の見所は、ESA(欧州宇宙機関(European Space Agency)の全面的協力を得て、実際の訓練施設やロケット発射場でロケして、普段見ることの出来ない貴重な映像が収められていることである。中でも、「スターシティ」での実物を使った訓練は迫力があった。
③訓練シーンだけなら、上記『ライトスタッフ』に勝るとも劣らないと言える。
④体力的に勝る男たちに負けじと、必死で頑張るサラがいじらしい。

ⓐロシアの「スターシティ(Star City)」(注1)
ⓑカザフスタンの「バイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)」(注2)
ⓒドイツはケルンの「欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)」(注3)

❸容認出来ない点:
①ミッション「プロキシマ」の3人のクルー中の紅一点に選ばれた主人公のサラは、今後2ヵ月間、ロシアのスターシティに滞在し、更に厳しい最終訓練に入る。
②それまで、一緒に暮らしていたステラは、別れた父が面倒を見るが、ステラは新しい学校での勉強が難しく、悩んでいる。
③サラは、訓練の合間にステラに電話して、相談に乗っているが、余裕がなく、訓練に遅刻する始末。
★重要な任務と、母親業との両立は、思っていたよりも大変なのだ。
④ステラに会いにいく予定だった休暇日にも、訓練が入ったため、ステラがカウンセラーに連れられて面会にくる。そこで、サラはステラと約束する:「打ち上げ前に一緒にロケットを見ようね」と。
★サラの行動は、チームワークの面からは問題があるが、ここまでは許容範囲。
⑤厳しい訓練が終わり、出発までの隔離期間に入るが、その前日はクルーと家族たちとのお別れパーティ。でも、ステラは飛行機に乗り遅れて来られなくなってしまう。
★映画では、よくある「山作り」です(笑)。
⑥翌日、ステラが元夫に連れられてやって来るが、隔離中のためガラス越しの面会となる。
★問題はこれからです。
⑦その夜、サラは密かに隔離施設を抜け出し、ステラのホテルへ来てステラを連れ出して、タクシーでロケットの見える場所まで行って、朝日に照らされたロケットを見るのである。
⑧その後、ステラをホテルへ送り、隔離施設に戻ったサラは、薬品で全身を消毒し、何事もなかったかのように振る舞うのだった。
★これには啞然とした。信じられなかった。大切な娘との約束だったとは言え、クルー全員を危険に陥れるばかりか、ミッションを破滅させることにもなりかねないのだ。こんな人が、大切な任務を遂行出来るとは思えない。こんな人はクルーの資格がない。そう思った。
★隔離施設を容易に抜け出せるようなセキュリティにも問題がある。
★これが最大の難点である。これさえなければ、本作は傑作になったと思う。実に残念なり。
❹エンドロールでは、各国の女性宇宙飛行士10人程の顔写真が映し出される。その中に山崎直子さんがいた。彼女が国際宇宙ステーションに滞在した2010年、彼女の長女は7歳だったそうである。
★山崎直子さんも、本作のサラ以上の苦労があったことと推定される。

❺外部評価
①Rotten Tomatoes:106件のレビューで、批評家支持率は83%、加重平均値は7.1/10。
②IMDb:5,914件のレビューで加重平均値は6.4/10。
③KINENOTE:53人の加重平均値72点/100点
④Filmarks:358人の加重平均値3.5/5.0

(注1)スターシティ(Star City)
モスクワの北東32km、シチョルコヴォ近郊に位置する、制限された軍の研究・訓練施設。1960年代から宇宙飛行士はガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を受けていた。ソビエト時代には、厳重に警備された閉鎖都市で、外界からは隔離されていた。現在では、ロシアの宇宙飛行士の多くは、家族と共にスターシティに住んでいる。この町には、郵便局や店舗、学校や保育所、映画館、スポーツ施設、駅、宇宙旅行の博物館がある。(Wikipedia)

(注2)バイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)
カザフスタン共和国のチュラタムにあるロシアのロケット発射場。ロシア連邦宇宙局が管理している。建設当初はICBMの発射場として使われていたが後に拡張されロケットの発射場として使われ始めた。基地の周りには、職員の住居、学校などが造られた。ここは旧ソ連時代からロシアの全ての有人宇宙船の打ち上げに使われている。「バイコヌール宇宙基地」と名前が付けられているのは場所の秘匿のためであった。(Wikipedia)

(注3)「欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)」
1975年にヨーロッパ各国が共同で設立した、宇宙開発・研究機関である。設立参加国は当初10か国、現在は22か国が参加し、2,000人を超えるスタッフがいる。本部はフランスに置かれ、ドイツ・イタリアがそれに次ぐ地位を占める。
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