辛く悲しい物語でした。
とにかく役所広司さんの演技がすごい。
主人公の三上の真面目なところ、優しい笑顔、カッとなって怖いぐらいの怒りをぶつける表情。圧巻すぎるし彼の演技に引き込まれる。素敵な映画でし…
役所広司は相変わらず得体が知れず、肉体の上で時が止まっていそうだ。
三上は更生後物語上のよい塩梅ところで病に倒れる事で映画としてはよい塩梅の幕引きになるわけですが、病に倒れなかった三上はこの後も我…
人生の半分以上を刑務所で過ごした前科十犯の男が、出所後、今度こそはカタギだと誓い真面目に生きようとするストーリー。
主人公の三上は、根は真っすぐな正義感のある男として描かれているが、若いうちは出所…
『すばらしき世界』を観て感じたのは、
「人間ってこんなにも不器用で、
でもこんなにも真っ直ぐなんだ」
ということでした。
役所広司さん演じる三上は、
暴力的で短気なのに、
心の奥底では…
なまじ人懐っこくてお人好しなのもデカイ体をぎゅっと縮めて耐えてる姿も母親信仰も福岡生まれも「似てますね」って言わなきゃ普通に生きていけないのも全部つらい
西川監督の映画ゆれるしか観たこと無かったから…
無性に泣けてきた…。
特に、養護施設でのサッカーのシーンと、介護施設での障がいのある同僚とのやりとり…。主人公の言い様のない悲しみが伝わってきた。
ラストはあのまま(ハッピー)エンドでよかったのに…
自分が幸せにならないと他人にも寛容になることはできない。
最近このようなことを哲学の本で読み、頭の片隅に置いていたが、この映画ではその言葉を再考させられるものであった。
人間、他己的に行きる程自己…
見て見ぬふりをしてる人と、自分の正義に素直な短絡的な人。
折り合いをつけないとやっていけない社会だけど、折り合いをつけすぎても幸せなのかはわからない。
やり直しがきく世の中だと良いとは思うけど、自分…
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会