山中静夫氏の尊厳死の作品情報・感想・評価

上映館(3館)

山中静夫氏の尊厳死2019年製作の映画)

上映日:2020年02月14日

製作国:

上映時間:107分

あらすじ

「山中静夫氏の尊厳死」に投稿された感想・評価

Manami

Manamiの感想・評価

5.0
弟の映画初出演作品。
家族の家での会話が自然で、手前味噌で恐縮ですがとても良いお芝居をするなとおもいました。
しっかり台詞もあって、エンドロールに名前が載ってるなんて感動しました。
緑

緑の感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読

赤子からオッサンを経ずにおじいちゃんになったような風貌で
不器用な性格の人物を演じるものだから、
中村梅雀がかわいく見えて仕方なかった。

梅雀と高畑淳子の「ありがとう」の会話に涙。
梅雀死去後、高畑が墓石に梅雀の辞世の句を彫ったエピソードにも涙。
最初は押しが強くて苦手だなと思った嫁っぷりだったのに
後半に帳尻合わされてまんまと泣かされた感。

お尻を触るのを許す看護師さんって本当にいるのかな?
肝っ玉母さん風の看護師さんなのでリアリティはあったと思う。

津田寛治の痩せ方がすごい。
心配なので早く戻してほしい。
息子との遣り取りが心地良かった。
田中美里も子どものことばかりで苦手な嫁っぷりだったのに
病んだ津田と接する優しい姿勢で帳尻合わされた感。

もうちょっと尺を伸ばして
それぞれの夫婦の関係を丁寧に描いてほしかった。

それと、早稲田法に行った息子は見舞いにも看取りにも来ないのか?
 主演の津田寛治の芝居が素晴らしい。テレビドラマのイメージが強い俳優だが、こういうナイーブな演技もできると知って感心した。自ら監督もするようなので、この人の監督主演作品を観てみたい。
 本作品では生真面目な医師今井俊行を演じた。随分と痩せて見えたのは、もしかしたらこの役のためかもしれない。今井医師に似て、津田寛治も生真面目でストイックな役者だと思う。

 オランダをはじめ安楽死が合法とされている国はいくつかあるが、殆どの国では安楽死は認められていない。無論日本でも非合法だ。これを扱った映画では周防正行監督の「終の信託」が有名である。
 安楽死と尊厳死。ただ生かすだけの延命治療をせずに、患者の苦しみと痛みを取り除くところまでは同じだが、その先が違う。しかしその違いは実に微妙である。安楽死と尊厳死が違うことは誰もが解っているのだが、個々の医師によって解釈が異なる場合がある。また患者個別の事情によっても異なるだろう。

 本作品のタイトルが単に「尊厳死」ではなく「山中静夫氏の尊厳死」であることに深い意味がある。山中静夫の死を山中静夫以外の人間が死ぬことは出来ない。他の誰の尊厳死でもない、山中静夫の尊厳死についての物語なのである。
 日本国憲法第十三条には「すべて国民は、個人として尊重される」と書かれている。「尊重されなければならない」ではなく、敢えて「尊重される」と言い切ったところに、作成者たちの並々ならぬ覚悟が窺える。
 個人の人格や生き方が尊重されるなら、同じように個人の死に方も尊重される筈だ。日本国憲法の精神からすれば当然のことだが、これを解っている医者は少ないと思う。人間の身体について医学で解っていることは1パーセントもないことは医学界の常識であり、どの医師も解っているはずなのだが、医療の現場にはまったく活かされない。つまり医者は他人の疾病に対して謙虚さを欠いているのだ。下手な料理人が食材をやっつけるように、医学で患者の身体をやっつけるのが医療だと思っているフシがある。

 今井医師は、個人の死に方を尊重する数少ない医師のひとりである。個人の人格を重んじる姿勢は、息子とのシーンに如実に現れる。息子との禅問答のような会話は、父と息子の会話であると同時に、人と人の本音のやり取りである。今井医師の言葉はかつて自身も小説を書いた過去があることを示唆し、文学青年の息子はそれを敏感に感じ取ったに違いない。以降の息子の言葉には、父に対する尊敬の念が込められるようになった。
 理解できない妻には、仕事で疲れ切っているから仕事を離れたときまで他人に気を遣うエネルギーが残っていないと話す。息子を他人と想定するのは、息子の人格を認めているからだ。それに、解らないからと言って妻を否定することはない。その妻役の田中美里も好演。夫を気遣う素直な妻の姿に癒やされる。

 難しいテーマをひとりの人間の死に落とし込んで、現実の治療法や、患者の死が医師に及ぼす影響まで表現した意欲的な作品である。日本は世界史上、類を見ない超高齢化社会に突入している。今後どうなっていくのかは誰にも解らない。誕生よりも死亡が身近となった時代に、人はどのようにして死と向き合えばいいのか。課題は個人に託される。
 ちなみに日本では高齢者の入院が90日を超えると、病院に支払われる金額が極端に減少する。石丸謙二郎演じる事務長の言葉の意味はそこにある。病院も商売なのだ。
雨の日曜日、銀座へ観に行きました☔️
大好きなシネスイッチ銀座です。
東京はここだけの上映。

相変わらず原作は知らないの💦
観たいと思ったきっかけは予告のワンシーン。
末期の肺ガンの山中静夫さんが医師に向かってこう言うのです。
「生まれ育った信州で死にたい」
医師は山中さんに浅間山が一望できる個室を用意します。
その病室から見える浅間山。
(↑これ、いーなぁっ!!!)

私にも大好きな山があります🗻
最期の時にその山を眺めながら逝けたら多分成仏できる…(え、変?笑)
一瞬にして湧き上がった妄想が重なり、なんとも短絡的な理由で観て来ました。


余命、長くて3ヶ月、自分の脚で歩けるのはおそらく1ヶ月。
山中さんはその1ヶ月の間に故郷の村へ毎日出かけ、ある作業をするのです。

死を宣告されたら何をする?
いえ、何が出来ますか?
あれこれ実行できるのはドラマや映画の中でのお話で、現実はそんなもんではないと感じました(>_<)
死は絶対に避けては通れない。
死はいつ訪れるか分からない。
まだまだ大丈夫、と目を瞑っちゃいけない。

とにかく「死」についていろいろ考えさせられます。
真っ向から死を見据え、何くそ!負けるもんかと闘いたい。
どんな風に死を迎えるか、そおゆう心構えも大切。

って、私、まだまだ死にませんけどね💧
長い人生(であって欲しいけど)、時々立ち止まって考えてみることも必要かな?

これねぇ、とっても良かったのが山中さんが亡くなったあとの話。

山中さんを担当した先生がこれまた人間味溢れる先生で〜。
その先生の家族の関係も本当にじんわり良くって〜!

ボロボロに泣きました!
明日からまた強く生きよう、そんな気持ちにもなりました!

涙を拭いて振り返ったら、私の周りはいつにも増しておじいちゃんとおばあちゃんばかり。
突如出口調査員になって感想聞いてみたい衝動に駆られました(^_^;)


2020年劇場鑑賞12本目
『山中静夫氏の尊厳死』

公開初日2/14VDの舞台挨拶付(中村梅雀、津田寛治、田中美里、村橋明郎監督)鑑賞しました。

現役の医師であり作家南木佳士の小説の映画化。

村橋監督舞台挨拶で、27年前(1993年発刊)読み、5年前に “ 今 ” 必要な作品だと脚本書き始めたとか。

「私は肺癌なんです。」
信州にある病院の医師(津田寛治)へ、末期がん患者(中村梅雀)は、静岡の病院から故郷にあるこの病院への転移を希望する。残りわずかな人生を自分の望む生き方をしたいと告げるが、妻(高畑淳子)は遠く時間のかかる通院にOKを出さない!なぜ故郷なのか…

“ 死ぬこと ” と “ 最期まで生き抜くこと”

“ 尊厳死 ” と “ 安楽死 ” など

本人、家族、医師など周りの人たちとの関わりの中での意義を問いていくー。

撮影監督のが舞台挨拶でも言いましたが、医師(津田)と患者(中村梅雀)の顔色が真逆で、お肌艶々の梅雀さん観ながらキャスティング逆ても良かったのでは?と思いましたが、後半の展開で納得🆗

ベテラン俳優の皆さん、素晴らしい!
梅雀さんは特に泣かせます💧

中西良太さん(大工の棟梁)のご縁で、村橋監督にご縁を頂いた事を思い出しました。出会った頃、脚本書いていると話していたな〜←私は配役茅の外だったんだな(苦笑)

観る毎に良さが増していく作品だと思います。←ご縁頂きたかった(笑)

因みに♪
浅間山の見える病室は存在しないそうです❗←セットなんですと🎶

13/2020
南木佳士さんの同名小説を村橋明郎監督により中村梅雀さんと津田寛治さんのダブル主演で映画化した本作では死と向き合う2人の男が登場する。
1人は末期の肺ガンを患う山中静夫、そしてもう1人は呼吸器内科医師として患者を看取ってきた今井俊行、立場は違えど彼らは死と向き合っていく中で人生の意味を見出だしていく。
長い短いはあっても、人は皆いつかは死ぬ。
この作品に登場する山中や今井は特殊な人ではなく、我々と同じ何処にでもいる人々だ。
彼らには家庭があり、妻子の為は勿論のこと関わる人々の為に誠実に仕事を、社会生活を全うしてきた善良な人々だ。
だが、どんなに善良でも自分の意志に拘わらず死は忍び寄ってくる。
それは家族や人々の為に誠実に献身的に生きてきた男にとって不条理で納得のいかないものかもしれない。
本作は浅間山をはじめとした信州の美しい自然を背景に、夫々の立場で死と向き合う2人の男を通して、人が死ぬことや限られた人生の時間をどう過ごすのかを、その意味を中心に浮き彫りにしていく。
そして「安楽死」と「尊厳死」の意味合いの違いを、本作は改めて考えさせてくれた。
はるか昔に原作を読みました。
患者、家族、医師、またその方達を取り巻く人々の思いが、丁寧に描かれていました。
sci

sciの感想・評価

3.5
長野県の佐久総合病院に勤務している医師で作家(「阿弥陀堂だより」など)の南木佳士さん作。原作未読。病院の地元の映画館での先行上映。

患者本人が満足する医療と死に方は何なのか、同時に医師の治療に対する思いを描く作品で、作者本人の体験が元となっている。

患者の山中は「楽に死にたい」と意思がはっきりしており家族もそれを理解しているので、医師の今井は迷いのない治療ができる。患者を救えなくて絶望しか感じていなかった彼が、山中の望み通りに対応していくことは彼自身の癒しにもなっているようだった。

長年の無理が祟って今井がうつ病になってしまうところから立ち直っていくきっかけが若干物足りない感じたが、身近な人を亡くしたことがあったり、人生の最期をどう迎えるかを考えている人には共感できる部分が多く、響く作品だろう。津田寛治さんの熱演により、ただの原作の再現を超える作品になっている。