アナザーラウンドの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「アナザーラウンド」に投稿された感想・評価

酒飲みには必見、ですが、
呑まない人にはイラつく映画だろうなあ…とも思いました。

私はサイコー!と思いましたし、エンドロール直後「I love this film!!」の一声に続いて拍手が起こった程には、愛されるべき映画だと思います。

その後のQA(プレレコーディング😭)でも監督良いこと言ってた!
“若者に捧ぐ!”と
一

一の感想・評価

3.8
デンマークの名匠 トマス・ヴィンターベア監督作品

「血中アルコール濃度を0.05%にしておくと何事もうまくいく」という、アルコールをめぐる仮説を証明するため、酒を飲み続ける実験に挑む中年教師たちの行く末を描く

今年のアカデミー外国語映画賞受賞作ですが、なんといっても『偽りなき者』のマッツ・ミケルセン × トマス・ヴィンターベアのタッグなんか問答無用で期待度はマックスに上昇してしまうけど、そんな期待を裏切らず本作も非常に素晴らしい作品だった

こっちはアルコールだしがらりと雰囲気も違うけど、どことなくライアン・ゴズリング主演の『ハーフネルソン』を彷彿とさせる

コロナ渦という状況になり、さすがに最近は聞かなくなったものの、大学生が馬鹿みたいに飲まされて命を落とすという事件が定期的に起こっているのが記憶にありますが、一気に飲む行為だけではなく、お酒というもの自体の依存性や危険性はこれまでにも多く語られてきました
それでも世の中にはアルコール依存症という方は大量に存在していて、そんな方々の歯止めが効かなくなり、アルコールに“逃げざるを得ない”過程までもが非常に良く作り込まれている

基本的にはおじさん達が飲みまくってべろべろになる姿をクスッと笑えるというコメディタッチな作品なのだけど、もちろんトマス・ヴィンターベアがそれだけで終わらせるわけもなく…
アルコールを通して浮かび上がる真の人間関係
なにより、笑えるけどいろいろな意味でゾッとするような恐ろしさも見え隠れしてくるから素晴らしい

お酒にと徐々に慣れてしまい、満足できる血中のアルコール濃度はどんどん上昇していくというわかりきった苦しい展開はなるんだけど、やっぱり巧いなぁと思わず唸るほどハラハラドキドキ感も存分に楽しめる見事な脚本

荒唐無稽ながらに依存症映画としても秀逸で、問題提起をしつつも説教臭くもならずに、温かい友情を描いた非常に斬新かつユニークな映画だった

日本の予告では、ただのおバカ映画みたいな酷い作りになっている為、『ワールズ・エンド』や『ハングオーバー!!!』的な酔っぱらい映画を想像してしまう方もいるかも知れませんが、ただのコメディとして観ると肩透かしになる可能性大ですのでご注意下さい

〈 Rotten Tomatoes 🍅92% 🍿89% 〉
〈 IMDb 7.8 / Metascore 80 / Letterboxd 4.0 〉
ラストシーンの主人公は流石にいいけど、それ以外あまりにも予想通りのことしか起きなさすぎてうーんとなった。
雅治

雅治の感想・評価

4.1
異色な観点な映画。ものすごく世知辛い話だし、明るいだけで終わる話であるわけがない。後半更に暗い話になるが、ラストのマッツ自身のアレによりちゃんと希望がある話になっている。
デンマーク、試験終わるとみんなめちゃくちゃ飲むって話を思い出した。what a life、この映画のための曲って感じ。いい映画だった。
血中アルコール濃度を0.05%に保つと良いという学説を信じて実験する大人たちの話。
酔っぱらうマッツ・ミケルセンを鑑賞する映画。

正直言って、パリピ状態がだらだら長く、だから何なの?って感じだった…。
そっから堕ちていくのだいたい予想ついたし、言わんこっちゃない。
これがアカデミー賞国際長編映画賞の受賞作かぁ…うーん。
主演がマッツ・ミケルセンじゃなかったらマジで見所がない。
これだったら、「遥か群衆を離れて」「偽りなき者」の方がまだマシ。
TB12

TB12の感想・評価

2.5
色んな賞レースで勝った作品だしそれに主役もマッツ・ミケルセンだしと思って見てみたがなにがそんなに良いのかよく分からなかった。

で結局何が言いたいんだよ?ってのが率直な感想。
別に映画に答えを求めてる訳ではないんだけどさ。

血中アルコール濃度を一定の度合い保つと仕事の効率が良くなるとか言う理論のもとじゃあそれ実験してみようぜ〜と仲間4人で毎日朝から飲み始めるのだがこの設定はまあ良いと思うのよ。

前半はその効果で仕事も家庭も上手く行くって言うお決まりの流れから後半もお決まりのしっぺ返しを喰らう破滅パートと全てがお約束の流れで「で、だから何?」としか思えなかった。

こうなる事ぐらい良い歳こいたおっさん達なら分かるだろと。
それを皮肉ったブラックユーモアたっぷりのコメディなら大好きなのだがこの作品は中途半端にシリアスを入れてくる。

そもそもコメディパートの前半も大して面白くないし酒入ったぐらいで授業が楽しくなって奥さんとも上手くいき出すっておかしいだろ(笑)

だってこのおっさん4人は普段から酒を飲んでて酒の作用を知り尽くしてる訳でしょ。
今まで酒を飲んだ事のない人間達が飲んだら人生変わった!ならまだしも普段から呑んべいの奴らが平日朝から飲んだところでそんな簡単に人生バラ色になるかいな。

もっと根本的な事を言うとオシャレな店でオシャレな格好してオシャレな酒飲めるぐらい社会的地位のあるおっさんらが人生を退屈そうにしてるのがリアリティないわ。

それと後半の破滅して行く展開も安っぽい上に大して深刻でもなくね?感が強い。
依然として住む家も仕事もあるし取って付けたような仲間の死だけでアル中の恐怖を描いてるんだとしたらお粗末すぎる。

いやまあ基本はコメディでアホなおっさん達をただ微笑むだけの作品ってのはオチを見ても分かるのだがユーモアが全く足りてなくて単純にコメディとして楽しめなかった。

じゃ逆になんかしらの教訓を学べる作品なのかと言うとそういう訳でもない。

とにかく中途半端なストーリーで最後のダンスもコメディを通り越した滑稽なコントにしか見えなかった。

いやまさに滑稽な男達を描いた作品だろうからそれは正解なのかもしれないが。

てかそれより一番驚いたのはこの映画を見てなんとなくデンマークと酒に関して調べたら何歳からでも酒が飲める国だと知れた事だ(購入は16歳以上じゃないとダメらしいが)
みーる

みーるの感想・評価

4.5
What a life.暫定今年ベスト。
血中のアルコール濃度を一定に保つとパフォーマンス上がるってことで、実際にトライすると良い影響がたくさん出てきて…と飲酒最高!みたいなノリで突っ走るのかと思ってたら、全然違う、人生をしっかり描いた作品でした。
良いことも上手くいかないことも、アルコールがあっても無くても、全部引っくるめて人生なんだと改めて気付かされる良作でした。
マッツの主演作品は初めて観ましたが、脇で光るタイプかと思いきや、センターにいても輝いててお上手だった。
踊るマッツも観れます。
sonozy

sonozyの感想・評価

4.0
祝! アカデミー賞: 国際長編映画賞

デンマークのトマス・ヴィンターベア監督作。
原題/英題『Druk(暴飲/酩酊)/ Another Round(もう一杯)』ということで、飲酒がテーマになってます。

湖一周ビール飲み競争〜電車内でもビールで盛り上がっちゃってる高校生たち。
そんな高校の4人の中年教師、歴史のマーティン(マッツ・ミケルセン)、体育のトミー、音楽のピーター、心理学のニコライは、やる気のない生徒たち相手に指導意欲も失せている。

マーティンは集まった親御さんたちに囲まれ、あなたでは進学に不安であると責められたり、家庭でも妻と二人の子供との関係もうまくいっておらず、うつ状態。

ニコライの40歳の誕生日でレストランに集まった4人。ニコライが面白い話をし始める。
ノルウェーの心理学者Finn Skårderudが「人間は血中アルコール濃度(BAC)が0.05%低すぎる状態で生まれているので、0.05%のBACを保てば精神的に良い効果が生まれる」と提唱したと。

翌日、学校に着いたマーティンの話の真偽を確かめるべく、トイレの個室でカバンからウォッカを出して一口飲み授業へ。すると、いつになく気力に満ちた授業が出来、生徒の表情にも変化が。

その話を聞いた3人も盛り上がり、4人で実験を開始。
酒の入ったマグボトルを持参し、アルコールチェッカーで時々チェックしつつ授業中にもクイっと一口。BAC 0.05%キープで授業をすると、教師たちにも生徒たちにも大きな変化が見られ、マーティンは家族の絆も取り戻していくのだが....

撮影が始まって4日後に監督の娘さんIda(マーティンの娘役で出演する予定だった)が交通事故死するという悲しい事態で一度は製作断念しかけたところを、周囲のサポートで完成にこぎつけたそう。

BAC 0.05%理論というのを持ってきて、飲酒の功罪について面白く仕立てた作品でした。
哀愁漂う渋いマッツ・ミケルセン。ジャズバレエ?のダンスも見せてくれます。
Inori

Inoriの感想・評価

3.6
アカデミー賞授賞式で監督が言っていたように、この映画はcelebration of life、人生色々あるよね、と悲しみの中にも人生を喜ぶ映画であった。最初の方は「なんだただの呑み助推奨映画なのか」と不安になったものの、後半からの方向転換がいよいよ映画の本質に迫っていく。

人生の途中、若さを失い毎日が色褪せ、こんな風な人生を送るつもりになかったのになぁと心の中に気持ち悪さは経験する人も多いと思う。デンマークの平和な感じや美しい街並みを見ていると、どんなに平和な暮らしでも人々は心に不満を持つ生き物なんだなぁと、人間が持つ逃げられない生きるしんどさみたいなのを感じた。

そもそも、日々の暮らしがアルコール飲むだけで向上するわけなくて、生き辛さというものはもっと根深いものなのだ。それは生きていく限り続くし、その中で小さな幸せや忘れてしまうような喜びなんかを拾って集めて生きていくしかないのである。

最後は悲しいんだけど嬉しいという不思議な気持ちで観終わることができる人生讃歌映画だった。明日もがんばろう。
マッツが美しいです。はい。
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