独裁者とクリスマスプレゼントの作品情報・感想・評価

独裁者とクリスマスプレゼント2018年製作の映画)

The Christmas Gift

製作国:

上映時間:23分

3.3

あらすじ

「独裁者とクリスマスプレゼント」に投稿された感想・評価

牛猫

牛猫の感想・評価

3.0
社会主義体制下のルーマニアで、父親のために幼い子どもが出した一通の手紙を巡る一夜の騒動を描いた話。

ルーマニアがつい最近まで社会主義国家とは知らなかったし、ルーマニア革命という出来事も初耳だった。10日間ほどクーデターが続いてクリスマスに政権が打倒されるとは、なんともドラマチックだ。

前半は強面の父親と純真無垢な子どものやりとりが可愛いくて微笑ましいと思いながら観ていたけど、問題となる手紙の内容がヘビーすぎて雰囲気がガラッと変わった。怒鳴るのは良くないけど、下手したら命に関わることだからあそこまで取り乱すのも無理はない。第二次世界対戦下のドイツやソ連でヒトラーやスターリンを批判するようなものだと考えると洒落にならないヤバさが伝わってくる。

途中訪ねてくるご近所さんやかかってくる電話にハラハラしたけど、最後は呆気なかった。
コミカルな音楽に乗せて実際の映像で締め括るラストに監督の遊び心が表れている。

国や情勢に関係なく言いたいことを気ままに言える、健全な世の中になってほしいと思った。

このレビューはネタバレを含みます

どんどん余裕がなくなって折角のプレゼントも叩き壊して子どもに怒鳴り散らす父親が印象的だった

大人側の視点で見てしまったから頑なに手紙を書き直さない息子に苛立ったけど、子どもは全然悪くない
ポストに洗剤を流し込む姿が滑稽
大の大人がそんなことを必死でやらざるを得ない独裁国家に恐怖を感じた
霖雨

霖雨の感想・評価

3.3
ルーマニア革命真っ只中

家で親の言ってることを7歳の子どもが悪気なく喋ったり書いたりしてしまうのは仕方ない。今回はその内容が危険すぎただけでよくあること。だからこそ子どもの前での会話は気をつけないといけないとずっと思ってる。

手紙を無理矢理書き直させようとする前にできるだけ説明してあげるべきなのでは。命に関わるかもしれない話なんだし。

手前ってどこから見て?
航

航の感想・評価

3.0
社会主義体制下の、クリスマスの話。子供が無邪気にサンタへの手紙を出すが、その内容はかなりヤバい。父のために独裁者を殺してください。子ども子ども手紙をきっかけに、投獄されるんじゃないか、と父。
不安が頭を離れない。社会主義体制下(独裁国家)の暮らしは想像するしかできないが、緊迫感を増していく展開に目が離せませんでした。

2021年38本目
nana

nanaの感想・評価

3.5

ルーマニア発23分のショートフィルム

1982年12月20日、血の粛清から数日後のルーマニアが舞台。

疑心暗鬼は日常。
自由が無く人々は貧しい。


“パパのために”

父親を思う息子の純粋な気持ち🤗
楽しいはずのクリスマス🎄が😱

サンタさんってこの家族にはなんだったんだろう?

そもそも子供の会話も普通じゃない。

独裁国家ならではの恐怖。
自由に家庭の中でも思った事が話せない国。

息子の行いにどんどん早口になっていく父親がリアルで緊迫感にヒリヒリする。

この時代のこの国では「死」という言葉の認識が異なる。

終始サスペンスのような雰囲気のショートフィルム
こ

この感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

子供の前でこいつ死ねとか言う方が悪いんだけど時代背景もあるんだろうし、おじさん死ねとか書けないっていう子供も悪気ないしもう少し危険を説明したれよと思うけどそれでも、
手紙書き直せクソガキ!!ってこっちも焦ってしまったな。
みゅー

みゅーの感想・評価

3.5
最近ブリリアさんの短編全然観れてなかった…ということで配信中の作品を一気見しようの会。


クリスマスの夜に起きたとある出来事を描いていて、ルーマニア🇷🇴の政治的背景を知っているとより理解できる作品。

子どもの純粋な親を思う気持ちによって引き起こされ、両親は酷く脅え慌てる。
命の危険すらあるわけだから父親の気持ちも分からなくはない。
でも子どもが可哀想で可哀想で。
結局のところこの家族は何も悪くないから、それも含めてやるせない気持ちになった。


この作品はブリリアさんのショートフィルム紹介企画で実は配信前に観ていた作品。
レビュー忘れてたのと配信期限あと2日だったのでせっかくということで再鑑賞。
pukupukupu

pukupukupuの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

・悪気はない息子だが、父親がサンタへの手紙を書き直せと言っているのに、子供ながらの正義感からか頑なに拒否し続けるのがムカつく。父親が捕まってもいいのかと思った。奥さんも意外と冷静だった。
・怒り慌てる父親に同情できた。クリスマス前の家族団らんの感じから突然喧嘩に変わるような様子がリアリティある流れで良かった。息子が手紙を入れたポストが家と学校のどちらから見て手前だったか不安で寝付けない気持ちも分かる気がした。
・手持ちのカメラワークや編集のおかげで臨場感があった。最後の映像も迫力があった。
Ken

Kenの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

日本じゃこんな事考えられないよね。昔はもちろんのこと、今もこう言う事が当たり前のように起きてる国があると思うと怖い。日本で暮らせてる事は本当に幸せだと思う。こう言う映画は、自分の視野を広げる(常識を壊す)為にも、1人でも多くの人に観てもらいたい。

筆箱壊すのは可哀想だよー。お父さん自身もあんなに渡すのを楽しみにしてたから、余計に心が痛む。筆箱も木で出来てるから、壊れっぷりがまた激しい。。

台詞の端端から、息子とお父さんの微妙な距離感があるように感じたけど、お父さんは実の父親じゃなくて、再婚相手なのかな?冒頭のシーンでは、息子がお父さんにsirって呼びかけたり、ノートの在り方を息子に聞く時も「ガキ」って言ったり。
【「歴史が動いた日」の前日】

タイトルの「独裁者」と「クリスマスプレゼント」という相反する世界観のワードからして、僕の好物な「シュールな展開」と想像。

これは、ある意味笑うに笑えない「超絶ブラック」なコメディとも言える。
まさに「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」という一言に尽きる作品。

舞台は1989年12月20日のルーマニア。
実は日にちについては特に作中では触れられてはいないけど、クライマックスで「明日の集会には正装で集合」という伝言と、翌日の集会の模様を紹介するテレビの音声で「今日は12月21日~」と言っている事からも推察出来る。

では何故その日なのか?

それは半世紀もの間、ルーマニアを恐怖政治で支配した独裁者ニック=ニコラエ・チャウシェスク大統領の失脚の契機になった「ルーマニア革命」が起きた日こそが「12月21日」なのである。
そしてこの物語では、その前日のある家族の「クリスマスプレゼント」を巡る悲喜こもごもが「サスペンス仕立て」で描かれている。

心優しいマリウス君(7歳)は、ちょっと気難しいお父さんと優しいお母さんとの3人暮らし。
家庭自体は決して裕福とは言えなくても、彼は大好きなお父さんとお母さんとの生活が幸せだった。
そんな家族にもうすぐ訪れる「1989年のクリスマス」。
優しいマリウス君はサンタさんにお手紙を書いて願いを伝える。
「僕は機関車のおもちゃが欲しいです。お母さんには新しいバッグを下さい。そしてお父さんには・・・」

マリウス君はお父さんが一番欲しいものをサンタさんにお願いした。

それは『独裁者の死』。

恐らくお父さんが恐怖政治に怯えながら、夜な夜な奥さんと「もうこんな生活・・・」と愚痴っていただろう事は想像できる。そしてマリウス君は純粋にそれを「お父さんの願い」と信じていたという事も。

そして、しっかり者のマリウス君。
7歳になって行動範囲も広がって自分で町のポストまで一人で行って投函出来るようになってたのね~。
「や~こんなに大きくなってぇ・・・」と目を細めている場合ではない。
何故なら「指導者の死」を望むことは『反体制思想の持ち主』に認定され一生投獄の身を意味するのである。

クリスマス前の幸せな雰囲気だった家族を一瞬にして絶望が襲う。
マリウス君は悪いことをしたわけではないのに、お父さんは激おこ状態。

「書いたのか?本当に書いたのか?何て書いたんだ?正確に教えてみろ!このクソがき!」
正気が保てなくてどんどん口調が荒くなる父さん。

考えてみれば、子供の頃のクリスマスって、ある意味誕生日よりも待ち遠しかった気がする。
自分だけの誕生日と違って、世界中がキラキラと飾り付けられてみんなが平等に幸せを感じられる特別な時間のような感覚。
だからこそマリウス君もささやかながらも両親に喜んで欲しい一心で願い事を書いたんだけど、それがよりによって・・・っていうね。


そしてクライマックス。
翌12月21日の朝8時から始まる「チャウシェスク大統領を称賛する集会」に(強制的に)参加するお父さん。
(もしかしたら、政治警察にあのことがバレたんじゃ・・・)
内心、気が気ではない。

しかし、突如数万人がひしめく集会場に響き渡る爆発音。
まさに、これこそが「ルーマニア革命」が蜂起する歴史的瞬間であった。

物語の殆どが「自宅」の中でレジスタンスのように隠れながら撮影され、カメラもあえて固定せずに手で持ったままブレと一緒に残すことで、臨場感や焦燥感がビシビシ伝わる。

そしてそこから翌日の集会の映像は当時の本物の映像を使い、家族の小さな秘め事が壮大に成就するというスケールのデカいオチに繋がっていく。

それまで暗い部屋の中で繰り広げられていたじりじりとした展開とはうって変わって、革命に突入していくルーマニアの混沌とした映像をポップな音楽が盛り上げる。
殺伐とした映像とは裏腹に、ルーマニア国民が自由の為に戦って勝利した「記念すべき日」の記録。
ここに実際の映像を使ってオチにするというセンスがモンティパイソンっぽくて好き。

映像には映らなかったけど、お父さんが事実を知った瞬間に膝から崩れ落ちて泣いているシーンが眼に浮かぶ。

もしかしたら、サンタさんはマリウスの願いをちゃんと聞いてくれたのかな?
そんな洒落すらも感じさせるエンディングでした。



余談。

何故この作品で「12月21日」の背景が直ぐにピンと来たのか?

僕自身、そこまで歴史に強いわけでもないんですが、実はこれまたサッカー繋がりで、当時のルーマニアサッカー代表に「ゲオルゲ・ハジ」という名選手がおりまして、彼は左足を駆使するテクニシャンだったこともあって、その頃は「東欧のマラドーナ」と呼ばれ一目置かれていました。
1989年頃はまさに彼が世界へ羽ばたく直前で、翌年の90年W杯や94年W杯でのルーマニアの躍進は彼なくしては語れないくらいのスター選手で、僕も結構好きでした。

そんな彼らが「W杯に出られないかもしれない」という噂が流れて、それがこの悪名高き「チャウシェスク大統領の恐怖政治」の影響だったんですね。

結果的には革命が起きて奇跡的に彼らは世界に羽ばたくことができた。

なので「ルーマニア」「1989年」「12月」というのは、サッカーファンとしても記憶に残るワードでもありました。
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