小さな同志の作品情報・感想・評価

小さな同志2018年製作の映画)

Seltsimees laps/The Little Comrade

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

3.7

「小さな同志」に投稿された感想・評価

KiisuNeko

KiisuNekoの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

実際はどうだったのか…。

初めてエストニアの映画を鑑賞。
当時のエストニア人がどの様にソ連占領下で生き延びていたかを知ることができた。

エストニアの国歌を教えていたというだけで逮捕されてしまう時代で、ひどい!と思う反面、わりとマイルドな描写だったので、実際はこんなもんじゃなかったのではないか…と深読みをした…。

描ききれない残虐行為とかもあったんじゃないかな…と思うと敢えてそれをたくさん出さない所にエストニア人の控えめな国民性かな?と思った。

家族愛と当時の無力感を知ることができるので1度は見ることをお勧めする。
(『修道士は沈黙する』の所で少し触れた。少女・元メダリストランナーの教師の父、その親族、限られた視点から、’50年代の小国の民の誇り・愛を捨てぬ、無力も懸命な日常が、じつに柔らかくおっとりも正確なトーンで描かれてゆき、支配民族の当人たちにとっては当然・何気のことば・判断に、他者に対して持ってはならぬ過剰な力を手にしてる者の傲慢さ、対する者にとってはその存在を否定されるそら恐ろしいまでの恐怖・理不尽の有り様・事実を、実体として感じさせ・教えてくれる、あくまで穏やか静か・拡げぬも(視界下の不穏に)真にゾッとさせるものをあり得べく描ききった秀作~少女は無邪気から意識が徐々に生まれ育ってく、これも無知な観客にぴったり寄り添ったメジャーとなる、そして自伝の厳かみを伝えくる~。あのラストの家族の真の感触は、ハリウッド映画や大国の映画では決して?見られないもの。「住民にも信頼篤い君を、学年主任に引き上げたい。しかし、ふたつ、ひっかかる。ひとつは君が共産党員でないこと。もうひとつは、釈放の見込みもない奥さんのこと。離婚したまえ、そうしないと教職そのものを失うことに。」「・・・・・断ります。妻は必ず潔白が明かされる、待ち続けてやります。」)
kyoko

kyokoの感想・評価

3.7
スターリン政権による恐怖体制下にあり、内務人民委員部(のちのKGB)による不当な逮捕が横行していた1950年代初頭のエストニア。
当時6歳だったレーロ・トゥンガルの手記を元に描かれている。

大きな家から引っ越してきた家はオンボロ。あんなに大きなおうちに住んでたのにどうして? パパがオリンピックで獲ったメダルをクマにかけてあげてたら、メダルのことは誰にも言っちゃダメだと叱られた。みんなに自慢したいのにどうして? あるときパパとママのお友達のおじさんが現れて、ママを連れていってしまった。お友達なのにどうして?
でもいい子にしてたらママはすぐに帰ってくるって。でもママは一向に帰ってこない。どうして? 私が悪い子だから?
入学式までには帰ってくるって言ってたのに、パパの嘘つき!

6歳の子に、エストニアが置かれている状況が理解できるわけもなく、彼女の無邪気さにクスリとしたりヒヤヒヤしたり。
ワンコはたぶんレーロより10倍賢い。ワンコ、レーロのそばを離れちゃダメ!

見たこと感じたこと知ってることをただ素直に話しただけなのに、大人は気まずげに口を濁す。憧れていた少年団にも入れない。
どうやら自分が見ていた世界は信じていたものと違うらしいと気づいたとき、彼女から少しだけ子どもらしさが消えてしまった。レーロの戸惑いと憤りを表した演技がお見事。
そしてラストのはにかんだ笑顔にホッ。

撮影は「みかんの丘」のレイン・コトヴ。
May

Mayの感想・評価

3.8
EU FILM DAYS 2019にて。
スターリン体制下の1950年代初頭のエストニアが舞台。6歳の少女レーロの目線で描かれた作品。母親が逮捕されレーロの世界は変わって行く。
レーロの回顧録に基づいた作品。
hibiya1975

hibiya1975の感想・評価

3.0
国立映画アーカイヴ EUフィルムデーズ2019

1950年スターリン下のエストニア、反政府容疑で収容所に送られた母親の何時とも知れない帰りを待つ少女と父親の葛藤を描く実話ベース作品。

作品一貫して少女の視線から描かれるその潔さよ。純粋無垢な瞳に物語ラストになって初めて宿る「疑い」の眼差しが太陽の光ほどの鋭さを放つ。ここが全てを象徴していた。

子役さんの芝居っぷりが全て。
良いものを観た。
EUフィルムデーズ2019にて。

1950年ロシア統治下でスターリンの弾圧を受けるエストニア。
自由へのあらゆる思想を禁じられる人々の中に生まれる恐怖を、天真爛漫な少女レーロの視点で描いた伝記映画。

突然、母が反逆罪で連行されロシア人への憎しみを口にする家族達や保身の為に密告をする身近な人を目の当たりにして、口を滑らさないかハラハラするほど無邪気だったレーロの瞳が徐々に曇っていく。

子供が抱く未だ見ぬ世界や上の世代への憧れが、不条理な世界と大人への不信感で塗り潰されていく様がとても苦しかった。

娘の為に抑え続けた感情を娘を護る為に自身の中で爆発させた父親が、トラックを走り回るシーン、そんな些細な事が生きる喜びに繋がる悲しい時代の断片的な映画。

繊細な表情をアップで捉える緊張感と時折、差し込まれる景観の柔らかさが印象的だ。
erigio73

erigio73の感想・評価

3.8
ロシアに統治されてスターリンの圧政を受けていた時代の話。エストニアの旗や国歌も禁止され、幼い子供は無邪気にピオネールになりたがる。エストニアで一緒に成長した友達はロシアの手先となって友人を密告し連行する。エストニア人はこっそり集まってエストニア語の歌を歌う。そういう時代の物語だ。
天真爛漫で大人の秘密も平気でばらす子供だったレーロが、徐々に人の顔色を窺うようになり、観客の不安は胸をなでおろす方向に解消される。初めはピオネールの歌が好きだが、後半エストニア人の大人の中で二羽の可愛いワシの歌(実はレーニンとスターリンを揶揄する歌)を歌ってみせていた。母親に会った時のぎこちなさが、子どもから少女になったレーロの、しんどかった5年間の結実ということなのだろう。なんとなく感動の再会を期待してたがそれは甘過ぎた。
エストニアの悲しい歴史
赤軍もスターリンも権力握ると
個の自由を奪い抑圧する。
醜悪な暴力性はファシズム同様
形式美に引き寄せる連帯感と支配。
少女の瞳に映ったそのおぞましい姿を
眼に焼き付け忘れてはいけない。
akekokko

akekokkoの感想・評価

3.7
EUフィルムデーズ【小さな同志🇪🇪】
仕事休んでまでも観たかった映画。
スターリン政権下、エストニアにも圧力がかかり、共産主義を強いられ、それに反するものは苦しい思いをさせられていたんですね。無邪気な少女レーロが母と引き離され、ソ連の弾圧や、周りの大人たちに対する不信感さを感じながら暗く表情が変わっていくのは観ていて痛々しかった。
父がスポーツで獲得したメダルを、ソ連人に見つからないようにと、ポケットの中で握りしめ、隠し守り通したシーンが印象的。
後、レーロが自分で選んだ"今日着る服"のセンスがなんともお茶目で可愛かった。
おにこ

おにこの感想・評価

3.8
当時のエストニアとロシアの関係を理解して観ていたら、もっと楽しめたはず。

パパンが、おさえていた感情を解き放ってトラックをぐるぐる走るシーンが好きだった。

家事を終えて、窓際で物思いにふけているレーロの横顔、とても幼女に思えぬ哀愁が漂ってて美しい…と思った。
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