春を待つ人々の作品情報・感想・評価

春を待つ人々1959年製作の映画)

製作国:

上映時間:99分

3.2

「春を待つ人々」に投稿された感想・評価

三四郎

三四郎の感想・評価

3.4
目が澄んでる だから心も綺麗だ
この映画は佐田啓二が素晴らしかった。家族の皆をしっかりと見つめ受けとめ…理解力のある男性として描かれている。彼がいなければこの映画も成り立たぬし、この家族もてんでばらばらになっていただろう。政治、知人、親戚、家族…それぞれにそれぞれの欲得で動いており、人間の愚かさが描かれている。それを皮肉としてスクリーンに映してはいるが、それに対していちいち説教するわけでもなく、それが人間社会だとしている。

回想シーンは白黒映画となる!これはカラー映画の時代を迎えたからできることだ!記憶の中はモノクロ、哀しき過去はモノクロ…。
「あたし今夜帰らないつもりで来たの
結婚する前に せめてあなたと 想い出残したかったの…」
いいなぁ、お嬢さんはこうでなければ!吉田拓郎の「となりの町のお嬢さん」…とは違うが、ある意味わがままなのには変わりない。
結婚前の有馬稲子の髪はロング、それが結婚後、未練を断ち切ったかのようにショートになっている、そう考察できないだろうか?
滝シーンも素敵だ、絵になる。滝でなにもかも洗い流そうとしている。
「あたし今罰を受けてるのね あなたの」

この映画に蛇足があるとすれば、若い世代のアクションシーン。戦後、60年代前後からの日本映画は必ず若者たちのアクションシーンと濡れ場がある…。キスシーンはまだ許せるが、感情の爆発や世の中への鬱憤を若者たちが体全体を使って表現するのは…わかるが、わざわざ観客に見せなくともいいだろう。傷だらけがかっこいい時代なのか。