妻として女としての作品情報・感想・評価

「妻として女として」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

女性映画の決定版といわれている名作。
成瀬巳喜男監督の中でも、配信やソフト化されていないものなので偶然劇場で観ることができてよかったー!

話の内容は妾vs本妻、建築家で大学教授の森雅之には、正妻の淡島千景と愛人の高峰秀子がいて、その三角関係はとあることを理由に20年近く続いている…というしょうもない設定。

女が自己主張を始めた途端「このままでいいじゃないか」としれっと言う男。
とうとう迎える修羅場。男はただオロオロする。
肝心な時に濁したりするのは男性特有なものなのか…そういうところが私、男性の色気ってやつだと最近気づきましたよ(目覚めましたよ)

でも、煮え切らない男の権化のような森雅之が、不思議とグッと引き込まれる魅力ある男性かと思いきや、終盤萎れていくんです。これが現実。私が惹かれる男性の色気ってのは花みたいなもので、ずっと見てはいられないんですねえ。俳優としての演技はもちろん素晴らしい。

冒頭で息子くんが大声で歌うシーンが後半に生きたり、修羅場のまなざしを追いかけるカット割りはさすが成瀬巳喜男でした。

終わりまで見入ってしまった、また見たい映画なので経年劣化はこれ以上しませんように!
ハチャメチャになっちゃっている状態

高峰・森に、淡島・仲代という組み合わせ(中村、藤間もうれしい)
星・弟や、大学生など、現代的家庭、ヤングの描写
ファニーめな音楽
陰鬱一辺倒にならぬ適度な気の抜けた質感、森(笑)な感じ特に
会話、演出のポップさユニークさ、特に回想つなぎ
などに、成瀬らしからぬ若干のモダンさ、明るさ、逆にいうと狂気少なめで、ソツない巧さを感じ、新鮮
やはり、高峰はエロかわいい
ここまでフィルム退色で赤くなったものは二度目だが、何か映写機にフィルターを噛ませるとか、マシにする技術などないのだろうか?
ついでに、今日たまたま発見したのだが、目を細めて観ると、見辛いのは当然だが、なんと色味が普通に見える。どういった理屈なのだろう?本来の色調を想像する助けになった
yuka

yukaの感想・評価

3.8
森雅之〜なんてことをしてくれたんだ〜

不満げな高峰秀子も、毅然とした淡島千景も、どうしようもない森雅之もハマり役でまあ間違いない感じの映画
mrhs

mrhsの感想・評価

3.5
ザックリ言えばショットと脚本があり、その間を埋めるものに演出があるとすると、成瀬巳喜男の映画がわかりにくいのはもっぱら演出が凄いからなのだろう(と思う。そういえば塩田明彦『映画術』の第一回で論じられていたのは成瀬の映画だった)。

つまり僕にはちょっと難しかったということなのだが…。

ちなみにエドワード・ヤンは成瀬好きなのだが、高峰秀子と良い味出してるおばあちゃんが住んでる部屋(セットだが)の場面はモロにそんな感じ。セットじゃなくて普通の家であのクオリティの映像を撮っちゃうエドワード・ヤンはやはり凄いのかもしれない。

あと何より父親が頼りない感じなのもエドワード・ヤンっぽい。
高峰秀子vs淡島千景。最初はつまんなくて泣きそうだったが、後半からどんどん面白くなった。森雅之と星由里子が家族で卓を囲んでいるときに、さらっと同じタイミングで口に物を持っていく(森はタバコ、星はコップ)のが痺れる。長男が馬鹿でかい声で歌うのも後半の展開への伏線になっていてさすが成瀬だわ〜と思った。高峰秀子が電車内の家族連れを見つめるときのあの目線!わざとらしいっちゃわざとらしいが素晴らしいことに変わりはない。ちょこちょこ過去に戻るのだが、現在と過去との切れ目を一切感じさせない編集にもビビる。
『ひき逃げ』同様ジェットコースターが出てくるが成瀬はジェットコースター好きだったのかな。最後の長男の振る舞いに泣く。
moka

mokaの感想・評価

3.9

男が300万円払えばいい

二人の子供たちが気になる

女優の演技と仕草
AS

ASの感想・評価

4.2
予想の斜め上をいく泥沼相関図。
『ひき逃げ』へと継承されていく様な高峰秀子の不安定さや何事にも動じない淡島千景の貫禄の交錯によって可視化されていく積年の愛憎、板挟みの森雅之を冷ややかに捉えるシニカルな眼差しが絶品。誰一人として幸せそうに見えない顛末もその延長線上。
第三者ポジションからグイグイ差し出口をきく淡路恵子の勇ましさに笑う

@シネマヴェーラ
な

なの感想・評価

4.5
2019年6/11 2回目の鑑賞。
渋谷シネマヴェーラ。

中盤以降に明かされる"触れてはいけない秘密"を知った上で見直すと、台詞の間やら視線の動きが色々意味ありげで……。

妾だの、家庭だの、女の生き甲斐だの、まるで自分に関係ない要素ばかりの映画なのに、何故だか大好き。
成瀬容赦なさ過ぎ。デコちゃんが気持ちのままに生きようとするのが好きだけど、行き過ぎてしまう。淡島さんの肝のすわり方は、この人なら他人の子を愛情を込めて育てられると思わせるけど、意地もあるんだろうな。
クライマックスはデコちゃんも淡島さんも鬼気迫る表情で、よくこんな役やったな。はっきりしないモリマには、劇場も失笑。

それにしても、成瀬作品では珍しく信頼できる男のことが多い?仲代が、肝心なところで「アフリカ出張です」と言い出したので、ドヒャーとなった。
そして二号さん軍団の迫力!

「没後50年 名匠・成瀬巳喜男 戦後名作選」@新文芸坐
おばあちゃんと高峰秀子の掛け合いがすき。

今までみたいちばんフィルムが退色してる映画は文芸坐でみた「狙撃」だったけど、これもいい勝負かもしれない。赤い。
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