国民の選択の作品情報・感想・評価

「国民の選択」に投稿された感想・評価

6060

6060の感想・評価

3.5
映画には危機の本質を抉り、
人を動かす力があるはず。
こんな緩い正攻法では、
日本人の権力忖度は不変。
Dick

Dickの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

●作品概要(公式サイト):
我が国観測史上最大の被害をもたらした東日本大震災を原因とする福島第一原子力発電所の事故から今年の3月でちょうど10年。日本国内はもちろん、世界でも最悪レベルの原発事故にも関わらず、今なお日本では原子力発電所の再稼働を試みる動きがある。あの悲劇が繰り返されないために自分達で学び、考え、発言していく足がかりになるべく、なぜ日本に多くの原発が出来たのか、日本の原発の歴史、原発の構造などを伝えることをテーマに本作品が企画された。この難しいテーマに挑んだのは、日本大学芸術学部映画学科講師を務めながら、2014年に自身の体験をもとに共依存をテーマとした映画『共に歩く』で長編映画劇場デビュー後、2016年には「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」などの憲法9条をテーマにした映画『第九条』が話題となり、今なお各地の劇場で上映されている社会派監督、宮本正樹がメガホンをとった。キャストには、主演にテレビ朝日「魔進戦隊キラメイジャー」(20)のキラメイブルー役で注目を集める若手俳優、水石亜飛夢。テレビ朝日系「超人機メタルダー」(87)の主人公である剣流星(メタルダー)役で知られ、今では舞台を中心に活躍している、妹尾青洸。日本テレビドラマ「俺のスカート、どこ行った」(19)やAbemaTV「オオカミくんには騙されない」(20)にも出演し、話題となった若手女優、松永有紗らが出演、他にも主に舞台で活躍する個性派俳優のみょんふぁ、南圭介が脇を固める。

❶相性:良好。

➋舞台は20XX年、近未来の日本の、とある原発の町。
①国会で原発に反対する議員たちから原発を禁止する憲法案が発議され、国会議員三分の二以上の賛成により、「国民投票」の実施が決定した。
★凄い。夢のような話だ。
②原発警備員として働いている主人公・高橋敦の一家は、引退した祖父、有力町会議員の父、母、そして大学生の妹の5人家族。
③父は、家族会議を開き、原発賛成に投票するように指示する。この町は原発に依存しないと生きていけないのだ。この時の家族の立場は賛成4、保留1:祖父は容認(賛成)、父母と敦は賛成、妹は状況を知らないのでこれから調べると保留。
④妹は、親しい同級生に相談し、先輩に教えを乞う。その結果、電力会社と政府の言っていることは事実と異なることを知る。
⑤敦は、婚約者から妊娠したことを告げられる。婚約者は、生まれてくる子の為にも、反対して欲しいと頼む。
⑥町で「再生可能エネルギーの有効利用を考える会」が開かれ、母は敦を誘って参加する。そこで、発電には原子力以外に、石炭・石油・天然ガス・風力・太陽光・地熱・バイオマス等々、色んな方法があり、原子力がベストではないことを学ぶ。上記④と同様である。政府や電力会社が挙げている化石燃料枯渇問題や地球温暖化問題は解決可能で、それよりも、福島第一原子力発電所のメルトダウン事故に代表される放射線のリスクの方が重大な問題であることを認識する。
⑦有力町会議員である父の考えは明確である。地域振興と雇用維持のためには原発が必要不可欠であり、放射線のリスクは怖いが、止む無しとみなすものである。
⑧敦は、ネットで調べたり、原発に詳しい職場の先輩の話を聞いて、情報を分析し、自分の答えを出す。
ⓐ上記⑦の理由は理解する。しかし、未来を担う子供たちに放射線のリスクを負わせるわけにはいかない。
ⓑ原発の安全神話は、人がミスをしないことを前提にしている。
ⓒしかし、人は必ずミスをする。危険を想定する過程でのミス、実際に事故が起きた時の対処ミス等々のミスをゼロにすることは不可能である。
ⓓそれに加えて、地震大国である日本の自然災害や、テロ等の危険が山積している。
ⓔこれ等を科学的に考慮すれば、日本では原発が不適であることは明らかである。
⑨そして、2回目の家族会議。途中から婚約者も加わり、活発な議論が繰り広げられる。初回は反対がゼロだったのに、今回は、父以外の全員が反対となった。
⑩その父も、婚約者の胎児が動くお腹に触れて悟るのである。「人の命に勝るものはない」と。
★人は時に間違った決断をする。それに気付いた時、勇気を持って是正するのが人の義務である。そうしないと一生後悔するだろう。

❸そして、国民投票・・・・結果は原発反対派の勝利。
★日本では100年経っても叶わない「見果てぬ夢」だが、気分は良い。そんな日が来ることを願わずにはいられない。

❹まとめ
①曲解すれば、原発反対のプロパガンダと言えなくもないが、それで良いと思う。
②何十年に渡り推進してきている、「原子力 明るい未来のエネルギー」に代表される国、電力会社、御用学者、一部マスコミのプロパガンダに比べれば大人しいものだ。
③本作の映画としての完成度は高いとは言えないが、こういう問題を提起し、考える場を生み出したことに意義がある。
④今の日本において、このような作品を世に出した作り手の意欲と実行力を評価したい。敬意を表したい。

❺外部評価
①KINENOTE:3人の加重平均値60点/100点
②Filmarks:27人の加重平均値3.4/5.0
Ton

Tonの感想・評価

3.7
原発の知らない事が沢山あった
ゴミ問題は切実だと思う
私は原発は反対派です
家にエネファームが有ります
クズリ

クズリの感想・評価

3.4
キラメイジャーの水石亜飛夢くんの舞台挨拶があるとのことで見た作品。恐れていた説教臭さはない。いろんなデータを出して日本のエネルギー事情が説明される。知らなかった話も多い。演者の方々も地上波で放送されるにはハードルのある作品に出ることを決断したことを称えたい。
感情論ではないところで訴えるのは大変だったろう。だけどエンドロールに出てくる参考文献がちょっとアレだったので、こりゃ鵜呑みにはできんぞとも思った。地球温暖化をあっさりデマと言われてしまうとQアノンかと眉に唾をつけたくなる。
水石亜飛夢くん演じる主人公の役どころが一番一般的な人に近いので、この彼がどういう風に学んであの結論に至ったかを描いてくれるともっと考えることができたかなと。演者の方々は個々で学んで演じたようだが、普通に生活している人にとって調べるというのが面倒なところなんだもの。本当はちゃんと知っておかなきゃいけないことはあるけれども日々の生活が大変でそこまで手が回らない。簡単に手が届くところにあるのは陰謀論や政府からの明るい未来論と極端なものばかり。そうこうしているうちにいろんなことは利権で動いていくわけで。この映画の先は父親にはいばらの道が待っている気がするがそこまでは描かれない。
ところでこの監督、主役を水石亜飛夢くんにするにあたって、名前ってのも関係しているのだろうか。なにせアトムだし。
原発可否論を盛り上げるにはHBOのドラマ「チェルノブイリ」を地上波で流すことだと思っているが、まずはこういう作品が地上波で放映されるところかなと。
Yoshmon

Yoshmonの感想・評価

3.8
教育テレビだからという理由で、イマイチな評価になっている作品。

それはエンターテイメントととしての映画鑑賞を期待してれば、ハズレだと思う。

ただ一種のドキュメンタリーと同様、情報のインプットに重きを置けば、無駄な時間の使い方には決してならない。

原発賛成か、反対か。
国民投票をすることとなったと仮定して、
原発という産業により雇用が生み出され、
原発により財政面でも支えられてきた地域と、そこに生きる人たち。
彼らの原発に直接的に影響を受ける立場から
考え、協議して、自分なりの答えを出していく一部始終。

客観的事実をいくつか新しく知れたことはよかったけれど、作中で出てきた情報の全てを鵜呑みにして良いかというとそうでもない。

また視点が賛成反対どちらにせよ安全面に偏りすぎていて、昨今の脱炭素の潮流に乗れてなかったのは残念。

石油やガスといった地球に眠る資源は実はまだ数百年、数千年分眠っていることが分かってきている。という脱原発を支持するための論調が何度かインパクトを残していた。

多角的に考えることの大切さを学びつつ、もっと包括的・多面的な視点を取り込めていればもっと良かった。
深緑

深緑の感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

印象論の域を出ない浅い知識しか持ち合わせてない自分には知る事が多くて大変ためになる作品であった。

ごく真っ当な一つの結論に本作は着地をするわけだが、その過程に偏向している印象は無く、あらゆる立場の人間の意見にそれなりの説得力を持たせていたように感じられる。

そして、「真っ当」の形が何十年のスパンで更新されていくという事にもちゃんと触れていたのが好印象(今後はそのスパンもどんどん短くなるかもしれませんね)。

ちょっとどうかと思うくらい説明的かつ優等生的だったけど、「映像作品としての評価より事実を知ってもらう事を最優先」っていう監督のマインドがビンビンに伝わってきたので、自分にとってはそれはギフトでしかなかった。

願わくば興味・関心の対象にしか届かない映画ではなく、出会い頭の衝突が期待されるテレビでこういうのを盛んにやって欲しい。スポンサーより世論が勝つ時代なんだから。
 原子力発電所を題材にした映画はいくつか鑑賞した。最近観たのは邦画「太陽の蓋」とスイス映画の「地球で最も安全な場所を探して」である。前者は東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故当時の様子を首相官邸のシーンを中心に、原発事故の前に如何に人間が無力であるかを描いていた。タイトルの「太陽の蓋」は、原子炉を同じように原子力で燃えている太陽に見立て、太陽に蓋など出来っこないという意味だと思う。後者は原発推進派のひとりの学者にフィーチャーして、原子力発電によって発生する高レベル放射性廃棄物の処理について、原発のあるすべての国が困っている様子を描いていた。
 原子力発電は稼働時の安全性の問題の他に、核のゴミの安全な捨て場所について、問題の解決ができていない。遠い将来には鉄腕アトムのように超小型化した原子炉を搭載して自由自在に動けて強力なパワーを発揮するようなロボットも誕生するかもしれないが、現時点では原子力発電のメリットとデメリットを比較すると、デメリットのほうが大きいように思える。
 本作品は何かの講習会の際に見せられるビデオみたいな作品で、ドラマ仕立てだから完結するために国民投票の結果のシーンがあるが、観客に同意を促すものではない。原発賛成派も反対派も、未来に結論を先送りするという点では同じだ。しかし既に生み出されている核のゴミの問題が解決されていない以上、高レベル放射性廃棄物を生み出し続けるべきでないのは、人類共通の結論になるのではないかと思う。「地球で最も安全な場所を探して」の原発推進派の学者もそれを認めていた。
 原発推進派の人の中には、自動車が危険だからといって自動車を廃止するかといった議論をする人がいるが、自動車を原発に擬えるのは無理がある。自動車を廃止するメリットよりも自動車を使うメリットの方がずっと大きい。自動車は排気ガスを出すが、石油の生成技術や自動車自体の改良で、いまでは排気ガスの有害性が極端に少なくなった。しかし原発は生身の人間が近寄ることが出来ない危険なゴミを出し続けている。
 廃炉には巨額の経費がかかる上に、廃炉そのものは何の利益も生み出さない。原子力ムラの人々が廃炉を嫌うのも当然だ。だからといって稼働をすれば核のゴミを出し続けるから、ゴミの処分問題が解決するまでは稼働はありえないはずだ。しかし実際には日本の原発は8基ほど稼働している。何を考えているのだろうか。
Eテレを観てるより
原発や資源、エネルギーの事が勉強になる。
学校で観るような情報てんこ盛りだけど
そこにはエゴがない。そこは観やすい。

この手はマスターベーションムービーが多いが
これだけの情報投げつけムービーなのに
面白かったのは何か?

この家族は原発賛成と反対の議論を終日交わしている。
たった1票の投票についてだ。
例えばこの話が福島県だとしたら1/1,848,000票の話。
1票の重さも大切だけど
それはもう「私達の決定で国は動く」くらいの勢い。

だからこの映画を
“勉強になるカルト映画”
的な観方をすれば確実に楽しい。
私はたまたまそう言う観方になったので
楽しかった(^ω^)

そしてなにより!!!
松永有紗(元 佐藤ありさ)の
上手さと可愛さが素晴らしい!!!
Yuri

Yuriの感想・評価

2.3
自動車教習所で見せられるドラマ的テイスト
考える機会としてはいいけど、映画としては...
題材的に説明台詞ばかりになってしまうのは仕方ない。水石さんの立ち位置はいちばんお客さん目線で、長台詞も説明台詞も多かったけれど、感情が要所要所にのっていてとても良かった。

水石亜飛夢さん宮本監督トークイベントあり
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