アスファルト・ジャングルの作品情報・感想・評価

「アスファルト・ジャングル」に投稿された感想・評価

giri

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4.0
寄せ集めのチームで大窃盗を企て実行していく過程が楽しい。だけど後半に向かって歯車は狂っていく。
最初から最後まで目が離せない。いつのまにかしょうもない悪党達を応援していた。
これを観て思ったのは、フィルムノワールに制作年の古さは関係ないという事😳
ただ、後のメルヴィルや他監督に与えた影響の大きさをひしひしと感じました。
特にメルヴィル、オープニングのシーンは「リスボン特急」犯人候補探しは「サムライ」チームを作って行く過程などがかなり色濃く影響していました。(ニトログリセリンの出て来る『恐怖の報酬』は53年)

金庫破りのプロ、ルイが結局はニトログリセリンを使い力ずくで金庫を開けるシーンにエッ!?と驚くも束の間、当然警報が鳴りパトカーが来るのですが、、

完璧と思われていた計画も不運により崩れ去り、破滅に向かう古典的な筋でしたが、その人それぞれのジ・エンド!!弱さを描いた所が何とも言えませんでした。
LaserCats

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4.0
強盗計画を企んだ人たちを描いた作品。仲間を集めて盗みを働くただの楽しい映画にするのではなく、人間の弱さとかを描いてるところが興味深かった。ある意味相応しい結末というか。
チョイ役でもマリリン・モンローは存在感抜群だが、ジーン・ヘイゲンもよかった。
いやぁ~、こういうフィルム・ノワール、大好き!
ジョン・ヒューストン監督、スターリング・ヘイドン主演の傑作。
マリリン・モンローも出て来てビックリ(笑)

物語は、刑務所から出所してきたドックという強盗犯罪歴多数のベテラン?が、大金ゲットできる案を持って、街の大物フィクサー(弁護士兼ノミ屋)を訪ねてくる。
その宝石強奪案を持ちかけられた男は、強奪計画を一緒に練り始める。そこにガード役としてディックス(スターリング・ヘイドン)も一味となっていく。
そして、宝石強奪が実行されて上手くいったかのように見えるが、途中で破綻もあり、警察と一味の攻防戦にハラハラさせられる。

マリリン・モンローは、大物フィクサーの囲い女として登場するが、ひときわ目立つ美しさ。ただ、出番は少ない。

大物フィクサーの発する「犯罪とは、人間の努力が裏側に出たにすぎない」というセリフは、まさにノワール映画の真髄を言い当てたかのような名言であり、感動した。
nagashing

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3.5
強奪に成功してからが本番。内輪もめにおける四者のせわしない視線の交錯、からの堰を切ったように放たれる西部劇ばりの早撃ちにしびれる。これぞノワールと言うべき濃密な陰影、黒光りする車のボディーや配管の艶っぽさもたまらない。
ふたりの男の生きざまをとおして、破滅に導くものこそが求めているものであり生きる意味なのだという両義性が提示される。ドックの場合はシニカルに、ディックスの場合はエモーショナルに。
ゆえにスターリング・ヘイドンは前のめりに倒れる。死に瀕しながら車を飛ばす現在と仔馬で牧場を駆けていた少年時代が混濁し、地に伏した彼のもとに寄り集まってくる現実の馬は、『フランダースの犬』の天使のよう。ジーン・ヘイゲンが助けを呼びにその場を離れるのは、実質的にはその完結した世界より疎外されているからにほかならない。構図的にも完璧なロングショット。だらだらと引きのばさず、ここで終われ、というところできちんと終幕する点もすばらしい。

このレビューはネタバレを含みます

“犯罪とは、人間の努力が裏側に表れたものにすぎない”

誰も報われない。

相手のことを何も知らないのに
知った気になって偉そうに物を言う
人間の高慢さ。

いくら危機的状況でも人の癖は直らないし
嗜好も変わらないし欲求も我慢できない
滑稽さと弱点。

結構当たり前でありふれものを愛し守ろうとする悪人。

立体的に悪人を映し出した結果見えてきたのは
私と何ら変わらないグレーな人間の姿。

でもなんか私には輝いても見える。

邪道だし褒められるものではないけれど
自分の生き方とか目的を持って突き進む人間の
その揺るぎなさや情熱が羨ましくて。

でも・・・掴めない。
努力しても、望んでも、掴めないことが多い。

これが人生というものなのかな。
切ないな。
desperadoi

desperadoiの感想・評価

4.0
綿密な犯罪計画と細部にわたって詳しく描写される実行過程。劇伴ではなく現場で発生する音だけで緊張感を盛り上げるドキュメンタリータッチの演出。この手の犯罪映画は大好物…と言うより恐らくその草分け的な作品に当たるんだろう。メルヴィルが影響を受けたと言うのもよく分かる。マイケル・マンもきっとそう。

『マルタの鷹』から2本続けてジョン・ヒューストン監督作品を観たが、やはり行動描写(ドクが夢中になってピンナップカレンダーをめくるシーン!後の布石としてもお見事)でキャラクターの心理・性格を表現する演出がめちゃくちゃ上手い。
ケイパーものの元祖に数えられる映画。

後半の切なさや悲しさが印象的でした。
全てを失った犯罪者が捕まる前に過ごす不思議な時間描写が妙な気持ち悪さと切なさを携えています。

オーシャンズ11のようにスッキリするラストではないものの、痺れる人には痺れそうな映画でした。

このレビューはネタバレを含みます

サム・ジャフェの出ているシーンはすべていい。ダイナーで、ジルバを踊る女の子を見つめるシーンの妙な不気味さ、というかなんとも言えないところ。とにかく配役全員いい。マリリンも可愛いからまあ許せる。相変わらずの馬鹿っぽい小娘(悪徳弁護士の愛人)だけど。終盤に登場人物が「弱さ」を見せるとこや、夜と室内の息のつまるような空間演出で押して行き、ラストで陽光が降り注ぐ「楽園のような」牧場のロングショットに唸る。
滝和也

滝和也の感想・評価

4.0
計画、強奪、成功
そして消え行く…。
久々の強奪映画、
公開中の
ローガン・ラッキーに
添えてケイパーものの
始祖である作品を(^^)


ケイパー(襲撃)もの。過去日本では泥棒映画と呼ばれていたこともあるカテゴリー。ダイヤ泥棒のため、集められた都会の底辺で生きる登場人物の背景が作り込まれ、フィルムノワールとしての奥行きが更にでている作品です。

都会に疲れたスターリング・ヘイドン演じる腕力勝負の用心棒格と計画者であるサム・ジャッフェが印象深いですね。またそのチームを支援する首魁の情婦に若きマリリンモンローが起用され、白痴的な魅力を振りまきます。

計画が崩れながらも襲撃を完遂し…。やはりスターリング・ヘイドンのラストが素晴らしい。ヘイズ・コードのある時代、制限があるものの、アメリカン・ニューシネマを先取り、フィルム・ノワールに影響を与えた作品だと思います(^^)

監督は名匠ジョン・ヒューストン。ボギーと組んだキー・ラーゴやアフリカの女王、マリリンモンローの遺作荒馬と女など数々の名作を産んだ監督さんですが、これが私には一番面白かったかな。強奪ものの始祖である作品、時にはこんなクラシックも如何ですか(^^)

追伸 サム・ジャッフェの情けなさに男の悲しさを見ました…。