とらキチ

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実のとらキチのレビュー・感想・評価

4.0
WWⅡでナチス・ドイツ軍によるモスクワ陥落を阻止したソ連軍士官候補生たちの戦いを壮大なスケールで描いた戦争アクション。1941年、首都モスクワに迫るナチス・ドイツ軍に対し、戦場を初めて体験する若者たち約3,500名が立ち向かう。
まぁ、はっきり言ってロシアの国威発揚、プロパガンダな作品。極めてオーソドックスなストーリーで、過酷な戦場における人情噺を織り交ぜて正攻法に描く群像劇。ソ連軍といえば近年の大ヒット作「T-34レジェンド・オブ・ウォー」。そちらは戦車兵の話しだったけど、今作は戦争映画では珍しく砲兵を主に描く。博物館に保管されていた本物を引っ張り出して使用したという。でもこの対戦車砲、300m以内の至近距離でないとドイツ戦車の装甲を撃ち抜けない代物。それを踏まえた上で彼らの戦いを鑑賞すべき。
いくらプロパガンダとわかっていても、じっくりと観ていればそれなりに物語に入り込むし、一緒に「ウラー!」って叫びたくなる場面も出てくる。特にそう思ったのが、当時のソ連の新兵器“カチューシャ(ロケット砲)”のシーン!あの圧倒的な殲滅シーンには思わず「ウラー!」だった。他にもJu87シュトゥーカのやって来る時の恐怖のサイレン音や、その後のハインケルHe111の爆撃シーンでの多分ちゃんと火薬を使った大爆発シーンは凄まじい迫力で素晴らしかった。それに以前スペイン内戦に参加していたという女性看護兵のエピソードも良かった。
結構エピソードがあちこち跳ぶし、段々とみんな傷付き顔も汚れてくるので、ぶっちゃけ誰が誰だか…状態になってしまうのがチョイ難点。それとパイナップルがちょっと食べたくなる。でもあのクライマックスにはグッとくる。
どこの国でも戦争が起これば、負けそうになれば、若者に皺寄せがくる。その事を忘れてはいけない。