三樹夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)

3.7

『反撥』、『ローズマリーの赤ちゃん』に続く、部屋の中にいたら頭おかしくなるポランスキーの反引きこもり映画3部作の3作目。パリのアパートの一室を借りた男が頭おかしくなっていき、前の住人の女と精神的に同化>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.7

半端じゃない画作りをしており、バキバキの構図に細部にまでこだわった配色など、絵画的な画作りがされていて、どこをとってもとにかく画が綺麗。キメキメの画の中で起こることはマヌケな伯父さんを中心として極力台>>続きを読む

イグジステンズ(1999年製作の映画)

3.9

『トータル・リコール』+『ヴィデオドローム』みたいなやつ。現実とは仮想とはというクローネンバーグの好きなテーマに、お得意のバイオメカも登場し、意味はよく分からんけどなんか楽しくなる映画。ただ劇中のゲー>>続きを読む

ブラック・ダリア(2006年製作の映画)

2.9

元ボクサーの刑事の主人公は同じく元ボクサーの刑事とコンビを組み事件を捜査していた。相棒には恋人(スカヨハ様)がおり、事件が解決した日には相棒の家で3人で祝杯をあげるなど親交を深めていた。
ある日、強姦
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救命士(1999年製作の映画)

4.3

監督スコセッシ、脚本ポール・シュレイダー、主演ニコケイの面白い三位一体。主人公は不眠症のNYの救命士と、これは『タクシードライバー』なのかと思ったら、映画始まって完全に狂っているニコケイの目のアップに>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.4

文化祭の前日がずっと繰り返されるというループもの。これは今更言うこっちゃないが、『うる星やつら』および『うる星やつら』的なアニメは文化祭の前日をずっと繰り返してるようなもんじゃんという押井守の批評だ。>>続きを読む

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)

3.0

1958年、ドイツの検察庁へ元アウシュビッツの看守が教師をしていると訴えが届く。エリートの新米検事が担当することになるが、実は国の恥部は隠す方針により特に若い世代はアウシュビッツで何が起こったのかよく>>続きを読む

地球爆破作戦(1970年製作の映画)

3.8

冷戦下のアメリカでついにスーパーコンピュータが完成した。この感情に流されず論理的なコンピュータに国防システムのすべてを委ねればもう間違いはないとスイッチを入れ起動させる。しかしソ連も全く同じようなスー>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.9

この映画はマーク・ザッカーバーグの伝記でもFacebookの映画でもない。21世紀の学園ものの『市民ケーン』という映画になっている。実際のマーク・ザッカーバーグとこの映画のマーク・ザッカーバーグは結構>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.9

ドラゴン・タトゥーの女、ドラゴン・タトゥーの女。とんでもなくカッコいいタイトルで何回も繰り返したくなる上に、とんでもなくカッコいいパンク主人公の映画だ。
名誉棄損で訴えられ肩身の狭くなったジャーナリス
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X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

3.1

うーん…いやまさにうーん…としか言えない映画になってる。「ダーク・フェニックス」とタイトルは凄くカッコいいんだけどね。この映画はとんでもない赤字となり新シリーズは今作で終わりとなった。脚本の書き直し、>>続きを読む

X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)

3.7

前作より10年後の1983年、世界最初かつ最強のミュータント“アポカリプス”が復活し四騎士を集めて世界を支配しようとする。ジーン・グレイ、サイクロプス、ストームなどが本格的に登場。
今作ではミュータン
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X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

4.2

未来、ミュータントを狩る機械が暴れミュータントたちが追い詰められている。未来世界は荒廃しており完全にディストピアだ。世界がこうなってしまったきっかけは1973年にミスティークが新たなナチスみたいなおっ>>続きを読む

X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

4.4

キューバ危機の裏にはミュータントありの、ナチスの残党の悪ベーコンが第三次大戦を引き起こそうと画策。それを阻止しようとプロフェッサーXを中心に初代X-メンが結成されるという話。この映画の主役は誰かという>>続きを読む

シンプル・プラン(1998年製作の映画)

4.2

やっと秋になったかと思ったら一気に寒くなってもうこたつを出してしまった。みかんも買ったし、こたつ入りながら冬を感じる映画を観たいなということで久しぶりに再視聴。
この映画はサム・ライミの『スパイダーマ
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HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION(2017年製作の映画)

3.6

「まずそうなスムージーだ」
カッコいいぜ…琥珀さん。映画を重ねるごとに琥珀さんがどんどんドライブしていって、観ているこっちも素直に琥珀さんと呼ぶことができる。そんな中でも気の利いた軽口を一言かますのは
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八つ墓村(1977年製作の映画)

3.9

『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田第2話〜呪いの手毬唄と招かれざる男〜」で、タイトルから分かる通り『悪魔の手毬唄』のパロディをやっていたが、「たたりじゃ~」の台詞も入れていて『八つ墓村』要素もあり>>続きを読む

大列車作戦(1964年製作の映画)

3.9

ナチス占領時のフランスで、そろそろ戦争の状況がヤバくなってきたということで絵画好きのナチスのおっさんがピカソやゴッホの名画をフランスから本国ドイツへ機関車で輸送しようと計画する。そこに、させねぇよとフ>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

オチをざっくり言うと母親と妹と恋人が死ぬ世界線を自分が犠牲になることで、主人公が死ぬという世界線に変更し救うというものだが、映画全体の作りとしてはアメリカのセカイ系のようにも思える。主人公にとっては母>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.3

決してつまらないわけではないが、なんだろうこの何とも言えない感じの出来というか、もの凄い工業製品のような映画というか。良いシーンが全く無かったわけではない。猫ちゃん大活躍だし、特に良かったのはマーベル>>続きを読む

ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ある限定された空間を社会の縮図として描く手法は映画においてよく使用される。例を挙げれば、『桐島、部活やめるってよ』は学校が社会の縮図になっていたし、この映画と同じ刑務所ものなら『ショーシャンクの空に』>>続きを読む

U・ボート ディレクターズカット(1981年製作の映画)

4.2

自分の中で潜水艦ものは『眼下の敵』タイプと『深く静かに潜航せよ』タイプに大きく二つに分けてて、『眼下の敵』の正統後継者とも言えるのがこの作品だと思っている。物音立てず敵をやり過ごしたり、潜水艦が深海で>>続きを読む

ハスラー2(1986年製作の映画)

3.7

主演は前作に引き続きポール・ニューマン、監督はスコセッシ、若トム・クルーズもぶち込んで惑星直列みたいな布陣で制作された『ハスラー』の25年後の続編。とにかくトム・クルーズの毛量が半端じゃない。ブロッコ>>続きを読む

ハスラー(1961年製作の映画)

4.1

賭けビリヤードで金銭を稼ぐビリヤード師が主人公の映画。ハスラーとは、本来の意味であれば金を巻き上げる人というか詐欺師みたいな意味だが、この映画においては勝負師という訳が当てはまる。また『ハスラー』、『>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.0

バイク事故後のたけし監督復帰作。分かりやすいストーリーで、新しい出発の印になるシンプルな映画を目指したもの。事故から回復してレギュラー番組に復帰するも視聴率は下がり、たけしはもう終わったという評すらあ>>続きを読む

大日本人(2007年製作の映画)

1.7

松本人志初監督作品。『ウルトラマン』をフェイクドキュメンタリーでやってみせ、そこに特撮のパロディを盛り込み、それに風刺もやったという映画。テイ・トウワの音楽は良い。
主人公にインタビュアーが密着してい
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ダウンタウン松本人志の流 頭頭(1993年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

1993年制作の松本人志の映像作品。海で頭頭という生物が採れ、食用として幅広く流通している世界が舞台。頭頭はリトルグレイをもっと人間寄りにしたようなビジュアルで、気持ち悪さを覚えるデザインにされている>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

フィンチャー監督の殺し屋映画。仕事の失敗で家を襲われパートナーを傷つけられたモノローグ殺し屋おじさんが復讐の殺し屋となり、関係者を次々狙っていくというお話。

オープニングで爆殺、轢殺、毒殺、窒息死な
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アキレスと亀(2008年製作の映画)

3.1

絵画芸術家の男の苦悩の映画だが、主人公はどう考えてもたけしというか中年期からは本人が演じているし、絵画を映画に置き換えれば映画監督北野武についての映画だ。タイトルは亀にアキレスが追い付けないという有名>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

3.8

『SSSS.GRIDMAN』のその後で、『SSSS.DYNAZENON』はマルチバースという話。裕太は可愛いし、よもぎは相変わらずいい奴。
この映画でやろうとしていることは、『ウルトラマン』の最終回以
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サムシング・ワイルド(1986年製作の映画)

3.7

ジョナサン・デミ監督のラブロマンススリラー映画。口から出ることと言えば仕事の話ぐらいしかないエリートだがはっきり言って空っぽの主人公が、あんた食い逃げするつもりでしょと変な女に絡まれて、仕事ほっぽりだ>>続きを読む

影なき狙撃者(1962年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

朝鮮戦争で名誉勲章を貰った英雄は実は東側に捕らえられ洗脳されていた。アメリカに帰って来てからクイーンのトランプが引き金となり標的を暗殺していくが黒幕は母親で、母親に操られていたのだった。母親は極右と見>>続きを読む

HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY(2017年製作の映画)

3.9

ハイローがパワーアップして帰ってきた。名シーンと名言のオンパレードで観てキメるヤンキードラッグになっている。クロスカウンターみたいなノリでダブル腹パン、高嶋兄のフラッシュ顔芸、「たくさんの女たちが黒に>>続きを読む

みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

1.8

女とやりたいダンカンが車が有ればカーセックスできると思ったり、飛行機のファーストクラスでCAとやれると思いそれには金が要るなと銀行強盗したり、俳優になったり、侠客になったり、透明人間になったり、ハエ男>>続きを読む

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

3.3

テロリストがジュネーヴの国際保健機構本部に侵入し、アメリカがひそかに研究していた細菌に感染してしまう。テロリストの内の1人が逃亡してジュネーブ発ストックホルム行きの大陸横断特急に乗り込み乗客の中にも感>>続きを読む

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

3.8

アメリカの田舎の荒野で核実験の影響を受けた殺人一家に襲われる『サランドラ』のリメイク。ストーリーは基本的に『サランドラ』に忠実で、部分部分で変更がなされている。カット割り細かく、カメラも動かして、ゴア>>続きを読む