三樹夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

3.8

アメリカの田舎の荒野で核実験の影響を受けた殺人一家に襲われる『サランドラ』のリメイク。ストーリーは基本的に『サランドラ』に忠実で、部分部分で変更がなされている。カット割り細かく、カメラも動かして、ゴア>>続きを読む

サランドラ(1977年製作の映画)

3.0

田舎の荒野に行ったら『北斗の拳』の牙一族みたいなあたおか一族に襲われる映画。おそらく核実験場の影響で狂った子供が母親の腹を破って生まれ、暴力の申し子みたいな少年期を過ごしていたら父親に荒野に放り出され>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.7

社会的弱者を食い物にする街のダニどもを処刑する。祈れ、俺はお前たちを地獄に送りに来た。てめえらに今日を生きる資格はねえ‼︎みたいな、マッコールさんの街のダニの駆除シリーズイタリア篇。つまりいつものやつ>>続きを読む

6IXTYNIN9 シックスティナイン(1999年製作の映画)

3.8

タイのタランティーノフォロワー作品。基本的には『パルプ・フィクション』だが、『レザボア・ドッグス』も『ジャッキー・ブラウン』も入っていると当時のタラちゃん監督作品全部乗せ。
アパートの6号室に住む女性
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フレンチ・コネクション2(1975年製作の映画)

3.5

前作で取り逃がしたフランスの麻薬王を追ってポパイがマルセイユまで来たという作品。監督は交代しジョン・フランケンハイマーが担当している。ジョン・フランケンハイマー!強そう。

前作の殺伐とした雰囲気は弱
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

4.4

黄金の三角地帯からフランスを経由して流れてくる麻薬ルートの捜査に警官バッジを持っているだけの狂犬が乗り出す。主演ジーン・ハックマン、監督バイオレンスドキンちゃんことフリードキン、カースタントはアメリカ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラが暴れているのはいいが人間のドラマパートとこの映画の作りそのものがダメ。ダメなところは完全に山崎貴の底の浅さに起因するものだ。
この映画のゴジラはモンスターとして描かれている。怪獣のような神的な
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少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

4.0

『少女革命ウテナ』は「王子様とお姫様は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし」というのに本当にそうなの?といったところから出発しているように思う。ウテナは王子になろうとしている王子、アンシーは姫か>>続きを読む

HiGH&LOW THE MOVIE(2016年製作の映画)

3.3

そういえば数年前「ハイローはいいぞ」とかって結構話題になっていたなと思い出したかのように観た。シリーズ完全に初見で誰が誰か分からん状態だが、ストーリーはシンプルというか何と言うかという感じだからわりか>>続きを読む

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.9

バカップルが駆け落ちして、彼女の母親がそんなのゆるせんと追手を差し向けてくるというシンプルな話。ただし監督はリンチで、話の筋は超絶シンプルなのに頭おかしい人が次々出てきて訳の分からない感じになるが、君>>続きを読む

北陸代理戦争(1977年製作の映画)

4.0

ちょっと前までは猛暑だったのに一気に涼しくなって鍋が美味しい季節となった。鍋といえばこの映画でもの凄く美味しそうなカニ鍋が出てくる。ただこのカニ鍋を食べるととんでもない目に合うけど。
元々は文太主演で
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ヴァイラス(1998年製作の映画)

2.9

宇宙ウイルスにより船の機械が殺人マシーンへと変貌し、船内で人間を殺して採らえ殺戮メカ人間に作り替えて襲ってくるという『エイリアン』エピゴーネン作品の一つ。
乗り込んだ幽霊船で正体不明の化け物に襲われて
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.8

ナレーターが銀河万丈に主役は不死身の男で、こんなのボトムズじゃねーかという予告編。これで「炎のさだめ」のインストが流れていたら完璧だった。日本の配給会社はこの映画を観てピーンと来たのだろう、ボトムズを>>続きを読む

七つの会議(2018年製作の映画)

3.1

半沢の電機メーカー版。出ている役者も堺雅人outの野村萬斎inで、半沢と同じ役者が多数出ており小木曽の人まで出ている。事実上の半沢が劇場版になったということで、嫌な上司を論破して怒鳴り散らしてやったわ>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

2.0

数学の天才が海軍の軍艦建設派の建設費用見積の不正を暴き、会議で相手方を論破して軍艦建設を阻止しようとする話。かなりボロクソに言われる山崎貴だが、この映画は彼のフィルモグラフィーの中で面白い作品としてよ>>続きを読む

ミンボーの女(1992年製作の映画)

3.9

ヤクザのシノギのカモにされているホテルが舞台。ホテルでどうやってヤクザがシノギを得ているかというと、ゆすり、たかり、脅しで、警察は民事不介入で何もしてくれないので金をせびられ続ける。
ヤクザにいいよう
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マルサの女2(1988年製作の映画)

4.3

続編ものの定石に則り前作の裏社会見学の拡大路線で、地上げにカルト宗教とよりエグいテーマを扱い、前作以上に面白い顔したおじさんを投入している。丹波哲郎は相変わらず演説キャラで、益岡徹はもの凄い東大卒顔だ>>続きを読む

マルサの女(1987年製作の映画)

4.3

70年代の東映はヤクザや刑務所の実態をリアルに描くという裏社会見学とでもいうような映画を連発していた。本物のヤクザや刑務所帰りから聞いたエピソードを織り交ぜリアル感を出し、観客の下世話な好奇心を刺激し>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.5

この映画は犬神家の外観と廊下のカットから始まる。つまり家の呪いの作品ということを示している。この映画の黒幕は犬神佐兵衛だ。極悪クソジジイが、さあデスゲームの始まりですと言わんばかりにとんでもない遺言書>>続きを読む

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)

3.5

1942年のナチスに占領されたパリが舞台。同姓同名のユダヤ人と間違われたフランス人の身に起こる不条理劇だが、実際の所はフランスの黒歴史の映画化である社会派で、フランスも思いっきりユダヤ人迫害に加担して>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

街が霧に包まれ、どうやら霧の中にはとんでもない怪物がいるらしい。外に出ることが出来ずスーパーに籠城するが、人間もまた怪物なのであった。
胸糞ラストを除いてもダラボンの本性が出た悪趣味オンパレード映画と
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ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ループものというだけではなく構造的にも『恋はデジャ・ブ』を換骨奪胎している作品だ。『恋はデジャ・ブ』は利己的な主人公が利他的な行いをし、人間性の成長によりループから脱出していた。この映画のループ脱出は>>続きを読む

(1960年製作の映画)

3.9

囚人部屋の5人が脱獄をしようと計画を立て実行する、ひたすら穴を掘る脱獄もの。BGMを排して劇中に響く音は脱獄のための作業音のみで、コンクリートを叩き割る音、穴を掘る音、やすりで鉄格子を切る音などが大き>>続きを読む

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

3.1

ロマの子供を死なせてしまい追いかけられるトニーは、逃亡中にエスカレーターで男が撃たれるのを目撃し、男を撃った二人組に捕らわれてしまう。アジトに連れていかれたトニーだが、そこではチャーリーをリーダーとし>>続きを読む

マンディンゴ(1975年製作の映画)

3.0

南部の黒人奴隷の実体が赤裸々に描かれている本作。セリフの節々からなにから観ていて嫌になる描写のオンパレードだが、どこかエクスプロイテーション要素があるくないと思ったが、プロデューサーのディノ・デ・ラウ>>続きを読む

エアフォース・ワン(1997年製作の映画)

2.9

『ダイ・ハード』in エアフォース・ワンという映画。話はエアフォース・ワンがテロリストに占拠されるも大統領がステルス戦闘で一人孤軍奮闘するというもの。過去『U・ボート』で基本的に潜水艦内の場面ばかりの>>続きを読む

真夜中の刑事/PYTHON357(1976年製作の映画)

3.5

不倫パパ活おじさんがカッとなって不倫相手のステファニア・サンドレッリを殺してしまった。証拠隠滅を図り誰にも見られないように部屋から出る。しかしステファニア・サンドレッリにはもう一人パパがいた。拳銃の腕>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.5

手持ち16ミリカメラに突起物を取り付け女性を刺し、女性の恐怖に染まる顔を撮影する主人公という世界初のサイコスリラー映画。主人公はカメラを通してしか女性と接することはできず、カメラで恐怖に染まる女性を撮>>続きを読む

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

4.0

公害のメタファーというか公害そのものの怪獣ヘドラ。人間が有害物質を海に垂れ流し生まれると、2023年になってもまたこの映画が存在感を持つに至っている。劇中アニメで工場が緑を食い尽くしどんどん拡大してい>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ原住民オセージ族の居住地で起きた連続殺人事件を題材にしたドラマ。公式HPに「アメリカの歴史に暗い影を落とす実際の事件を基にしたサスペンス超大作だ」、「オクラホマで起こった先住民族の連続殺人とい>>続きを読む

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

3.6

善玉モスラVS悪玉ゴジラの単純明快娯楽作品。政官財が癒着して金儲け主義に走る人間の批判もあったりするが、悪いゴジラが暴れるのを善いもんのモスラにお願いして人間のために戦ってもらう対立構図は分かりやすい>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

3.7

映画監督が新作を撮ろうとするも精神的に四苦八苦するという話。創作の苦しみあるあるで共感を持つのだろう、多くの映画監督が自身の『8 1/2』を作っている。たけし、はやお、庵野がそうだし、『バートン・フィ>>続きを読む

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.3

3作目で監督がスピルバーグから『ジュマンジ』の人に変更。サム・ニールがカムバックしジュラパシリーズはこれで完結。次の『ジュラシック・ワールド』まで大分間が空くことになる。

アランとエリーは別れたとい
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ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年製作の映画)

3.7

前作ではあまり活躍がなかったカオス理論おじさんが主演。恋人のサラを追って恐竜島へ再上陸し、さらに娘もついてきてしまったという、スピルバーグの続編は今のところ『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』とこの映>>続きを読む

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

4.5

このジュラパは恐竜映画であるとともに大人だが中身は子供のままの主人公が大人になるという成長の物語である。映画の締め方が主人公が大人になったという終わり方で成長物語要素は大きく、スピルバーグはその後でも>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

3.5

コンビニ店員が先に会計済ましてくださいと当り前のこと言ったらチンピラにボコボコにされる北斗の拳みたいな治安のネオンビカビカの韓国のどこか。そこにさっそうと現れたバトルマシーンという21世紀韓国救世主伝>>続きを読む