YokoGotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

YokoGoto

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エリザのために(2016年製作の映画)

3.5

<正義をつらぬけない国の息苦しさ>

カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品。(ルーマニア、ベルギー、フランス合作)
監督の前作は『汚れなき祈り』。2005年にルーマニアの修道院で起きた事件をモチーフ
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.7

<31歳の松居大悟監督のセンスったらない!!>

やはりね。やはり。
松居大悟監督のセンスったらない。

『私たちのハァハァ』でリアルな女子高生(以下、JK)の溢れだす熱量を、センスある映像で綴った松
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.6

<はじめてイーサン・ホークがカッコ悪いと思ってしまった。(ホメてます)>

なぜ、イーサン・ホークはオスカー俳優ではないのだろう?
どの作品を観ても、イーサン・ホークの演技力の高さは、誰もが認めるもの
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光をくれた人(2016年製作の映画)

3.8

<夫婦という極めて閉鎖的な人間関係を、閉鎖的な無人島の灯台守というメタファーで構成されているような物語>

『自分を刺激した映画10選』をあげるなら、必ず入る映画『ブルー・バレンタイン』。きしんだ夫婦
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普通じゃない(1997年製作の映画)

3.6

<ドタバタしてるのに、構図もカット割りもちゃんとしてる>

流石ですよね。

『トレイン・スポッティング』『スラムドック・ミリオネア』のダニー・ボイル監督の初期作品です。
もう、20年前の作品で、ドタ
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何者(2016年製作の映画)

2.6

<ごめんなさい。ほんと、全然ダメでした。まさかの星1つです>

まず最初に、何をどうレビューすれば良いのか分からないです。ただ、三浦大輔監督作品をすべて否定はしないことだけは確かです。
脚本を手がけた
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(2017年製作の映画)

4.0

<喪失感という吐息をはきながら、光の方へ伸びていく>

人はいつも、『失う』という恐れの中で生きている。
喪失感とは、小さなものから人生を狂わすような大きなものまで様々で、その喪失感の感じ方も、ひとそ
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ケンとカズ(2015年製作の映画)

3.6

<男性評と女性評では、ちょっと違うかも>

2016年は邦画の当たり年と言われ、ジャンル問わず、様々な邦画が注目された。本作『ケンとカズ』も映画ファンの間では話題になっていたし、Filmarksの評価
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.4

<はやり人間も人生も(謎)である>

相変わらず、ウディ・アレン監督らしいラストが最高だった。
こんなプロフェッサーは嫌だ、と思う反面で、それに負けず劣らず、無邪気な残酷さを発揮する女子大生(エマ・ス
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.9

<何を書いてもネタバレになりそうなので、多くを語るのやめます>

SFは苦手な方で、あまり好んで鑑賞しない方です。
でも、本作『メッセージ:Arrival』は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だったのと、アカ
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.4

ー存在しない空間にある、存在感の怖さは健在ー

黒沢清監督作品に、タハール・ラヒムが出ている。

それだけで映画ファンは、若干、鼓動が激しくなってしまう。
そんな、黒沢清監督が撮った日仏合作映画。
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.8

ー乗り越えられないんじゃない、乗り越えないのだー

人には、頑張っても乗り越えられない哀しみというものがあると思う。
人間の哀しみをやわらげる『忘れる』という記憶の機能は、時に私たちを救ってくれるが、
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.8

ーサスペンスでもありヒューマンでもあり哲学でもある、極上邦画ー

すごい。すごすぎる。

何がすごいのかというと、このシナリオで、この企画で、このキャスティングで、映画を作ろうと考えた監督しかりプロデ
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お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

3.5

ー女だからって、必ずキラキラしなくたっていいんだよー

女性の人生の中で、大きく自分に影響を与える男性2人。
それが、父親とパートナー(夫・恋人)である。
最も身近に在る男性は、決して無視できない存在
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.7

ーインドとオーストラリアの家族たちから教わる、家族の本質ー

インド映画で『スタンリーのお弁当箱』という映画がある。2011年の作品で、インドで社会問題になっている児童労働をテーマにした社会派ヒューマ
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フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)

3.6

ー努力すれば、誰でもお姫様になれる社会にー

90年代、荒廃したロスの公立高校で、生徒たちと真正面から向き合い、生徒たちに希望を持たせた実在した高校教師のお話。アメリカにてベストセラーになったノンフィ
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素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店(2015年製作の映画)

3.3

ー失う事への恐れー

2015年のオランダ映画ですね。
何不自由なく暮らす貴族のヤーコブが、母親が亡くなった事をきっかけに、自殺を考えるが、なかなか自分で自殺できないので、事故に見せかけた自殺ほう助を
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.7

ーすべての意味は『アイズ・ワイド・シャット』というタイトルの意味に込められているー

何度観ても強烈な画力で、観る人を『アイズ・ワイド・シャット』の世界に引きずり込むキューブリック監督の最後の作品。
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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(2014年製作の映画)

3.6

ーWomen:Why did you pick me? Men:(Because)You are real.ー

女:Why did you pick me?
男:(Because)You are r
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奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.2

ーやはり、数学者は神とつながるんだなー

インドの数学者ラマヌジャンの実話を元にしたお話。天才的な頭脳を持つラマヌジャン役のデーヴ・パテールが、とてもはまっていて良かったです。
デーヴ・パテールはイン
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

3.2

ーエミリー・ブラントとサスペンスの相性が良いー

んーーー!流石です、エミリー・ブラント。
エミリー・ブラントの演技だけで、十分良い点がついて良いサスペンス映画。

心のバランスを崩し、アルコホリック
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エリザベスタウン(2005年製作の映画)

3.4

ー男は物事を四角く見る。女は物事を丸く見るー


『バニラ・スカイ』や『あの頃、ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督作品。2015年の作品なので、主役のオーランド・ブルームも若い。

実は、個人
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PK(2014年製作の映画)

3.0

ーうーん。なんかテンポが合わないー

『きっと、うまくいく』の最新作だし、Filmarksのレビューが高かったので楽しみに観てみたが....
うーん。なんかテンポが合わなかったなぁという印象。

主人
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

ーラ・ラ・ランドもムーンライトも、どちらも監督の愛情に溢れた作品だったー

まず、(あり得ないとは思うが)邦題にせずに、原題のまま“MOONLIGHT”としてくれた事に心から感謝したい。
本作のタイト
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ある戦争(2015年製作の映画)

3.8

ー戦争における正義の価値ー

アメリカのトランプ大統領はシリアのアサド政権を、生物化学兵器を使ったとして空爆したばかり。
このタイミングで、このテーマ。
皮肉なもので、色んな角度で、改めて考えさせられ
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ディアボロス 悪魔の扉(1997年製作の映画)

3.7

ーアル・パチーノとキアヌ・リーブスの親和性ー

<昔観てとても面白くかったが、ちゃんと観返していなかったので、観返しレヴュー>

1997年の作品で、アル・パチーノとキアヌ・リーブス、シャリーズ・セロ
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レイチェルの結婚(2008年製作の映画)

3.6

ー心がきしむ音がするー

『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』のジョナサン・デミ監督作品。
更生施設に入所している主人公(アン・ハサウェイ)が、姉の結婚式に出席するために、数日間、久しぶりに家族と一緒
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SCOOP!(2016年製作の映画)

2.9

ーつまらないという訳ではないけど、主人公のキャラに陶酔できないー

『恋の渦』の大根仁監督作品なので、映画全体はうまくまとまっている印象はあるが、どうにもこうにも、福山雅治さん演じる中年パパラッチに感
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だれかの木琴(2016年製作の映画)

2.7

ー共感できない主婦のたわむれー

直木賞作家の井上荒野氏原作、監督・脚本は東陽一監督。
原作ありきの作品なのだろうし、原作は読んでないので、その世界観の詳細はわからないのだけれど、あまりにも分かりにく
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ハート・オブ・ウーマン(2000年製作の映画)

3.1

ーメル・ギブソンが....ー

大好きな作品の一つ『ホリディ』のナンシー・マイヤーズ監督の作品。2000年の作品なので、約17年前の作品ですね。
ヘレン・ハントが、とても美しいキャリア・ウーマンを演じ
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レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

3.2

ー抽象化された人間の生:フランス映画ジブリ版ー

ジブリ映画とされながら、本作はフランス映画である。カンヌ国際映画祭で『ある視点部門』にノミネートされた事などからも、実にクロウトうけする抽象的な作品で
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あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

3.3

ー生きるために必要なものが宗教なら、死ぬために必要なのは、たった一人の愛する人ー

2014年、本国の韓国で空前の大ヒットとなったドキュメンタリー映画。

劇場での観客動員数が450万人。韓国の人口が
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.6

ー気高く誇り高い、守られるべき尊厳の物語ー

<『国』という括り(くくり)の中でしか生きられない私たち>

2016年11月。
英国下院議会の首相質疑応答にて労働党の党首が、英国の生活保護受給者・失業
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.7

ーひたすら混乱。そして圧倒的な映画力ー

これほどまで、映画を見終わった後で、ネタバレ解説を欲する映画は無い。
混乱に混乱を重ねた後に、どうやっても組み合わないパズルにフラストレーションを感じるが、そ
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すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)

3.5

ー邦画ではなかなか味わえない純粋さー

軒並み、Filmarksレビュアーさんが高い評価をしていたので、とても気になっていたタイ映画。自国のタイでは大ヒットした作品だそうですね。
タイ映画は『愛しのゴ
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黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

3.6

ーたった2人の、プライドをかけた歴史への闘いー

その国の歴史とは、そこに息づいた人びとの歴史。
辛く苦しい歴史であればあるほど、その延長線上に生きる人びとが背負う歴史は熱く重い。

ナチスドイツに強
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