ウディ・アレンの夢と犯罪の作品情報・感想・評価

「ウディ・アレンの夢と犯罪」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

ユアン・マクレガーといえば「大体のイギリス映画に出てて、死ぬ人」のイメージが定着したのはいつからだろう。
不器用で大体死ぬな…

本作でもうっかり死ぬ方。
人生ってそういうとこあるよね。
白

白の感想・評価

4.5
カサンドラの名を冠した小船は二人の夢を象徴し、来るべき悲劇を予見する。
手を伸ばした犯罪の先に待つ不可逆的エントロピーに二人の運命は大きく波立つ。
切り離せない「感情」に対する皮肉、そして赦しを希求する人間の愚劣な肖像。
otom

otomの感想・評価

4.1
"人生で確実にやってくるのは死だけだ"とウディ•アレンのいかにもなアイロニー。滑稽なんだけど笑えないって時期のやつだけれども、冷静に考えると悲劇性で言ったら昔の作品とも大差ないか。大袈裟なフィリップ•グラスの曲もなかなか。良作。
ほ

ほの感想・評価

3.4


クルーザー名のカサンドラ="凶事の預言者"だそうな。

度を超えた夢は罪をも厭わず、罪はいずれ罰される。

イギリスの超格差社会をウディ・アレン流に反映した本作。

野心家の兄、酒とギャンブルが好きな弟。
それぞれをユアン・マクレガー、コリン・ファレルが2人の対照的な特徴を捉えていた。

一度誤って回転した歯車は止められない。
舵を持たずに沖に出たクルーザーは行く手を失う。

女性関係が深く絡んでこないウディ・アレンらしさとはちょっと離れたサスペンス。


眠そうにインタビューに答え、早く寝たそうなおじいちゃんウディ・アレンおもろい。
cheeze

cheezeの感想・評価

-
見ていて焦らされまくる感覚だった。最後はあっけなく終わった。ウディアレンのこういうのははじめて。
ごとー

ごとーの感想・評価

3.5
2015/02/17
笑いの一切ないウディアレンは初めてだった。
ウディ・アレンはずっと「人生は喜劇か悲劇か?」「行動は結果となって自らに返ってくるか?」という2つのテーマを扱ってきた作家だと思う。

比較的幸せな題材を扱う機会が増えたように感じる21世紀のアレン映画だけど、本作は早々に「人生は悲劇だ」というセリフで作品の方向性を示唆する。

一方、後者のテーマは特に犯罪が絡むアレン映画は「それまでの行動が善良か否かは関係なく、人生は運次第」という姿勢が多かったように感じる。(「重罪と軽罪」「マッチポイント」など)

しかし、本作は割と明快に罪を犯した人間は罰を受ける事になる。そのストレートさが本来世界のあるべき姿であると思いつつ、アレンならではの皮肉に欠ける物足りなさも同時に感じてしまう。
ユアンとコリンの共演作なのになぜかまだ観ていなかったので鑑賞!
...ところでユアン様、ゴールデン・グローブ賞初受賞おめでとうございます!(笑)

ロンドンでレストランを経営するブレイン家の長男イアンは、貧しい生活を脱するべく投資を通して一財産を築くこと、その弟・テリーは、恋人と結婚し、マイホームで幸せに暮らすことを夢見ている。ある日、ドッグレースでテリーが儲けた大金を使い、2人は小型クルーザーを購入することになり...。

切なすぎる一本。ウディ・アレン作品は相変わらずシンプルだけどパンチが強いものばかり...!「カサンドラ号」という2人が購入したクルーザーが、良い意味でも悪い意味でも2人の運命を物語る重要なキーアイテムになっています。

終始下げ眉のコリンは、どこか自信なさげで脆い部分のあるテリーがはまり役。常にお顔はしょんぼりしているけど、いかついツナギが誰よりも似合っちゃうコリン様最高でした(笑)。
一方のユアンも、野心家なのに女性に一目惚れして骨抜きになっちゃう素直なところがあるイアン役を好演していて、これまたハマっていました。

ロンドンの街を舞台に、夢を見過ぎた2人が「形成逆転」を狙い、とある危険な賭けに出たところから歯車が狂いだす様をウディらしく淡々と描いた作品。大いなる夢を見ることはステキなことだけど、同時に大きな危険も孕んでいるということを考えさせられました。
イギリスに未だはびこる階級社会にもやや触れていたのも興味深くて、貧しさゆえにあの決断に踏み切らなければならなかったと思うと本当に切ないです...。テリーのネガティブ過ぎる部分もその生い立ちにあるのかな、と。なかなか救いようのない状況に拍車をかけて行くウディ監督の脚本に、半ば残酷さも覚えました...!

ユアンもコリンも彼女とのデートシーンが多いので、ファンの方は必見!!(笑)
池田

池田の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ウディアレンクライムモード炸裂. 「教授のおかしな妄想殺人」に続いて2つ目な気がする.
よく見るようなコメディ調の描写はなく、シリアスな展開が続き、物語にズイズイ引き込まれた. 音楽の力もあったと思う. 非常に好み. ウディアレンにこんな一面があったとは!

以下、あらすじと考察
兄イアンと弟テリーの悲劇を描いた物語.
ユアンマクレガー演じるイアンは成功する気質を持ちかつ野心家. コリンファレル演じるテリーはギャンブルと酒に惑わされがちな優しい男. 二人はお金に困ってしまい、成功していて裕福な叔父に相談を持ちかけるが、かえって叔父に殺人を持ちかけられてしまう.
結局二人は殺人を犯すが、血生臭さが一切ないのが特徴的、というかウディアレンっぽい.
この殺人シーンが本作品のターニングポイント. 前半は二人が悲劇の始まりに着地するまでの話、後半はその後の二人と悲劇. 犯行後の二人には違いがある. イアンはお金を手に入れ、夢に向かってまっしぐらで自由を満喫する. 対しテリーは罪悪感にさいなまされ鬱になる. この二人の全く異なる反応が面白い. こういうクライム系の映画で考えがちなのはこれが自分だったらどうかということだが、実際にやってみないと想像がつかないのが恐ろしい. 最終的に二人は物語の冒頭で買った船"カサンドラの夢"で死ぬ. 兄の死に方をもう少し上手く見せられなかったかなぁと思ってしまったのが少し残念. これまで述べなかったが二人には愛する女もいて、それも劇中しっかり描かれている. 最後に女二人が買い物をするシーンは、このあと生まれるであろう悲しみを際立たせている. テリーさえ上手く自分をコントロールできれば、二人は愛する女と順風満帆の人生を送るはずだったのだ.
ラストカット、虚しくプカプカと浮かぶ"カサンドラの夢"、ロンドンの曇り空、不穏.

これをDVDで観る場合はウディアレンのインタビューも観ることを勧める. 当たり前のことかと思いきやそうでもなかったことに気付かされた. 映画に相対評価なんて出来ない.
Otun

Otunの感想・評価

3.6
年末のお仕事に差し込まれ、劇場での映画鑑賞も全く出来ず、ギリギリのメンタルの私。

『あああっ、このままではエンドレスポエトリーが終わってまううううっ』などと呻き、仕事後這ったように、帰宅。
で、這って自宅廊下を移動。
で、這ったまま自宅のBlu-ray&DVD棚を漁った。
そこで、藁をも掴むかのようにDVDを手に取りプレイヤーに突っ込んだ、こちら。
ウディアレン作『カサンドラズドリーム』、再見。


うん。まず、これぢゃなかったな、と思った。
年末お仕事で疲弊しクタクタ→長編は観たくない→じゃあ短い映画の軽やかウディアレン作でしょ→折角なら最近観てなくて未レビューのにすっか→カサンドラズドリーム。

ええ、違った。違ったとも。
まず、オープニングから違う。
いつもの軽やかなジャズの流れるクレジットではない。不穏。
ビオラだか、コントラバスだか知らん低い弦楽器の怪しげな旋律。

物語。
冒頭、貧しいがそれぞれに希望と野心を抱いた兄弟(ユアンマクレガーとコリンファレル)が、小さなヨットを購入する所から始まる。
それ以降、このヨットは常に彼らの人生の暗示となる。

久しぶりに見たけど、ドキドキわくわくハラハラしました。
罪と罰。太陽がいっぱい。

結果。
私は出来るだけ実直に一歩ずつ生きて、牛歩牛歩で一発逆転なんか夢見ないぞ。
よし!明日のお仕事がんばろー、とちゃんと鋭気を頂いたのでした。
やっぱりすごいぞ、ウディアレンw
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