不知火檢校の作品情報・感想・評価

不知火檢校1960年製作の映画)

製作国:

上映時間:91分

ジャンル:

3.9

「不知火檢校」に投稿された感想・評価

20180414再鑑賞。[00]The Blind Menace。まさに座頭市誕生秘話な感じだが、金と女に汚く、杉の市は盲策士だ。検校にまで登りつめてしまう。中村玉緒がキュート。やはり、勝新の弾く三味線は素晴らしい。
戯連堂

戯連堂の感想・評価

5.0
ちっちゃな頃から悪ガキで~、悪魔の心を持った盲人という、日本映画史上に燦然と輝く、とんでもねぇピカレスクヒーロー杉の市!本作で二枚目路線をかなぐり捨てた、勝新が斬身の演技💕これが座頭市のプロトタイプだった、とは!
ベスト級のダークヒーロー風の市。
このアンモラルな人物を主役に据えて、
途中で善人へと改心したり、悲哀とかかったるい要素を盛り込んだりしないセンスの良さね!

カムイ伝とか好きなので、弱者が実力でのし上がっていく泥臭い話には、いつだって無条件降伏。
知恵遅れっぽい小僧さんとのバディ感もなんか良い。
金の為に行きずりの殺人を平気で犯し、犯した女が自殺しようと罪悪感を微塵も感じない100%の外道を勝新が演じる傑作。目くらの杉の市が知恵の遅れ気味の留吉を従える、弱者にもヒエラレルキーがある描写も絶妙。勝新の座頭ということで座頭市にも繋がる物語、一見こっちが悪で向こうが善にも思えるが、座頭市は座頭市で罪を背負っている。杉の市も座頭市も怪物的で孤独、座頭市ももしかしたら杉の市のようになっていたかもしれないと思わせる表裏一体の物語。そういや『座頭市血笑旅』に杉の市って名前の座頭が出てくるんだよね。
物腰の柔らかさに隠された
コンプレックスを盾に生き抜く凄まじさ。
つけ入る隙のないぐらい悪に徹する姿が
時に不気味で、薄気味悪い。
ずっと観たかった作品だったので鑑賞できて嬉しい!
チェケ

チェケの感想・評価

4.0
日本製ピカレスクロマンの最高峰ではなかろうか。邪悪の化身のような勝新の鬼畜の所業による成功と破滅。勝新の盲目演技は既に絶品だが後の座頭市で神懸かりの域に達する。
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.9
カツシン演じる座頭市のルーツと聞いていたので前々から興味があったけど、納得の傑作だった。強烈なまでのピカレスク時代劇で、『座頭市物語』とはまた違った意味で衝撃的。本作の主人公・杉の市の時点で既に後のいっつぁんに通ずる演技を見せているから凄い。

尺は90分ほどで短めだけど、そのおかげでテンポの良さが尋常じゃない。本当にさくさくと進むし、話の構成も無駄なく収まっているから舌を巻く。その上で主人公のルーツや悪事、伏線などが端的に解りやすく描かれているのが素晴らしい。あと個人的には三味線を弾く場面が絵面の美しさも相俟って印象的。

何よりも主役となる杉の市のキャラクター造形が秀逸。社会的弱者であることをバネにして成り上がっていく、活力に溢れた化け物が描かれている。率直に言うと清々しい程の外道。普段こそ温厚で腰が低いけど悪知恵に長け、息を吐くように悪事を働いてのける。その非道は本当に凄まじくて、もはや薄気味悪さすら覚えてしまう。だけど妙に人間臭くて、時折見せる振る舞いは滑稽にすら感じる。そんな人物像がカツシンの演技とがっちり噛み合ってて、とんでもないキャラクターを生み出してるんだよね。間違いなくこの映画の魅力の半分を担っている。

ラストの台詞がカットされたらしいのが本当に惜しい。確かに相当刺激的な台詞だけど、『不知火検校』のテーマと杉の市の生き様をこれ以上になく的確に表していただけあって勿体無い。
Catman

Catmanの感想・評価

5.0
傑作。この衝撃は座頭市の第1作を超えてしまったかもしれない。ラストではつい「スカーフェイス」を思い出してしまったけど、立場を利用しながら悪事の限りを尽くして権力の座に上り詰めるこの卑劣で狡猾な盲目の主人公の方が、純粋で刹那的でセンチメンタルなトニー・モンタナよりもキャラクターとしては魅力があるんじゃないか。レイプした若い娘が自殺しても何とも思わない。感情移入する余地が無いほど非道いヤツなのがイイ。
映画は非常にテンポが良くて設定もシンプルで分かりやすい。初めに極貧の子供時代を描く事で主人公のバックグラウンドを手際良く見せて、その後は少しもモタつくことなくラストまで駆け上がり、そしてドン!と落とす。派手な殺陣も無いのに物語自体がアクションしてます。伏線の回収もキッチリしてるし、始まりと終わりの舞台を祭りにするのもニクイ。群衆に囲まれる最後は映像的なダイナミズムも十分です。
勝新がまだ若いけど既に半端無いBADASS 感。色と欲にまみれた杉の市が浮かべる薄ら笑いの怖いこと((((;゚Д゚))))
座頭市誕生のきっかけとなった作品
成り上がる話としてめちゃ面白い、グッドフェローズ、スカーフェイス的な
座頭市のキャラとは真逆の極悪を勝新が演じてるけどどこか憎めなくて魅力的
悪〜い奴を生き生きと勝新が演じている。
座頭市前の作品で、勝新がようやく二枚目をあきらめて自身のキャラクターを作り出し始めた最初の作品。脚本も座頭市と同じく犬塚稔で自伝で座頭市が自分の創作であるとしてずっとブツブツ言う自伝だが「不知火検校」を観て思うのは、やっぱり犬塚稔が作り上げたと思いますね。とにかく貧乏過ぎて銭ゲバになる勝新が凄い。立ち回りがあるわけではないが、勝新の演技が生き生きしている。
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